真空管を通る移動が、いよいよ現実味を帯びてきました。
かねてより開発が進んでいたVirgin hyperloopの「XP-2」ポッドが、初めて乗客を乗せて走行するテストに成功しました。このポッドは磁力で浮いて、真空になった筒の中を電気の推進力で進みます。
実験は、ラスベガス郊外のネバダ砂漠にて行われました。進んだ距離はたった500mで時速は172kmでしたが、人類にとっての大きな一歩となります。
無人テストはこれまで400回以上行われてきたとのこと。
従業員がお試し
搭乗したふたりは同社の従業員で、最高技術責任者のジョシュ・ギーゲルさんと、乗客体験担当ディレクターのサラ・ルチアンさん。どちらも試乗するのに適任の役職です。ふたりとも宇宙服のようなスーツではなく、ラフな私服で搭乗したのもちょっとしたポイントです。乗り心地はローラーコースターのようではなく「スムーズで気分が悪くなるようなことはなかった」とBBCで語っています。

会長も喜びのツイート
この成功を喜んで、リチャード・ブランソン会長もツイートをしています。
Two passengers have ridden in a @virginhyperloop pod in a test that has made transportation history. Read my thoughts on why I’m so excited about Virgin Hyperloop and its potential to change how the world moves around: https://t.co/4PRA6PN8B1pic.twitter.com/MXd2ZC9CmX
— Richard Branson (@richardbranson) November 9, 2020
「移送の新たな歴史を刻み、世界の移動を変革する可能性を秘めている」と綴っています。
公式に安全が評価された
今回のテストは、公式に評価を下すISA(Independent Safety Assessor)という独立した第三者機関立ち会いのもとで行われ、安全性が証明されることになりました。
「XP-2」はテスト車両ですが、無人の状態で時速387kmまで出したことがあります。これは最終的に、最大28人乗りの電車のようなポッドになるようです。その最高時速は1,080kmで、LAとサンフランシスコの距離615kmを43分で結ぶ計算となります。この距離は自動車で6時間、飛行機でも1時間半かかるので、実現したら旅行が超便利になりますね。
ただし問題は、景色がつまらないことでしょうか? 筆者が乗った最高時速300kmの上海トランスラピッドは、速いなりにも景色が見えたので飽きなかった憶えがあります。とはいえ、さらなる続報と、商業利用が可能になる日を楽しみにしたいですね。
Source: YouTube, Twitter, Virgin hyperloop via NEW ATLAS via BBC