ボタンやダイヤルが並んでいるメカメカしさもイイ。
日本人宇宙飛行士の野口聡一さんを含む、4名の宇宙飛行士を乗せたSpaceX「クルードラゴン」1号機。これが日本時間の16日午前9時27分に、フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられました。そして国際宇宙ステーション(ISS)に合体するのは、17日の13時頃を予定しており、半年ほど滞在します。
Liftoff! pic.twitter.com/Unf1ScdVFB
— SpaceX (@SpaceX) November 16, 2020
NASAによる生配信の様子もどうぞ。
「クルードラゴン」は、5月に宇宙飛行士のボブ・ベンケンさん、ダグ・ハーリーさんをISSに送り届けた実績がありますが、その時は人類初の民間ロケットによる有人飛行を成功させた、デモンストレーション飛行でした。そして今回は、NASAが定期的に打ち上げるであろう最初のミッションとなります。
宇宙船のユーザーインターフェイス60年の歴史
この打ち上げを祝して、UXCollectiveがこれまで打ち上げられた、宇宙船のUI/UXについて振り返っています。きっかけはLinkedInでの投稿のようですが、そこには1961年~1965年のアポロ、1981年~2011年のスペースシャトル、そして2019年から運用が始まったSpaceXのクルードラゴンと、各コントロール・パネルが3つ並んでいます。
指先で押したり回したりして、手応えを感じられるのが、アポロのコントロール・パネル。以前に取り挙げた、「アポロ・コマンド・モジュール・フライト・デッキ」のパネルは最高に美しいものでした。
スペースシャトルでは、窓から外が見えますがディスプレイが増えた印象。アポロとクルードラゴンのちょうど中間って感じです。そして現代のクルードラゴンはフルカラーで、グローブ越しでも操作ができるタッチスクリーンが3枚並んでいるUIがメインとなっています。
The control panel consists of three touchscreen displays, which allow the crew to operate and fly the vehicle manually if needed pic.twitter.com/78qDepdaSW
— SpaceX (@SpaceX) November 16, 2020
ボタン類もあまり細々していませんね。
スマートフォン&タブレット端末の技術が影響
タッチパネル自体は昔からありましたが、当時は感圧式ばかりだったかなと思います。ですがiPhoneの登場から静電式が主軸となり、スワイプで画面がツルツルーっと滑らかに動くようになりました。
次の段階は、それが乗り物に流用されるようになりました。Tesla(テスラ)車に代表されるように、インパネを大きなタッチパネルに集約する傾向が生まれ、メーカー側がアップデートすれば、車は勝手に受信して機能をどんどん向上させられるのもメリットです。
この流れは宇宙船にも引き継がれます。Boeing(ボーイング)社が作る宇宙カプセル「CST-100 スターライナー」は、まだまだボタンが多いコックピットですが、SpaceXの方はTeslaと社長が同じということもあって、とにかくムダを排除した造りになっています。
ちょっと比較してみてください。
今後はどうなるのかな?
ここまで簡素化されたら、次はVRゴーグルのみで、ISS合体シミューレーターよろしくテレビゲームのように操縦するか、音声入力もしくは完全に自動運転化するなどで、パネル1枚だけとか、今以上にミニマルになるかもしれませんね。将来は宇宙船がどんなコックピットになるのか、楽しみです。
Source: LinkedIn via UXCollective, Twitter, YouTube (1, 2, 3), Futurism