どういうイヤフォン・ヘッドフォンがいいか、欲しいかって、ライフスタイルや予算に応じてかなり違ってくると思います。てことで、今回米Gizmodo編集部がレビューしたのはBeats Flex。現市場ベスト! と太鼓判押していますが、そのカテゴリは安価イヤフォンとしてです。
安いBluetoothイヤフォンは、大抵クオリティがかなり低いものです。低価格実現のため、サウンドクオリティだったり、バッテリーもちだったり、Bluetooth性能だったり、何かを犠牲にせねばなりません。が、Beats Flexを1週間使ってみて思ったのは、50ドル(5,400円)という低価格の割に、うれしいことに大きな犠牲を出していないということ。
昨今のオーディオ業界は、もちろんワイヤレスが主流。でも、ワイヤレス上位モデルは価格もなかなかのもの。たとえば、BeatsのトップラインPowerbeats Proが250ドル(2万4800円)、Apple(アップル)のAirPods Proも250ドル(2万7800円)。ワイヤレスゆえにワイヤーがないのがウリですが、それが一長一短ありという人もいるでしょう。個人的には、AirPods/AirPods Proの充電ケースがどうも使い勝手がよくないと思っています。イヤフォン片っぽなくしちゃったという人も少なくないと思います。そこで目がいくのがApple傘下BeatsのBeats Flexです。iPhoneユーザーにとってはエントリーレベルのBluetoothイヤフォンで、小難しいことなくシンプルに使えます。あ、もちろんAndroid端末でも問題なく使えますよ!
Beats Flex

これは何?:Apple傘下BeatsのエントリークラスBluetoothイヤフォン。
価格:50ドル(5,400円)。
いいところ:iPhoneとの連携がシームレス、軽い、価格のわりに安定した音質。
残念なところ:ネックケーブルのデザインが少々古いかと…。
初ネックケーブルタイプでも満足できる
今までネックケーブルがあるイヤフォンを使った経験がないので、ネックケーブルはもちろん、イヤフォンそのもののつけ心地はどうなのかなと心配でしたが、その必要はまったくありませんでした。シリコンチップは4サイズあり好きなフィット感を選ぶことができますし、そもそも軽い。
ネックケーブルも、右に電源ボタン、左にマルチ機能ボタンと音量があり、左右のバランスを考えて配置されています。マルチ機能ボタンでは、1回押しで曲の再生・停止、2回押しでスキップ、長押しでSiri発動からの音声コントロールでApple Musicのその他操作が可能です。マルチボタンと音量クリッカーの位置が使いやすいですね。
イヤフォンにマグネットが仕込まれており、使わないときは首にかけたままでも左右ピタっとくっつけておけるのがいいです。あと、左右ピタッとすると音楽一時停止されるのが気がきいています。

Beats Xのアップグレード版なのにずっと安くなってる
Beatsユーザーならピンとくると思いますが、簡単にいえばBeats Flexは3年前のBeats Xのアップグレードプレミア版という感じ。なのにずっと安い。安いのに音がよくなってます。これは、新ドライバとイヤフォンに施されたレーザーカットによる通気孔のおかげ。
あと、デジタルプロセッサによるチューニングも非常にバランスがいいです。音が幾重にもなっているタイプの楽曲、たとえばフィービー・ブリジャーズの『I Know the End』なら、管楽器・ギター・ドラム、そしてブリジャーズの叫びをうまく切り離してチューニングしています。たとえばフリートウッド・マックの『Silver Springs』なら、ピアノとギターが、スティーヴィー・ニックスの歌声を引き出し、よりクリアにする良チューニング。
Beatsといえば、ベースを前面に出すスタイルが特徴ですが、最近ではそれも控え気味かな。と言ってもベースが弱いわけではなく、Flexでもしっかりベースが輝いてました。これは安価イヤフォンでは稀だと思います。ランニング中はアップテンポなダンス系を聴くことが多いのですが、アクティブノイキャンなしでも走っていて周辺音が気になることはありませんでした。


バッテリーのもちはよし。充電はUSB-C
1週間のレビューで毎日、日に数時間使用した結果、バッテリー残量は20%に。使い方しだいですが、私のように日に数時間程度のユーザーなら一度の充電で1週間もつと思います。ちなみに、Apple公式表記はバッテリーもち12時間。あと、これ重要なのですが、USB-C対応なんです。Lightningケーブルなくても充電できるんです! これAndroidユーザーにはかなりうれしい仕様ですよね。同梱のUSB-S充電ケーブルが、めちゃくちゃ短くて使い勝手悪いですけど。
iPhoneユーザーなら魅力を最大限堪能できる
Androidユーザーにもうれしいけれど、やはり最大限魅力を堪能できるのはiPhoneユーザー。FlexはApple W1チップ搭載なんです。つまり、iPhoneユーザーならば、AirPods接続と同じようにイヤフォンを認識してくれてペアリングが非常に楽。一瞬で接続完了です。また、iOSのオーディオ共有機能が使えるのもiPhoneユーザーならでは。AirPodsユーザーの夫に、カーディ・Bとミーガン・ジー・スタリオンの『W.A.P.』をオーディオ共有してみましたが、うまく行きました。夫はびっくりしてました。

50ドルの端末に、正直ここまで期待していなかったので驚きましたね。Apple製品よりもずっと安い価格でAppleのオーディオ体験ができるBeats Flex。音質上々、バッテリーもちよし。個人的な感想をいうと、ネックケーブルは2020年には古いのでは? と思いますが、そこはそれぞれの使い方しだいなので。何より重要なのは、50ドルという良心的低価格です!
まとめ
・50ドルでこれなら最高!
・この価格でこの音質は素晴らしい。
・シリコンティップは4サイズで、イヤフォン自体も装着感よし。