Googleスマホの新しい方向性。
今日10月15日より発売となったGoogleの新スマホ「Pixel 5」と「Pixel 4a 5G」、ケースとともに届いたので写真多めにご紹介します。最後にPixel 6に期待することも!
Pixel 5
持ってみてまず驚くのがその軽さ! 背面ガラスをなくしたインパクトが大きかったのか、数字にしてわずか151gになりました。めちゃくちゃ軽い。心配になるほどの軽さではないですが、この中に4,080mAhの大容量バッテリーが入っているとは思えいほどの軽やかさがあります。
そしてプロセッサーがSnapdragon 765Gとミドルハイ級と消費電力ちょい少なめなので、去年のPixel 4シリーズで「Pixelはカメラ良いけどバッテリー持ちよくない」と言われていたのがウソのような、とんでもない持久力が期待できます(RAMは8GB、ストレージは128GB、どちらとも良い感じ)。
手触りはソフトでうっっっすら凹凸感あり。これはアルミボディーの上から樹脂を被せているらしく、6インチのコンパクトさも相まって手に馴染みます。なにかスグレたものを持っていると感じさせるクオリティー。ちなみにアルミボディーでありながらワイヤレス充電(&リバースワイヤレス充電)に対応できているのは、アルミ筐体の中心をくり抜いているからです。工夫しますねぇ。
ベゼル(画面縁)の幅が均一になっただけのはずなのに、不思議な魅力を感じる画面側です。人はシンメトリーに弱いのでしょう(均一ベゼルにこだわったiPhone Xは偉大だった)。リフレッシュレートは90hzとなめらかです。居場所のなくなったフロントカメラは、パンチホール型で画面に居座ることとなりました。
イヤピース(通話時に耳に当てる)スピーカーは画面下に格納しています(画面自体を震わせる方式)。通話などには事足りる音質ですが、動画を見ようとするとステレオ感と低音域に物足りなさあり。
個人的には、ある程度上と下のベゼルを太くして、そこにフロントカメラと高音質スピーカーをつけて欲しいですね。言うならば、Pixel 3の上下ベゼルを少し補足したようなデザインでしょうか。
カメラは去年の「広角+望遠」の2眼から「広角+超広角」の2眼に変化しました。正直なところ「広角+超広角+望遠」という3眼への進化に期待していたので、絶妙な心持ちです。超広角は嬉しいけど、望遠は若干弱くなってる……。けど、センサーの揺れを活かして画素を稼ぐ超解像ズームがあるので、望遠がてんでダメというわけではない。でも望遠レンズによる光学ズームには敵わない…。ンンンGoogleゥゥゥ。
生体認証系は背面の指紋センサーになりました。マスク着用がエチケットとなった今にありがたいですが、家では顔認証の楽チンさが惜しまれます。
純正ケースは上の3色と、青っぽいのが1つ(下記にあるPixel 4a 5Gのケースと同じ青)。本体カラーがこの薄緑色と黒だけでケース色が豊富なのは、買ってすぐケース付ける人が多いからでしょう。Google的にはケースでカラバリを出す方が合理的。
スマホ本体がIP68準拠の防水防塵なのに、ケースが布製で濡れやすいのはGoogle渾身のジョークでしょうか? いいえ、手になじみやすい素材でユーザー自身が手洗いできるのが布だったのです。洗い方ガイドはこちら。
おさいふケータイもFeliCaも使えて、5G(Sub-6)にも対応したスマホとしてはお手頃感のある7万4800円(税込み)となっています。
イイ写真が撮れて、軽くて、バッテリ持ち良くて、5Gが使えて、高すぎないお値段。Pixel 5結構グッときますよね。実験的なガジェットだったPixel 4とは打って変わって、ユーザーの需要に寄り添ったデバイス。Pixel 5がGoogleスマホの今後を示すのだとしたら、これからは「売れるスマホ」がGoogleの目指すところとなりそうです。
ということはグッバイSoliレーダー? いいえ、いずれカムバックを果たしてくれるはず。
Pixel 4a 5G
黒くてひとまわり大きいのがPixel 4a 5Gです。一言でいえば今夏に発売されたPixel 4aを大きく、5Gに対応させて、広角カメラを搭載したスマホ。お値段は6万500円(税込み)となっています。
PixelのaラインなのでPixel 5と比べるとプレミアム感が薄れますが、カメラと内部スペックは同等で5G対応にも対応しているなどかなり魅力的です。強いて言えばIP準拠の防水ボジンじゃないのが残念なくらいでしょうか。
ポリカーボネート(プラスチックの一種)のボディーで、Pixel 5の樹脂までとは行かずとも手になじみます。そして軽い(168g)です。バッテリーは3,885mAhと十分で、内部スペックもプロセッサはSnapdragon 765G、RAM 6GB、ストレージ128GBといい塩梅。
下が若干太いベゼルなので、洗練感はちょーーーっとPixel 5に届きません。イヤピーススピーカーは従来通りのグリル式。ただし「新しくないのでダメ」というわけではなく、動画などを再生する際の音は 低音域がしっかりあってPixel 5よりよかったです。やっぱり上下のベゼル少し太くしt……。
カメラはPixel 5と同じ「広角+超広角」の2眼構成。指紋センサーがあるのも同じですね。Pixel 5と同じじゃないのはイヤホンジャックがあるところ。これが最後のワンプッシュとなって4a 5Gを買う人もいるんじゃないでしょうか。
Pixel 4a 5Gの純正ケースは上の3色&Pixel 5のケースにあった黒の1色です。個人的に青っぽいやつの色使いがユニークで好きですね。
Pixel 6への期待
Pixel 5もPixel 4a 5Gも魅力的なスマホでした。特にGoogleの最新ソフトウェアが使えるのがグッドですよね。デジタルウェルビーイングの管理や、スマホカメラので星空撮影、Titan Mチップを使った堅牢なセキュリティーなどなど。これらのソフト機能だけでもベタ褒めしたいくらいのところなのですが、そのほかにアメリカ・英語圏でしか使えない機能が多いのが現状です。スパム電話をフィルターしてくれる「コールスクリーニング」や、録音アプリ「レコーダー」でのリアルタイム文字起こし、そしてGoogleアシスタントにレストランなどの予約をしてもらえるなどの便利機能は、残念ながらまだ日本国内では使えません。
なので日本在住者としてPixelに期待するところは、ハードウェア面での進化も大きかったです。なにせ、対岸のiPhoneを見てみれば、Pixelの主戦場だったコンピュテーショナル・フォトグラフィー・パイプラインを物凄い勢いで進化させています。Android陣営のなかを見ても、折り畳みスマホをグイグイ出していくSamsung/Galaxy、4Kディスプレイを搭載せたSony/Xperia、スマホ内でカメラをギンバルさせるVivo、120Wの急速充電を実現したOppo、SoCの自社開発で異才を放ったHuawei…などなど。
各社がフラグシップスマホを出していく中で技術革新を起こしながらスマホの限界を押し広げているんです。そしてフラグシップで培った技術を(時差はあれど)ミドルクラスに搭載していくことで、近年のミドルクラススマホはすごく魅力的になっていました。F1と市販車の関係に似ています。Pixelもそうです。GoogleがPixel 3や4のカメラがスマホ界最高峰にまで磨き上げていたおかげで、そのソフトウェアを流用したPixel 3aや4aは「フラグシップのカメラが使えるミドルクラス」として話題になりました。
しかし2020年のGoogleのスマホラインナップはどうでしょうか。Pixel 5をフラグシップに据えてPixel 4a 5GとPixel 4aが続く形となっています。もちろんこの3機種の中ではPixel 5がフラグシップなのですが、スマホ界全体を見渡すとミドルハイクラス程度。工夫はあれど革新はない印象です。去年のPixel 4はSoliレーダーという新技術あって面白かったのに、今年はどうしちゃったのか…?
個人的なわがままかもしれませんが、Android OSの総隊長であるGoogleにはもっと期待したいです。スマホ界全体から頭ひとつ抜ける何かをもった本当の意味での「フラグシップ」モデル。来年はそんなPixel 6が発表されることを期待したいですね。頼むぜGoogle!
Source: Google
Photos: 西谷茂リチャード