悲喜こもごもコロナワクチン。ファイザー予防効果90%超えニュースの反応まとめ

  • author satomi
悲喜こもごもコロナワクチン。ファイザー予防効果90%超えニュースの反応まとめ
ファウチ博士「最高」、トランプ「選挙終わってるし」、バイデン「おっしゃー!」 Image: CNBC/ギズモード・ジャパン

待ちに待ったこの日がついに!

製薬大手のPfizer(ファイザー)がCOVID-19予防ワクチン第3相臨床試験で予想をはるかに上回る90%超えの有効性が現れ、特別認可の最低基準60%を楽勝クリアな感じであることを発表。週明けの株式市場は日欧米すべてで大幅な上げ幅を記録しました。

Zoomに代表されるコロナ銘柄はズッドーンと奈落の底に急降下で、航空、観光、リテール株が爆上がり。まるで今すぐにでもコロナが終息しそうな期待感が高まっています。このニュースでウォーレン・バフェット氏の投資会社は関連主要銘柄4種で100億ドル(1兆530億円)がっぽり儲け、Zoomエリック・ユアンCEOは500億ドル(約5266億円)を1日で失いました。ご~ん。

どんなワクチンなの?

今回発表になったワクチンは、独BioNTech(ビオンテック)とファイザーが共同開発のmRNAベースのもので、2回に分けて注射するみたいですよ? ファイザーの話では、1回目の投与から28日で免疫が確立することが期待されているのだといいます。

臨床試験の内容は? 評価はどこが行なったの?

臨床試験は7月27日にスタートし、ボランティア総勢43,538人が参加しました。2回目の投与を受けたのはうち38,955人です。

評価は8日、外部のデータモニタリング委員会が行ないました。臨床試験で確認された94の症例を審査し、2回目のワクチン投与から7日後のデータを解析したのです。その結果、人体に特に悪影響は確認されなかったため、このまま予定通り臨床を続けてよし!というお墨付きが得られたというわけですね。

米食品医薬品局(FDA)の緊急認可を得るには2か月の経過観察が必要です。全員がそれを終えるのは11月半ばですので、それまでさらに2週間様子を見て、それで問題がなければいよいよFDAに認可を申請する運びとなります。

「ここ百年で最大の成果かもしれない。ワクチンで90%守られるのだ。科学にとっても人類にとってもこんなにうれしい日はない」とファイザーのAlbert Bourla会長兼CEOは喜びを隠しません。

一番喜んでいるのは、コロナ拡大の責任を押し付けられてトランプ大統領に馬鹿者呼ばわりされ続けている国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長かも。「すばらしい成果」と語り、米政府としても早ければ年内にも配布の体制を整えたいと意欲を見せていますよ。

政府の手柄ではない

ただ、ワクチン開発担当責任者マイク・ペンス副大統領のツイートには「手柄の横取り」という批判も寄せられました。「トランプ大統領が築いた官民共同体制の成果」と大統領に花を持たせたら、すぐNY Timesに「(トランプ政権の)ワープ・スピード事業からファイザーは一切金を受け取っていない」と否定されてしまったんですね…。

するとトランプ大統領は「選挙が終わるまでわざと発表を遅らせた」と言いふらし出しましたが、こういうこともあろうかと、Bourla会長は先月1日のうちにこんな声明を公開して予防線を張っているんですよね…。

「政治圧力にわれわれは決して屈しない。世界数億人、数百万社、数百の国の命運がかかっているのだ。その重みだけをしっかり受け止めて開発に臨んでいく」

「世界中の政治のリーダーと交流はあるが、ファイザーはいずれの政府からも投資を受け取っていない。この独立性こそがわれわれのかけがえのないアセットだ」

今回ファイザーに連絡が入ったのは日曜午後1時ちょっと過ぎのことでした。10月にFDAに相談したら症例数が足りないからと発表を先送りにするよう指導された…というのが真相。「発表は科学に基づくものであり、政治で動くことはない」と同社ワクチン開発担当責任者Kathrin Jansen医師は説明していますよ。

「データが足りない」という批判も

なお、今回の発表については「情報が少なすぎてなんとも言えない」、「まだプレスリリースだけだ」といった声も上がっています。 たとえばコロンビア大学のAngela Rasmussenn医師は連続ツイートで次のように注意していますよ。

「発表では『3週間間隔で2回のワクチン注射を受けた人は、プラセボ注射の人よりCOVID-19の症状が出るケースが90%以上少ないことが初期の分析でわかった』とある。症状軽減は歓迎だけど、これだけでは感染そのものが減ったのか、症状が減ったのか、どっちなのかわからない」

「症状が減るだけなら、ほかの人の感染源になってしまう」

「既往症のある人に効くかもわからない」

「超低温(注:mRNAワクチンの場合、マイナス70℃以下)で保管しなければならないので、広い範囲で供給はムリ」

「データ安全性モニタリング委員会(DSMB) に詳細が出るまでは過剰な期待は禁物」

要は、査読付き論文が出るまでは手放しでは喜べない、ということですね。

トンネルの先に希望の光

同じ月曜にはバイデン次期大統領から、新政権移行後のコロナ対策諮問委員も発表になりました。トランプに抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」 の宣伝をやめるよう進言してクビになった元ワクチン開発部局トップのRick Bright医学博士も復活していて、オールスターの錚々たる顔ぶれです(日系人収容所を経験した両親を持つMorita医師も入っています)。やっとまともなワクチン開発の道筋が整ってきたのを感じますね。「希望を感じる成果」だけど「終息はまだ先」(バイデン氏)です。がんばってマスク、手洗いで、いいニュースを待ちましょう!

修正[2020/11/16]誤字を修正しました。
Sources: Pfizer, BioPharma

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