中国の月面サンプル回収班、凍てついた大地で強化外骨格を着て作業していた

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  • author 岡本玄介
中国の月面サンプル回収班、凍てついた大地で強化外骨格を着て作業していた
Image: XINHUANET.com

パワードスーツのサポートなしでは、困難な場所だったようです。

日本では「はやぶさ2」のニュースが大きな話題になりましたが、中国も月面の地表からサンプルを持ち帰った「嫦娥(じょうが)5号」が、12月17日に帰還しました。アメリカ、旧ソ連に次いで3番目の国で、かつ44年振りの成功となったこのミッション。カプセルは中国北部の内モンゴル自治区に着陸し、回収班は雪が積もる極寒の地で作業を行ったのでした。

Video: New China TV/YouTube

回収班は強化外骨格を着込んでいた

実はこの時、nとSouth China Morning Postが伝えています。気温がマイナス30度にもなる土地で積雪もあり、20~30mも歩いたら疲労困憊になるような場所で、50kg近い道具を持って100mも歩けたのは、それのおかげだったのだそうです。

回収班は、宇宙開発を担う国有企業の中国航天科技集団(CASC)の人たちで、傘下であるHuman Function Enhancement Technology Research Centre(人間機能強化技術研究センター)というところで作られた、重さ約4kgの強化外骨格が提供されたとのこと。これが大いに役に立ったのです。

その強化外骨格は、どのようなものなのでしょうか? おそらく、回収班が違和感なく作業着を着ていることから、この動画で登場する2番目3番目の強化外骨格ではないか? と思われます。

Video: Bloomberg Quicktake: Now/YouTube

これには電源が搭載されていないので、寒冷地や悪天候でも故障しないのが利点。重い荷物を持った時に、身体への負担を軽減する機能を持っています。

一方JAXAの職員は対爆スーツだった

ちなみにですが、JAXAの「はやぶさ2」は12月6日に地球へと帰還し、小惑星「リュウグウ」の砂が入ったカプセルをオーストラリア南部の砂漠に落としました。その時の回収班は、対爆スーツのような防備で挑んだのが、ちょっと印象的でした。

内モンゴル自治区とオーストラリアの砂漠では、気候や気温も違えば、カプセルの大きさも違いますが…いずれにしても何かしらの装備を固めて回収するというのは興味深いですね。

強化外骨格は人民解放軍でも使われている

アメリカ軍でも外骨格パワードスーツがテストされているように、強化外骨格は産業用以外にも軍用に使われることもあります。

TASK & PURPOSEでは、同様に人民解放軍でもこうしたデバイスがテスト中だったことを伝えており、彼らは重い荷物の運搬や、負傷兵を背負う人員に装着していたようです。やはり疲れることなく戦地を移動できる点や、重たい武器・弾薬を運搬できるのは、自動車や重機を必要としないお手軽なパワーアップ手段なのでしょうね。

他にもあるぞエグゾスケルトン

以前には、人間の20倍力持ちという産業用のSARCOS「Guardian XO」や、Samsungの下半身用「GEMS」シリーズを取り挙げたこともありましたし、Ford(フォード)でも組立工場の作業員が装着するなど、最近こういったスーツのアピールが増えてきたように思います。

実際どれほど良いパワードスーツなのかは使ってみないと分かりませんが…なるべく科学技術の発展や、生産性のある用途で使われると良いですね。あとは筆者のようにギックリ腰にならないためにも、ね。

Source: South China Morning Post via Futurism, YouTube (1, 2), Twitter (1, 2, 3), 日本経済新聞, TASK & PURPOSE

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