米司法省のGoogle反トラスト法提訴で心の底から驚いたこと

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  • author satomi
米司法省のGoogle反トラスト法提訴で心の底から驚いたこと
Image: DOJ

AppleってGoogleにそんなにもらってたのか!!!!!

米検索市場のシェア9割、モバイル検索の95%を独占するGoogleが、20日、米司法省と11州検察庁(すべて長官は共和党)に独禁法(反トラスト法)違反の疑いで提訴されました。Microsoftを分割の危機に追い込んだ1998年反トラスト法裁判に続く大型裁判。

何が問題なの?

独占的立場を利用して、米国内だけで年間売上400億ドル(約4兆2181億円)もの検索広告事業を築き、その利益を通信キャリア、Androidメーカー、ブラウザ、Appleに分ける条件でデフォルト検索エンジン契約を結び、競合エンジンの参入を阻んできたのではないかという疑いが持たれています。以下は、ワシントンDC連邦地裁に提出された訴状の序文。

20年前、Googleは黎明期のインターネットを検索する画期的技術を有する一介のスタートアップとしてシリコンバレーに熱狂を生んだ。あのときのGoogleはもうない。今のGoogleはインターネットを独占するゲートキーパーであり、世界最大級の富を有し、その時価総額は1兆ドル(約105.5兆円)にも達する。長年に渡って検索サービス、検索広告、検索テキスト広告の市場で独占的地位を保持・拡大し、これを足掛かりに一大帝国を築いてきた。

これを受け、Google社Kent Walker国際部門上級VPは「欠陥だらけ」の訴えだと公式ブログで反論。こう書いています。

利用者がGoogleを使うのは自らの選択。ほかに選べるものがないからでも、強制されたからでもない。


[...]アメリカの独占禁止法は、イノベーションを促し、消費者を守るためのもの。特定の競合他社に有利になるよう便宜を図ったり、希望するサービスを人びとから遠ざけることが目的ではないはずだ。

仮に有罪となった場合の措置は不明。会見でジェフリー・ローゼン副司法長官もそれについては言葉を濁しました。訴えに名を連ねたのはすべて共和党系検事なので、トランプ政権の最後の最後にドーンと出した感があります。EUでも反トラスト法裁判で14億9000万ユーロ(約1858億円)の支払いを求められているGoogle。 どうなっちゃうんでしょうね…。

それにしても驚くのはデフォルトで表示してもらうためにGoogleが払っている金額です。訴状のp37にはこんな信じられない数字が並んでいますよ。

「GoogleとAppleの数か年契約では、Googleの検索エンジンをSafariのデフォルトに設定し、さらにSiriとSpotlightの一般的検索クエリの回答にもGoogleを使う契約になっている。Appleの膨大な消費者ベースへの独占的アクセスと引き換えにGoogleはAppleに巨額の広告収入をレベニューシェアしており、その金額は公けの試算では推定80~120億ドル。GoogleがAppleに分配する売上だけで、Appleの全世界の純利益の実に約15~20%を占めるのだ。

そう、Appleの世界の儲けの15~20%がGoogleなんですよ。これは想像以上だった…。

Googleはそこまで貢いでも、Safariのデフォルト位置は譲れないらしく、社内の資料でも、そこを奪われたら「Googleが足元から崩れてしまう」という認識で、Apple端末のデフォルト位置を失うことを「コードレッド」のシナリオ(是が非でも避けたい事態)と恐れているのだといいます。

この裁判でそういうレベニューシェアが違法ってことになったら、儲けの15~20%が飛ぶAppleもコードレッドという気もしますけどね…。次期政権が継続した場合、裁判は数年がかりの長丁場になります。

GAFAの前哨戦ですね…。

Source: Bloomberg, DOJ, Google

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