有料ニュースレター配信プラットフォームの「Substack」がRSSリーダー導入により抱えるジレンマ

有料ニュースレター配信プラットフォームの「Substack」がRSSリーダー導入により抱えるジレンマ
Image: Gizmodo US

情報過多な時代に再注目のRSSだけど...。

有料のニュースレター配信プラットフォームであるSubstack(サブスタック)が、新たにRSSリーダーをローンチしました。これにより、インボックスに溜まりがちだったニュースレターを整理できるようになるといいます。

一方、RSSによりサブスタックの個性が損なわれるのでは、と懸念を示すのは米GizmodoライターのRhett Jones。2017年創業からビジネスを成長させてきた同社ですが、ここで新たな変化を起こそうとしているなかでのジレンマが垣間見れそうです。


ユーザーが新たにRSS機能を利用するには、リンクから新しいRSSフィードに追加するニュースレターを選択するのみ。さらに、任意のウェブサイトを追加することもできるといいます。この場合、「RSSフィードを追加」とマークされたボタンを見つけてURLに貼り付ければ設定完了です。

RSSは、ニュースの消費に便利な形式です。かつてGoogleリーダーを使っていたという人は懐かしく感じるのでは。現在はFeedlyというニュースアグリゲータアプリケーションが人気ですが、多くの人はRSSのことをほぼ忘れ去っているかもしれません。

ソーシャルメディアの台頭によりニュース業界のあり方も揺らぐなか、サブスタックのCEOであるChris Best氏は、今回のRSS開発で「気が散ることのないスペースを作りたい」考えたようです。

サブスタックの特徴をやや曖昧にする可能性があるかも

好きなライターのニュースレターが購読できるサブスタックのチャネルは、新しい発見をしづらいという一面もあります。その一方で口コミで広まる小さなクラブのように機能しているのが魅力のひとつ。今回のRSSフィードの導入は、サブスタックの独自性を完全に損なうものではありませんが、その他ニュースサイトとの間にあった境界線を少しうやむやにする可能性はあるかもしれません。

この点について簡単にまとめると、次の通りです。もともとサブスタックは、ノイズの少ないインボックスで好きなライターの情報を得られるようにしたサービスです。その背景には、多くの人々がソーシャルメディアなどから得られる情報量に圧倒されていることが考慮されていますが、実際にはインボックスもノイズが多くなることも。

そこで新たに、コンテンツをふるいにかけるクリーンなRSSリーダーを用意し、ウェブサイトのRSSを追加するオプションを提供することに。ただ、サブスタック限定のチャネルは標準のRSSフィードに組み込むことはできないため、ユーザーのために簡素化したいと考えていたメディアをさらに細分化することになりました。その過程で、従来のメディアにとって(弱めな)競争相手としてのポジションを確立しようとしている印象があります。

サブスタックが手渡しの記事から離れ、(ニュースレターを含め)あらゆる記事の中心的なハブとして機能する場合、本来あったはずの核心的な機能が損なわれることが懸念されます。このプラットフォームのすばらしいところは、ある程度のファンがいるクリエイターが独自にビジネスを拡大するうえで、小規模で低コストなチャネルを作成していること。これがRSSにより、ユーザーの観点からするとMediumのような既存メディアと全体的に変わらない印象が出てきてしまいそうです。


CEOのBest氏は、今回の動きはあくまで最初の一歩であり、ユーザーが新しい作家を見つけるのに役立つことを願っていると述べています。引き続き、サブスタックの今後の動きに注目していきましょう。

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