時空は超えられないけど、時代を超えてEV化。
映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でタイムマシーンになった、「DMC-12」こと「デロリアン」。これに日産リーフの電動モーターを積み、6気筒130馬力を200馬力の電動自動車へパワーアップさせた猛者が現れました。
その名は「AC/DMC」!
これにはTesla(テスラ)のコンプレッサーも使用しており、後ろに積んだインバーターがゲーム用PCのように光ります。
最高なのが、このデロリアンに与えられた名前の「AC/DMC」。往年のロックバンドと、直流電流を交流電流に変換するド派手なインバーター、そしてデロリアン・モーター・カンパニーの略称「DMC」を見事にMr. フュージョンさせているのです。
この魔改造を行ったのは、ガソリン車をEV化した経験を持つジェイコブ・グラハムさん。TeslaのEVに負けじと、デロリアンに手を入れたのでした。
デロリアンはパワー不足
アメ車のスポーツカー的には、6気筒130馬力ではパワー不足。かつてはビュイック「グランド・ナショナル」の、4.3Lの570馬力V6エンジンでパワーアップした魔改造もあったくらい。ですが時代はEVですもんね。
グラハムさんは、まず段ボール紙でモックアップを作成し、次にAutoCADで交換部品を設計しました。それから彼は、車体の前後に日産リーフの24kWhバッテリーが合計48個載るよう工夫を凝らし、データはレーザー切断会社に送って切り出して貰いました。完成したデロリアンは、エンジンを積んだ時より116kgも軽くなったので、ハンドリングや加速、更にはトラクションまで向上したのだそうです。
またモーターの温度や電流の様子、やバッテリー残量などのデータを見るため、グラハムさんはAndroidアプリと統合するアルドゥイーノをプログラミングし、ダッシュボードにディスプレイを搭載。それ以外、内装はほぼオリジナルのままとなっています。
実は珍しくないEVデロリアン
デロリアンのEV化は珍しいものではなく、日本の代理店が3,780万円で販売していたり、スタンフォード大学がEV化し自律運転でドリフト走行させたりと、いくつものケースがあります。ですが個人で、あらゆるパーツを手作りするのはかなりの気合いが必要ですよね。それでもこうして魔改造するのは、やはりデロリアンに魅力があるからなのでしょう。
Source: YouTube via hackster.io
Reference: 株式会社 デロリアン・モーター・カンパニー