制作、監督、編集、音楽全部たったひとりで作った究極ぼっち映画『Away』。世界中の映画祭で9冠受賞

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  • author 中川真知子
制作、監督、編集、音楽全部たったひとりで作った究極ぼっち映画『Away』。世界中の映画祭で9冠受賞
Image: DREAM WELL STUDIO

そうか、映画はなにもみんなで作らないといけないわけじゃないんだ…ぼっちを貫くとアートとなる。

長編映画というと、監督とプロデューサーがいて、クルーがいて、大掛かりなものを想像しませんか。でも、情熱と時間と集中力があれば、長編アニメーション映画もたった1人でできちゃうんです。しかも、映画祭で賞を9つも受賞しちゃうようなスゴいやつが…。

今回紹介するのは、映画『Away』。製作もぼっちなら登場人物もぼっち。そしてなんと無セリフ。なにせぼっちのロードムービーですから、喋る相手がいないんです。いまだかつてこんなにぼっちにこだわり、エンジョイした映画があっただろうか…?

というわけで、トレイラーをご覧ください。

Video: ムービー獅子川 / YouTube

「Away」は、ある島に不時着した1人の少年が、謎の黒い巨大な影に追われながら家族との再会を夢見て旅に出るストーリー。

既に書いたようにセリフはなく、たまに緊張から来る荒い息遣いが聞こえる程度。感情の移り変わりや緊張感は音楽で表現され、動物たちがメタファーとして使われています。

作ったのはラトビア出身のギンツ・ジルバロディスで、制作期間は3年間。22歳から本作の制作を始めたそうですよ。

作品にはぼっち製作ならではの工夫がいっぱい見られます。例えば、トレイラーに出てくる黒ネコたち。あれのモデルは本当は 1体で、それをコピペして作って独特の不気味さを演出しているのだとか。コピペがそんな効果を演出できるとは…。

また、4部構成になっているのですが、それはジルバロディス氏がこれまでに何本も短編を作ってきて、短編のノウハウを持っていたから。短編を構成して、それを4部にすることで長編としているんです。

私は既に試写会で一足先に見たのですが、『ウェイキング・ライフ』と並ぶ「アニメ語るなら押さえとかないと」な作品だと思いました。黒い影や動物たちに何を感じるのかは自分次第、というところが、セルフ心理カウンセリングをしているような感じ。作品を通して自分の深層心理と向き合うのが、とても新鮮でした。

というわけで、気付きが多いぼっち映画『Away』はオススメ! 12月11日(金)から新宿武蔵野館ほか全国順次公開です。

Source: Away / DREAM WELL STUDIO

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