在宅勤務のお尻に愛を:ハーマンミラー「セイルチェア」レビュー

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  • author Kaori Myatt
在宅勤務のお尻に愛を:ハーマンミラー「セイルチェア」レビュー
Photo : Kaori Myatt

またまたロックダウンしてます。フランス。

もうロックダウンと聞いても驚きませんね。3月からずっと外出も控え、夏にはレストラン等もオープンしてほっとしたのもつかの間、また政府からできる限りのリモート勤務要請が来てフランスは他の国よりもひと足先に第二波でロックダウンしました。もう当分、外にご飯も食べに行けません。

前回のロックダウンで学んだので、来るべき第二波に備えて、実は自宅オフィスを快適にすべく環境をさらに整えてきました。モニターもウルトラワイド画面に新調したし、椅子もこの際だから一新しよう、というわけでさんざん迷った挙句に選んだのはHermanMiller(ハーマンミラー)社のセイルチェアでした。

ギズでも数回取り上げられているセイルチェア。前回のロックダウンで1台購入したら、あまりにも快適なために家族と取り合いになったので、お金を貯めてもう一つ購入しました。実際使用してみての感想をくまなくお伝えしたいと思います。

セイルチェア

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これは何?:高級オフィス家具ブランドのエントリーモデル

価格:8万3600円(税込)から。オプションで価格はかわります。

気に入った:お尻、背中、肘のみんなが快適!

気になった:アーム(ひじかけ)はアジャスタブルを絶対選んで!

クッションがお尻にやさしい

最初からアレな話でなんですが、実は私も家族もお尻の都合上、長く椅子に座っていられない体です。私は近年ぎっくり腰を何度もやっており、そのせいか坐骨神経痛気味で椅子に長時間座るのが非常に苦痛です。だからこそスタンディング・デスクが欠かせないのですが、そう立ってばかりもいられません。疲れますしね。

これまでの椅子は、IKEAでさんざん座り倒してもっとも価格が手ごろで快適なものに決めてきました。ですがもうその域を出て、もっと快適さを極めた方がいいのかも...と思い、HermanMillerの購入を決めました。だって1日のうち8時間、またはそれ以上座りっぱなしのこともあるんですよ。そんな長いこと座る椅子を無視できるわけがありません。そしてHermanMillerの満足度は予想を大きく上回っていました。

最初購入しようかなと思っていたのは、実はセイルチェアではなく、アーロンチェアかコズムチェアのどちらかでした(他社で検討したのはErgohumanSecretlab OMEGAそしてDUOREST)。これらを比較していたところ、目に飛び込んできたのがこのセイルチェア。ぽってりとしてかわいい...その背中のアミアミに一目で惹かれ、選択肢に入れました。さらに値段が前述の2つと比較しても約半分くらいの値段だったところも、もちろんその理由のひとつでした。

ですが、決定的だったのはその形状ですね。座面の奥行は約40.6cm(公称)と、アーロンチェアの47cmと比較してもだいぶ小さ目です。わたしは身長154cmと小柄で足も短めです。なので座奥行が足に対して長すぎると足がぶらぶらしてしまい、それだけで腰に負担がかかってしまうのです。また付け加えるとアーロンチェアもたぶん調整可能だと思いますが、セイルチェアはこの座奥行を調節することができます。なので足の長い人が座るときはもう少し広げることができます。アーロンチェアにはいくつかサイズがありますが、セイルチェアはワンサイズ。アーロンチェアのもっとも小さなサイズとセイルチェアはほぼ同じですが、調整によって少し大きめな方も楽に座れる作りです。HermanMIllerは米国ミシガン州発。外国製って大きめなんじゃない、と思われる方。ご心配なく。身長154cmの私でもずっと座っていられるほど快適です。

座面の奥行は足の短い人にとっては考慮しなくてはならないポイントです。またセイルチェアだけでなく、HermanMiller製の椅子は座ってみるとわかりますが座面がゆるやかにカーブしています。それもお尻を包み込むような感じでグーなんです。パディングの素材も特殊な体圧吸収素材ウレタンフォームなので、沈み込みが深すぎず適度に体重を支えてくれます。

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Photo : Kaori Myatt
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Photo : Kaori Myatt 椅子のひじ掛けは角度を変えられる

背もたれのバウンス感が抜群

セイルチェアを写真で見ると、背もたれが非常に特徴的です。このデザインは好き・嫌いが別れる部分なのかもしれませんが、私はこの形状がとても気に入りました。3Dインテリジェント®サスペンションバックと名付けられたこの背もたれは、セイルチェアの中核を成しています。腰痛持ちや背中や腰に持病のある人なら、絶対におススメできます。

HermanMillerのウェブサイトを見ると、デザイナーの イヴ・ベアールはつり橋に着想を得たとされています。これは私の想像なんですが、ベアールはスイス生まれで、ラ・トゥール=ド=ペ の美術学校を出ていてフランスにも造詣が深いはず。このデザインはひょっとしたらフランスのミヨーのつり橋から着想したものかもしれません。ミヨーの高架橋は主塔の高さが東京タワーよりも高く、世界で最も高い橋です(343メートル)。フランスはアヴェロン県の都市ミヨー近郊にあるタルン川渓谷に架かる斜張橋で、橋を支える塔にケーブルを張って桁を支えるような構造となっています。写真で見ると一目瞭然ですが、これがまさにセイルチェアです。また横浜にあるベイブリッジも同じ構造ですよね。ベイブリッジの形状も帆船を想像させるような造りです。セイルチェアの「Sayl」とは帆船などによる航海という意味ですから、そこにもなんだかロマンを感じます。

このサスペンションバックもセイルチェアの重要な構成要素です。このサスペンション部分は実は調整が可能なんです。椅子の背もたれも固めがいいとか、ゆったりとした方がいいとか、個人の好みがあるでしょう。私は実は固めが好きなのでテンションを目いっぱいあげています。また後ろにもたれたときに椅子が傾く角度も変えることができます。私は椅子があまり傾きすぎると腰が痛くなるので傾かないように調整しました。これで椅子ががくっと後ろに下がって「イタタタ」ということがありません。このバウンス感もとてもよいです。背もたれにもたれかかるたびに、潮風が吹いてくるのを感じるようです...というのは大げさですが。


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Photo : Kaori Myatt


ひじ掛けの幅と微調整が格別

座席も重要ですが、私の椅子選びに欠かせないのはなにをさておいても「ひじ掛け」です。肩こりを防ぐためにも、ひじ掛けこそ椅子になくてはならない重要構成要素です。

腕って結構重いんですよね。ずっとデスクワークをしているとやはりちょっと肘をデスクにかけたりしてませんか。これがデスクに前のめりになって姿勢が崩れてしまう原因です。ひじ掛けは机と同じ高さにすると疲れが違うと言われています。セイルチェアなら簡単にひじ掛けの高さを調整できるので肩もこりにくくなるというわけです。

セイルチェアのすごいところはそれだけではありません。ひじ掛けの位置は前後にも左右にも調整することが可能です。体格が大きめの人はひじ掛けを広めに設定することができるというわけです。私はもちろん最小幅にしています。ひじ掛けの前後が調整できるのは思いのほかいいです。デスクと一続きのところに肘を置けるので楽になりますし、ちょこっと下げることで腕の位置を変えたりと、自在にすぐに変えられます。またひじ掛け部分はフラットで幅も広め。

それも非常に考え抜かれたデザインだと思います。革製で丸みのあるひじ掛けも素敵に見えますが、意外に使い心地はよくないと思った方も少なくないと思います。肘をどの位置においてもフラットに支えてくれるひじ掛けの存在は偉大です。高さだけでなく前後左右にも位置を調整できる点もセイルチェアならでは、と思います。

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どっしりの安定感

見た目のかわいらしさとは対照的に、セイルチェアは非常に重いです。ちょっと別の部屋に運ぼう、なんて気軽に持ち運びはできないくらい重いです。

座面や背もたれは軽そうな素材ですが、台座となる椅子の足部分は金属製でどっしりと重く、これが安定感抜群です。オフィスではIKEA製の1万円台の椅子を使っているのですが、これが勝手にすべって非常に腰に負担なんですよね。この椅子のクセなのかもしれませんが、これだけで座るのが憂鬱になるので、いつもスタンディング・デスクで立って仕事していました。

座るのが憂鬱なんて...座ることで体の負担を軽くすべきなのに、却って負担が多くなってしまうなんて逆効果です。そんな椅子ならない方がいい!

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Photo : Kaori Myatt

家族があまりにセイルチェアを気に入り、今日はどちらが書斎で仕事するかプチケンカになってしまったので、もう一台購入しました。ところがこの新たに購入した方のセイルチェアはひじ掛けが動かない

セイルチェアにはさまざまな色やデザインが用意されています。デザインも重要なポイントですが、やはりひじ掛こそセイルチェアを形作る最重要ポイントと言ってもおおげさではありませんので、ぜひひじ掛けが動くかどうか確認してから購入してください。また背もたれの後ろの調節部分がないデザインのものもあります。台座に足置きのあるモデルもあるようです。背もたれがファブリック状のものはデザイン性は高いですが、テンションの調節が3Dサスペンションバックとは少し違うようで、ランバーサポートがついてるものを購入したほうがよいと思います。とにかく、一生使うつもりで購入した初HermanMillerは予想以上の大満足でした。

ということで、在宅勤務が多くなってきたみなさま。奮発してお尻にも愛を与えてみれば、生活の質が格段に向上すること間違いありません。

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