期待の一眼レフ「K-3 Mark III」を触ってきた。ペンタックスがやりたいことが、何となくわかった

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  • author ヤマダユウス型
期待の一眼レフ「K-3 Mark III」を触ってきた。ペンタックスがやりたいことが、何となくわかった
Photo: ヤマダユウス型

人生のそばに写真。そう予感させてくれるカメラに求めるものは──。

ペンタックス渾身のAPS-Cセンサー一眼レフカメラ「K-3 Mark III」の内覧会に行ってきました。開発のウワサからお披露目、正式名称の発表と、今年もっとも焦らされたカメラでしたね…!

仕様はすでに公開されているので、内覧会の感想はパッション中心にお届けしたく思います。その前に、そもそもペンタックスって今どんなポジションなの? このカメラってどんなノリで見れば良いの? そのあたり、軽くおさらいをば。

ペンタックス、光学ファインダー宣言

今年7月、ペンタックスは「これからのPENTAXカメラが大切にしていくこと」と題したスペシャルサイト&動画を公開しました。まとめると、ペンタックスは写真体験が資産になるようなカメラを作り続けますよ、そのために光学ファインダーにこだわりますよという宣言です。光学ファインダー、良いよねぇ

今回のAPS-C機は、ペンタックスの光学ファインダー宣言から初となる新製品。ファインダーの見え味には徹底的にこだわり、あらゆる要素が新規に再設計されました。ユーザーの期待値はうなぎのぼり!

そんなこんなで迎えた、今日の内覧会。感染対策と消毒を徹底するなか、僕が初めて「K-3 Mark III」のファインダーを覗いた率直な感想は……。

視える。だから撮りたくなる

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とても違和感のない、スッキリとした見え味でした。え、カメラなんだから見えて当たり前だろうって? うーん、確かにこの感動って「おぉ、すげぇ!」ではなく、じんわりと「良いねぇ…」と思えるタイプなんですよ。僕が「K-1 Mark II」ユーザーなので、フルサイズのファインダーに慣れてるのもあるかも。

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内覧会では、フルサイズの「K-1」、「K-3 Mark III」、「K-3 Mark II」とで、ファインダーの比較ができました。で、前モデルの「K-3 Mark II」と比較してみてみると…あぁ、こりゃ全然違うわ。ピントの山や色乗りもしっかりと視える。フルサイズと遜色のない見え味が実現できています。センサーやボディサイズこそAPS-Cですけど、見ているものはフルサイズのそれです。ヌケの良さ、クリアさでは「K-1」を超えてるかも…。

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ボディについても、軽い。というか薄い。しっかり持てるグリップのおかげで、大口径の「smc PENTAX-DA☆55mmF1.4 SDM」だって軽々と振り回せます。ボディ内手ブレ補正も相まって、ホールド感は抜群。馴染む、実に馴染む。

あと、2020年生まれのカメラにも関わらず、バリアングル液晶でもチルト液晶でもありません。でも、そのおかげで獲得できた機能がコレ。

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液晶画面が、凹んでるんですね。これによってファインダーを覗いた際に、鼻や頬骨が液晶に当たらず、より安定してファインダーを覗けるんです。可動式液晶を手放して、コレを優先する。あぁ、このマインドが、いまペンタックスがやりたいことなのかもしれない。道具としてのカメラを追求している証左なのかもしれない。

シャッターフィールも超良かった。まだチューニング中とのことですが、半押し状態からクリックと共に全押しするタクタイル式ではなく、柔らかな押し心地のリーフスイッチを採用し、なんとも心地良き押し心地を実現。シャッター体験もフルサイズである「K-1」に類する感触でした。

思えばこのあたりの機能美って、写真体験を資産にするという宣言にも合致してる気がしますね。ファインダーの見え味、ホールド感の良さ、シャッターを押した時の気持ち良さ。どれも直接的に絵作りに関わってくる要素ではないものの、カメラを扱うという体験そのものの魅力を向上させてくれます。要は気持ちがノるってことですよ。

操作性と性能は2020年感マシマシ

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メニュー画面は一新。前モデルの「K-3 Mark II」から変わったというより、もはや次の世代に移行したといっても良いレベルで変わりました。このフォント、見覚えのある人もいるのでは?

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そう、メニューの表示や操作感は、「GR III」の遺伝子を大きく受け継いでいます。なのでメニュー項目は縦に並ぶようになり、テキストやアイコンなども「GR III」とほぼ同じに。「GR III」のユニーク要素でもあったハイライト重点測光も搭載。RAW現像前提ならコレ便利ですよ。

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左が「K-3 Mark III」、右が「K-1 Mark II」。レフ機ユーザーにとっては新しいお作法となるものの、「GR III」ユーザーにとっては扱いやすいペンタックスのレフ機が登場したとも見えますね。GR→ペンタレフ機の流れができた感。

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左右逆になってしまいましたが、左が「K-1 Mark II」、右が「K-3 Mark III」。肩液晶はなんとフルサイズの「K-1 Mark II」よりも大画面です。厚みを抑えつつ、右肩部分のボタン配置を見直したことでスペースが生まれたのでしょう。固定式液晶だからチルト式のように液晶での情報確認が難しい→上から見る時は肩液晶をチェック、というムーブかな。

タッチ操作の感触も良好で、見た目はレフ機だから重厚なのに、メニュー操作は「GR III」のように軽快で、かつファインダーの見え味やシャッター感はフルサイズに近いという、トータルでみると良い意味でチグハグしてますね。見た目ほどヘヴィな使い心地ではなかったし、構えてみるとAPS-C機らしい軽快さも実感できました。

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断面図もミッチリ。連写が早くてびっくりしたんですけど、ミラーの小ささが活きてる気がします。ペンタ部のミッチリ具合たるや。

「写真撮影」を好きになるために、カメラができること

あえてオーバーに表現するなら、今回の「K-3 Mark III」、便利さよりも写真機としての在り方を重視したカメラだと感じました。便利な最新機能を完備するのではなく、ファインダーを構えてシャッターを押すという、限りなくシンプルな写真体験にどこまで夢中になれるかを追求したカメラ

いわゆる昔気質なこうした姿勢は「技術力不足に対する逃げじゃないか」っていう意見があるのも、よくわかります。でも、これだけ最新機能や新モデルが目白押しなデジカメ業界において、あえてレフを重視して、しかもその体験をさらに追求するっていうのは、逆に新鮮というか、もはや新しい要素なのでは? ストリーミング全盛期にアナログレコードの売上が右肩上がりなように、逆に新しいってやつなのでは?

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日常生活のなかで、今やディスプレイを目にしない日はありません。テレビやPC、手元にはスマホ。たまには発光体の情報を追うのではなく、身の回りにあふれる本物の光に意識を向けてみない? そこにはディスプレイに再現された光とは異なる、究極の諧調世界が待っているのだから。レフ機の魅力って、そこなんじゃないかな。

愛おしき、そして頼もしきAPS-C機のフラッグシップ「K-3 Mark III」。写真と向き合いたい人には、こんなカメラが相応しい気がします。えぇ、もちろんニッチです、エッジーです。だからこそ「へぇ、面白そうじゃん」と感じた人のど真ん中を狙い撃つ可能性、ありますぜ。

なお「K-3 Mark III」の価格は未定、発売は2021年2月25〜28日にオンライン開催が予定されている「CP+2021」の時期を目指しているとのことです。

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リコーイメージング株式会社

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