アメリカで大人気のエクササイズバイク「Peloton」。コロナ禍においてさらに需要が高まりPelotonの株価は半年で3倍と急成長、自宅でPelotonのワークアウトにハマって、ストレス解消と健康になる人も急増中。そんな人のうちのひとり、米GizmodoのCaitlin McGarry記者が「Pelotonはカルト」と言い切るほど大絶賛の、Pelotonの新型でプレミアムモデル「Bike+」のレビューをお届けします。Peloton、日本では公式に購入できないのですが、自宅でオンラインフィットネスの波は来年もますます加速しそうです。
Pelotonはカルトです。そして私も、何を隠そうそのカルトの一員であり、もしあなたもPelotonを手にしてしまったらならば、間違いなくそのカルトの一員になるでしょう…。
私はパンデミック前から、アパートのジムにあったフィットネスバイクをよく利用していたので、Pelotonの広告はちょっと変だったにも関わらず、すでにPelotonファンの素質があったと思います。そこにCovid-19によってジムが閉鎖され、フィットネスバイクが利用できなくなってしまいました。さらにそのアパートから一戸建てに引越したこともあり、ワークアウトのルーティンを見直す必要が出てきたのでした。
ヨガもランニングもイヤ。だからPeloton
私が住んでいる地域では、依然ジムやフィットネススタジオは閉鎖されているため、週に5日外でランニングしていましたが、ランニングは自由なエクササイズとしては楽しめる一方、フルボディのワークアウトではないので、スピードや距離を伸ばそうという気にはなりませんでした。
隔離が始まったタイミングでオンラインのヨガクラスのサービスに加入しましたが、月に2-3回参加するほどのモチベーションが私にはありませんでした。お金がかかるのは嫌、ランニングはタダだけどモチベーションが上がらない、ゆえにフィットネス器具を買いたいという衝動に駆られたわけです。
そして1ヶ月ちょっと前、Pelotonから最新の「Bike+」が送られてきました。ロサンゼルスがほぼ全面的にロックダウンされる直前に届いたタイミングは、私がちょうど変化を求めている頃でもありました(ロックダウンの状態で正気を保つという意味でも)。
Peloton Bike+

これはなに?:最も高価なIoTフィットネスバイク。
価格:2,500ドル(約25万8000円)。
いいところ:スクリーンを回転させると、オフバイクでのワークアウトが簡単になります。またApple Watchとの連携はとてもシームレス。ワークアウトのクラスは本当に素晴らしい。
残念なところ:めちゃんこ高い。
ベースモデルとの違い
2,500ドル(約25万8000円)のBike+は、1,900ドル(約19万6000円)のベースモデルより高級感があり、ハンドルバーのデザインが違っていたり、シートの高さを調整するノブが付いていたり、より改善されたサウンドシステムやプライバシーカバー付きのビデオカメラを搭載していたりといった違いがあります。
プライバシーカバー付きのビデオカメラは、ワークアウトしながら友達とおしゃべりしたいと思ったら、すぐにおしゃべりができるようになります(ワークアウトのクラス中に水を一気飲みするほど充分な肺活量がないのでまだ試していませんが)。
ベースモデルの方のバイクにもカメラはありますが、プライバシーカバーはついていません。些末な部分はさておき、Bike+の最大のセールスポイントは、デザインの違いです。回転する24インチのタッチスクリーンがあるので、バイクから降りてもワークアウトのストリーミング動画をちょうどいい角度で視聴することができます。ベースモデルのタッチスクリーンは22インチ、そして動かせません。
オンラインのトレーニングと連動できる
左右に180度回転する新しい大型スクリーンは、バイクの横や後ろに立って、バイクを使わないワークアウトクラスもやりやすくなっています。Pelotonは、(高価な)フィットネスバイクに投資する理由のひとつとして、オンラインのフロアエクササイズやウェイトリフティングも組み合わせてトレーニングできることもアピールしています。
このブートキャンプクラスはBike+と同時にリリースされましたが、Petolonバイクのオーナーなら誰でも参加可能です。Bike+のスクリーンをバイクの横側に回転させて、バイクの横に立って運動するのは便利ですが、マストではありません。私はBikeの後ろで何度かブートキャンプのエクササイズをしましたが、特に不便は感じませんでした。マットを置く場所を自由に選べて、部屋のどの角度からでもスクリーンを見ることができるのはとてもよいと思います。
Apple GymKitとの連携がスムーズ

私が一番よい意味で驚いたBike+の機能として、実はApple GymKitとの連携です。これはPelotonの製品としては新しいものですが、Apple Watch的には古い機能。Apple WatchとBike+をペアリングして、バイクのスクリーンに表示されるPelotonのロゴにApple Watchのスクリーンをかざすだけで、バイクのライディングをトラックできます。Apple Watchのスクリーンからコマンドをタップして接続し、Bike+でライドを開始するだけです。
画面上にリアルタイムで心拍数が表示されるため便利で、ワークアウトはクラスが終了すると自動的に終了します。Appleの新しいFitness+ストリーミングサービスは、同じくApple Watchとシームレスに連携しますが、サイクリング以外にも幅広いクラスが提供されています。
新機能「オートフォロー」は上級者向け
もうひとつの新機能は「オートフォロー」。これは、Pelotonがハンドルの抵抗を自動的にスケーリングするというもの。個人的にこの機能は好きではなく、数回しか使いませんでした。抵抗値を推奨範囲の上限まで上げて走ることに慣れている人にはいいかもしれませんが、中級レベルのライダーである私は、いつも抵抗値をしっかりと真ん中に設定して走ることがほとんど。オートフォロー機能は、Pelotonの上級レベルユーザー(または運動が得意な人)のための機能だと思いました。ライディング中にタッチスクリーンをタップするだけで、簡単にオンオフできるので、試しにやってみて、難しければやめてみるのがよいと思います。




Pelotonのワークアウトはバツグン!
Pelotonの最大の魅力は、ワークアウトのクラスがベースモデルでもプレミアムモデルのBike+でも共通して参加できることです。ここ数年でいくつかのコネクテッドフィットネス製品を試してきましたが、Pelotonのワークアウトはその中でも抜群でした。インストラクターが何十人もいて、サイクリングのワークアウトの種類も豊富で全然飽きません。
ダンスプログラムなら、Emma LovewellやCody Rigsbyのポップな30分のプログラムがオススメ。追い込まれたいなら、Jess Simsの45分のアッパーボディブートキャンプもオススメです。専門用語やキャッチフレーズを学んで、Pelotonバイクを持っている友人に一緒にワークアウトをしないかメッセージを送ったり、Reddit(アメリカの投稿型掲示板)を見ているうちに、いつの間にかPelotonにどハマリすると思います、私のように。
ワークアウト時間、インストラクター、音楽の種類、クラスの種類でクラスをフィルタリングし、生配信のクラスに参加することもできますが、後でオンデマンドでストリーミングで参加することも可能。生配信のタイミングはなかなか合いませんが、ライブラリから何でも選べるので、「逃した!」と感じることはありません。
さらにPeltonはアーティストシリーズのクラスも拡充しています。その中には待望のビヨンセとのコラボレーションもあり、サイクリングだけでなく筋トレ、ヨガ、瞑想のセッションも提供されています。テーマはバラエティに富んでいて、エルビス、プリンス、ニッキ・ミナージュ、クイーン・ベイなどのアーティストのサウンドトラックが使われているものもありました。
今月はホリデーをテーマにしたコンテンツがあって、毎年のクリスマスのお楽しみがなくなっても、精神的な余裕を持つことができました。ワークアウトのクラスはイベントに参加するような気分で、家から一歩も出なくても、バランスがとれていて、楽しみながら(最も大事)ワークアウトのルーチンを確立することができます。
最大のデメリット:高い!

とはいえ、Pelotonは安くありません。
Bike+の2,500ドル(約25万8000円)の他に、ワークアウトクラスの月額40ドル(約4,100円)のサブスク代や、ペダルに固定するシューズ、ハンドウェイト、ブートキャンプ用のワークアウトマットなどの付属品が必要になってきます。
Bike+には分割払いオプションがあり、月額64ドル(約6,600円)で支払期間は39ヶ月間。本体代とサブスク代で月額104ドル(約1万770円)をパートナーやルームメイトと折半できれば、ジムの月額料金より確実に安くなりますよね。夫と私はほぼ毎日Bike+を利用していますが、複数のクラスを組み合わせて最高のワークアウトをしています。
基本的に私は節約家です。しかしこの地獄のような1年の中で、ほとんどの時間を過ごす自宅という場所と健康維持のための商品(たとえば腰痛を軽減するためのよいマットレス)に投資することへの重要性に目覚めました。2,500ドル(または1,900ドル)の投資は、勇気がいるかもしれませんが、私にとっては、ジムのからこのPelotonバイクに置き換えたことは、とても価値のあることでした。

プレミアムなBike+の方がスペックは高く、大きい回転するスクリーンはとても素晴らしいのですが、同じクオリティのワークアウトをベースモデルでも受講することができます。もしすでにベースモデルを持っていて、回転するスクリーンが欲しいと思っている場合、Pelotonユーザーの中では、この60ドルのアクセサリーを装着することをオススメしている人もいました(私は試していません)。もし、金銭的余裕があるならば、Bike+を購入する価値は充分にあると思います。
結論、めちゃくちゃオススメ。この最悪な1年の中でも、私がワクワクした数少ないプロダクトのうちのひとつです。
最後に
- ワークアウトクラスはめちゃくちゃよい。
- スクリーンが回転するので、どの角度からでもワークアウトクラスが見やすく、フロアエクササイズをしているときや、バイクを全く使いたくないときにも便利です。
- Apple Watchとの連携がとてもシームレスでとてもよいです。まるでアップルの純正製品を使っているくらいです。
- Bike+は、現在1,900ドル(約19万60000円)のオリジナルのBikeよりも、よりプレミアムな仕様になっていますが、すでにオリジナルのBikeを持っているのであれば、アップグレードする必要はありません。
※Pelotonは日本では購入できません
残念ながら2020年12月現在、日本から公式サイト経由で購入することができません。アメリカ、またはアメリカと陸続きの場所(カナダの一部エリア)、イギリス、ドイツに配送が可能と記載されています。Pelotonは、基本的に個人向けに直販してて、配送から設置、設定まで自社でやっているので、なかなか海外に広げるのが難しいのかもしれません…(個人輸入で頑張って買うなども可能だとは思いますが、ワークアウトクラスのサブスクはどうなるのかなどは不明です)。