今年のオゾンホールはアメリカの2倍の大きさです。

今年のオゾンホールはアメリカの2倍の大きさです。
Image: Gizmodo US

守ってくれてるオゾンに穴開けるって、よくない。

穴があったら入りたい!ってとき、ありますよね。「二度と戻れないくらい深い穴がいい」という方、オゾン層まで行けば大きな深い穴が開いているのをご存知ですか?

欧州連合のコペルニクス大気監視サービス(ECMWF)の専門家チームは火曜日、オゾンホールが今年の最大値に達したと発表しました。南極上空に広がるオゾンホールは近年最大規模の2300万平方kmに に達しており 、これはアメリカ全土の2倍を超えるサイズに相当します。

オゾンに穴が開くと、太陽から有害な紫外線が降ってくる

オゾンは地球の大気の一部で、太陽から降りそそぐ危険な紫外線のほとんどを吸収してくれます。しかし、人類が愛用する冷蔵庫やエアコンから出るフロンガスなどによってオゾン層が極めて薄くなる「オゾンホール」が発生し、その規模は年々拡大してきました。

オゾンホールの著しい拡大が問題化した1980年代、世界の指導者たちはオゾン層を破壊する化学物質の使用を禁止しました。しかし今もオゾンホールは依然として大きな問題であり、穴が完全にふさがるには数十年を要すると言われています。

オゾンホールは、地上から低温の成層圏に放出されたオゾン層破壊物質と、南極地区に差し込んだ太陽光が化学反応を起こすことで発生。大気が氷の状態に近いほど、この化学反応は促進されます。今年、南極上空で非常に強い極渦が発生したことから、気温が大きく下がり、オゾンホール形勢が促進されてしまったわけです。

オゾンホールのサイズは毎年変わる

オゾンホールの大きさは、太陽活動や気象条件によっても変動するものですが、通常は10月に最大になります。だからといって「なんだ、毎年縮んだり膨らんだりしてるんだ」とナメてかかってしまうのは少々危険。というのも2020年、ピーク時に観測されたオゾンホールの最大範囲は例年よりはるかに大きく、深かったのです。

コペルニクス大気監視サービスのディレクターであるビンセント・ヘンリピュエシュ氏は、「2018年に見られた、比較的大きくて深い穴に似ている」と述べています。

実は、徐々に穴は縮小傾向にある。が…。

ここで浮かんでくるのは、「あれ、昨年はオゾンホールが最小とか言ってなかった?」ということ。確かに、2019年のオゾンホールは記録上最小の1640万平方kmで、10月までには1000万平方kmまで縮小していました。

「オゾンホールの大きさは、毎年かなりばらつきがあります」とピュエシュ氏は言います。確かに!

今回、オゾンホールに関する悪いニュースをお伝えしましたが、全体像としてはもう少し楽観視してもよさそうです。国連の研究によると、オゾンホールはゆっくりではあるものの、確実に小さくなっています

オゾンホールから漏れ注ぐ紫外線は、皮膚がんや白内障の発症につながる恐れがあります。オゾン層の破壊を食い止め、危険レベルの紫外線から地球上のすべての命を守るため、我々は早急にオゾンを破壊する化学物質の放出をストップしなければなりません。

そのために重要なことは、世界中のすべての人が国連協定である「モントリオール議定書」を遵守することです。1987年に採択されたこの協定のもと、各国は指定された化学物質の使用を速やかに、段階的に廃止することを約束しました。この条約は、歴史上最も「成功した国際環境協定」の1つですが、アメリカの2倍もあるというオゾンホールを思うと、日焼け止めを塗って紫外線を防ぐ以外に、まだまだやるべきことがあるんじゃないか、とあらためて思います。

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