iPad版Illustratorがリリース。ゴロゴロしながらロゴが作れちゃいます

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  • author ヤマダユウス型
iPad版Illustratorがリリース。ゴロゴロしながらロゴが作れちゃいます
Image: Illustrator iPad版/ヤマダユウス型

8.0時代からすると隔世も隔世ですわ…。

予約日のとおり、10月21日(水)に「Illustrator for iPad」がリリースされました。Photoshopと並ぶAdobeの看板ソフトであるIllustratorも、はれてiPad版に対応。果たしてどれくらい使えるのか〜な〜?

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最初の1ヶ月は無料体験期間で、2ヶ月目からは月額1,080円のサブスクアプリに。はじめの1ヶ月の試用で、自分に合っているかどうかチェックしてねってことでしょう。

使った感じわりとクセがありますね。PC版のイラレと比べると操作性や一部の機能性で劣ってて、Photoshop iPad版同様に「PC版イラレがママiPadで使える」ではないです。なので、操作感の確認はかなーり大事。

できること

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基本的なIllustrator要素は抑えてるようです。画面左のツールバーから矩形やテキストを選択し、描画したり選択ツールにしたり。なお、画面左下の見える丸い図形(三角形に重なってるやつ)は仮想シフトキーで、これを押しながら描画すると平行や垂直がとれます。探してみた限り、仮想Altキーは無いっぽいです。

なお、デバイスにはiPad Pro 12.9インチ+第2世代Apple Pencilを使用。動作は軽快で、左手でピンチズームしながらペンシルですらすら〜っと描画できますね。

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プロパティや整列、パスファインダーなどは画面右に収納。また、選択したオブジェクトの下部には線幅変更やロック、複製、削除などのアイコンが表示されます。複製→平行移動というイラレの定番フローをこなす場合は、複製アイコンを押してからシフトキーで移動というかたちに。均等な間隔を開けたい場合は整列ツールorグリッドで対処します。⌘+Dによる繰り返しがないもので。

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パスツールによるベジエ曲線も問題なし。2本指タップのアンドゥも使いやすい。でも、この手書き感が本領を発揮するのは鉛筆ツールによるパスの直接描画でしょうね。液タブのごときなめらかなパスをシャシャっと。

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テキストツール。クリスタで使うためにインストールしたフォントも、問題なく表示されました。フォント欄のスクロールが連続的なのが心地良い&見やすいですねー。PCだと段階的になって目が迷うことがあるし、これは良きUIUX。

良いところ

イラレではタイポグラフィを作ることも多いでしょう。なのでテキストのいじりやすさには重きを置きたい。タブレットでそれがどこまでできるかと不安でしたが、かなり頑張ったようです。所感的にはiPad版Photoshopやクリスタよりも使いやすいかなと。

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拡大、トラッキング、行間は、プロパティをいじらずとも可能に。ペンの可動範囲を抑えつつ修正も手早く行えるため、これは素敵な仕様です。水平垂直をいじるにはプロパティからもう1つ階層を下ったり、ベースシフトがなかったりと未熟な要素もありますが、まぁ対応できないほどではないかな。

で、次にオブジェクトの前後順。PCだと⌘+Shift+{or}をでドカドカ調整するやつですけど、アプリ版ではアイコンからグラフィカルに操作します。

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薄い色のテキストの階層を、下から上に繰り上げています。レイヤーを見ても前後順が入れ替わってるのがわかりますね。袋文字やドロップシャドウもドカドカ作っていけるはず。アピアランスや属性の表示タブはないっぽいかな。

他にも、プレビューとアウトライン表示の切り替えが画面右上のアイコンから簡単に行えたり、写真やクラウドの素材を簡単に読み込めたり、作業中にアプリを落としてもちゃんと保存されてたりと、抜かり無い仕様となっております。PCのイラレで製作途中のデータをクラウドドキュメントに保存しておけば、双方向に編集も可能。データロスの悲劇も防げるでしょう。クラウド万歳!

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ライブストリームも簡単にできちゃうあたり、ナウいよねぇ。

これから期待したいところ

逆に「これは無いのか〜」と思ったところも色々あります。すんごくでっかい要素でいうと、キーボードショートカット。Smart Keyboard Folioを使った限りでは、キーによるツール選択(Pでペン、Mで矩形など)や、コピペ、アウトライン化など一部のショートカットは機能しましたが、⌘+Dによる移動の繰り返しや、スペース押しながらのアートボード移動などには非対応でした。

なので、キーボードショートカットをガツガツ使って作業している人は、まずこの洗礼を受けることになります。手癖でスペースを押す人にはかーなーり厳しい仕様ですよ。いつの日か、PC版のショートカットセットを持ってこれるほどカスタム性が高まると良いのだけれど。

テキスト周りでいうと、バウンディングボックスの表示がないため倍率変更がちと面倒です。タイポグラフィを編集する場合、横倍でボリュームの様子を調整することも少なくないと思うので、そのたびプロパティ触らせるのもなぁ。

あとはAltキーが無いことで複製や拡大時の中心が面倒になったり、ペンツールで垂直を引けなかったり、効果(スタイライズやワープ)やシアー、多角形ツールでの頂点設定がなかったりとか。PC版と比べて機能面で足りない部分は少なくないので、いくらかの要素は諦めなければなりません。それがよく使う要素だった場合は…。

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「どこでもイラストレーター」という恩恵はゆらがない

と、足りない部分も確かにありますが、そもそもアプリ版にPCと同じ作業効率を求めるのは酷ってもんですよ。それに、こいつのメリットってクライアントの前で「例えばこんな感じですかね?」って、30秒で仮ロゴやデザインを作って直接見せることにあるんじゃないかな? となれば、100点を作り込むよりも方向性や仮組みをスピーディかつ直感的に触れる方が大事なはず。

もちろん、どこでもイラストレーターを操作できるという最大の恩恵はゆらぎません。スタンディングデスクで、温かいこたつで、お気に入りのカフェで、パスをいじりながらデザインを追い込めるようになりました。iPad版Photoshopは残念感に満ちあふれていましたが、それに比べるとiPadでイラレを動かす理由はまだあるはず。

…いや、でも月額払うならキーボードショートカットはもうちょっと頑張ってほしいな。ピンチズームのためだけにキーボードから画面に手を移す手間は、積み重なるストレスタワーですよ。これからのiPadイラレの進化に、期待を込めて星3つ。

Image: Illastrator iPad版/ヤマダユウス型

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