HDDは不滅です。最強の外付けHDD決定戦

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HDDは不滅です。最強の外付けHDD決定戦
8TB大集合!左上から時計回りにSeagate Backup Plus Hub、 Lacie D2 Professional、Western Digital My Book、Fantom Drives G-Force 3、WD_Black D10

すっかり過去の遺物にされているHDDですが。

ネットが高速になってストリーミングとクラウドストレージで間に合っちゃう昨今、デジタル著作権のこともあるし、ハードドライブの増設を意識するシーンは確実に減っています。

でもこないだSSDの空き容量が激減りで、PCで確認したらHDDの「Seagate 2014」と(買った覚えのない2013年発売の)東芝の1TBのしか残ってなくてピンチ!…となったときに久々に思い出しました。こういうときはやっぱりHDDですよね。

SSDよりずっと安上がりに、写真、動画、バックアップ、仕事のファイル、その他もろもろを放り込んでおけますし、ゲームなどを除けばUSB 3.0ドライブで速度も充分です。何よりコンピュータを起動する必要がないのは強いですよね。

そんなわけで今回は、数テラバイト残っている自分みたいな環境で8TB増設するときにピッタリなHDDを探してみました。少し探してヒットしたのは次の5機種です。

それぞれについてデザイン、性能、価格の3つでベストを調べてみようと思います。

デザインは机や棚になじむ外観で(編集部では一番優先順位が低いけど)、倒れにくい、置いたところにキズがつかない、ノイズが出ない、ドライブが頑丈、USBポートなどのおまけが充実している、欠点がないことが基準です。

性能は梱包から出した状態でテストしてみました。価格は今調べて見つかる最安価格で比べています。保証期間の長さも製品に対するメーカーさんの自信の表れなので考慮しました。

使用したパソコンは自分用のThreadripper 2950X(AMD X399のマザボ、USB 3.1第1世代ポート付き)です。

ベストデザインな外付けハードドライブ

20201204HardDrive_LeCie
LaCieの圧勝
Photo: Tom McKay/Gizmodo

容量を求めるならデザインは二の次かもしれませんが、今回のドライブはどれも安くないのでクオリティは高め。ペラペラ感はなくて、特に欠点もありません。

米国価格が一番安いSeagate Backup Plus Hubは見た目もそれなり。比較的小型で、カウンターストライク・ソースのCS_Officeのマップに出てくる低解像度の小道具みたいです。前面にUSB 3.0のポートが2基ついているのはうれしいですよね。脚がゴムなので滑りにくくなってます。ただ、横幅のある土台がなくて、全体がプラスティックなので、机がガタッとなると不安かも。

WD_Blackはゲーミングドライブがウリ。だからかな。Western Digital社は貨物コンテナみたいなデザインに落ち着いています。充電ケーブル用の7.5WのUSB Type-A対応プラグが2つついていますが、これ、データ転送には使えません。底部がプラスチックでゴムもないので台にキズがついてしまうおそれあり。あと音は結構します。特に縦置きからポジションを変えると、本体出てはならない音が出ます。

My Bookは底部にゴムがついていてノイズも出ないんですが、なんせデカくて、プラスティックだし、正直これはないかな。

20201204HardDrive_Fantom
期待のFantomはベースがいまいち
Photo: Tom McKay/Gizmodo


20201204HardDrive_WD_BLACK-1
WD_BLACK。もう少し静かで、ベースがしっかりしてたらなあ…



20201204HardDrive_WesternDigitalMyBook
箱っぽいWestern Digital My Book
Photo: Tom McKay/Gizmodo


20201204HardDrive_Seagate
Seagateはきれい


Fantom G-Force 3はナイスなデザインで、アルミフレーム、メッシュのサイド。ただいかんせん、土台が着脱可能なプラスチック製なんですね。ゴムパッドも申し訳程度についてるだけなので、机や棚に当たらなくて、WD_Blackと同じキズの不安があります。もっと残念なのはLEDで、ドライブにアクセスするたびにチカチカ光って眩しいのなんの。ストロボモードに入るとちょっと気が散ります。

その点、デザインで頭ひとつ抜けてるのはLaCie D2 Professionalです。ゲーマー用かどうか以上にデザインをしっかり考えているのは候補中これだけでした。アルミ板1枚から切り出した戦車みたいな重厚感(家の秤では1.36kgもある)で、めちゃクール。HAL 9000好きな社員、絶対いますよね。土台は幅があってゴムなので滑らないし、光も眩しすぎなくて、赤い目で凝視されているホラー感もありません。

さらに同梱アダプタであらゆるコンセントに対応。差し込めないものはありません。

デザインで選べば:LaCie D2 Professional 8TB


最速な外付けハードドライブ

性能はCrystalDiskMarkとATTOで比べました。どちらも書き込みと読み取りの速度を計測できるツールです。目安にしたのは、モッドしまくりのゲーム「Total War: WARHAMMER II 」を70GBぶん転送する速度です。

テストでは箱から取り出してすぐSeagateの異変に気付きました。CrystalDiskMarkで読み取り速度を調べたら161-200 MB/s前後で、こちらは問題なかったんですが、書き込み速度がたったの11 MB/sちょっとしかない異常値。ゲーム「Warhammer II 」のバックアップに31分38秒もかかって40 MB/sという結果でした。ドライブをフォーマットして、 ディスクの書き込みキャッシュなどのオプションを最適化して、健康診断テストで合格か確認しても改善はされなくて、AmazonとBest Buyのレビューを拾い読みしたら同じ問題の報告が…。

20201204HardDrive_ATTO
ATTO Disk Benchmarkの読み取り速度
Graphic: Joanna Nelius/Gizmodo


20201204HardDrive_ATTO_write
ATTO Disk Benchmarkの書き込み速度
Graphic: Joanna Nelius/Gizmodo


20201204HardDrive_CrystalDiskMark_Read
Crystal Disk Markベンチの読み取り速度
Graphic: Joanna Nelius/Gizmodo


20201204HardDrive_CrystalDiskMark_Write
Crystal Disk Markベンチの書き込み速度
Graphic: Joanna Nelius/Gizmodo


幸い同梱のSeaToolsソフトで 「 Fix All Long (すべてを修正 - 長時間)」を13時間45分かけてやったら(もっと早く直す方法もあるかもですが)読み取り速度は平均190MB/s前後、書き込み速度も183~186MB/s前後に改善しましたけどね。「Warhammer II 」のコピー所要時間も14分19秒で、約81.5MB/sまで向上しました。

Seagateのサポートの説明では、バックアップ用とPRしてるけど、遅いSMR技術採用で、高性能を目指したドライブではないとのこと。でも初期状態でこの速度は論外だし、不良セクタを疑ってしまいます(CrystalDiskInfoのテストで保留中、再割り当て中、修正不可能なセクタの報告がゼロというのもHDDの健康状態が赤信号な証拠)。

Fantom G-Force 3は値段も宣伝も箱から出した感じもプレミアム感があるので期待したけど、Windows Powershellのコマンドレットのフォーマット手順が長ったらしくて「こんなの要るの?」と思いながら従ったら逆に遅くなってしまいました。CrystalDiskMarkの読み取り速度は215~216.5 MB/s、書き込み速度は221~232MB/s、ゲーム「Warhammer II 」のコピー所要時間は17分で、69MB/s弱という結果。コマンド指示書を無視してドライブをクイックフォーマットすれば「Warhammer II 」のコピーはわずか6分46秒で176.6MB/s。すごいってほどじゃないけど、そっちのほうがずっと快速です。

20201204HardDrive_TotalWar
Graphic: Joanna Nelius/Gizmodo

へー!となったのはLaCie D2 ProfessionalWD My Bookが2位で並んだこと。CrystalDiskMarkのベンチでは、LaCieが読み取り238~239MB/s、書き込み232~236MB/sで、「Warhammer II 」のコピー所要時間は5分56秒(~192.63 MB/s)。MyBookは若干遅れて読み取り224.1~224.6MB/s、書き込みは約225.5MBですが、コピーは5分57秒でほぼタイです。

総合点ではCrystalDiskMarkの読み書き263~264MB/s、「Warhammer II 」のコピー5分13秒で224 MB/sを切る速さを見せたWD_Blackが最速でした。

速度で選べば:WD_Black D10 8TB


1TBあたりのコスパが最強の8TBハードドライブ

外付けHDDは値段で選ぶ人が多いんじゃないでしょうか。スピードを本気で求めるならSSD買えって話になりますし。容量が大きいドライブほど1TBあたりの価格は低くなる傾向があります。

今回紹介するなかで一番高いのはLaCie D2 Professionalで、一番安いのでも255ドル(日本は3万8711円)もします。1TBあたり31.87ドル(日本は4,839円)。上質なパーツとビルドだし、5年保証とデータ復旧1回保証付きなのでどうしても高くなっちゃうんですが、それでも割高感は否めません。

WD_Blackは最低200ドル(日本は2万7800円)、1TBあたり25ドル(日本は3,475円)で、処理が最速でありながら求めやすいお値段になっています。

Fantomは196.44ドル(日本未発売)で、1TBあたり約24.55ドル(約2,554円)。

SeagateはたまたまセールでBest Buyが155ドル(19.37ドル/TB)、Costcoが140ドル(17.5/TB未満)でした(日本は2万6900円、3,363円/TB)。これで性能がよかったら言うことないんだけど…。

My Book 8TBもセールで150ドル(約18.75ドル/TB)。Costcoのセールを除けば最安です。

保証期間はLaCieの5年保証が最長でした。続いてWestern Digitalが3年保証、Seagateが2年保証、Fantomが1年保証という順。価格と保証期間まで含めると、一番コスパのいいドライブはMy Book 8TBと言えそうです。

コスパで選べば:My Book 8TB


おすすめの8TB外付けハードドライブ

5つのドライブのなかではLaCie D2 Professionalが好きですが、いくら性能に見合う価格とは言え、ほとんどの人はストレージ増設に割ける予算をオーバーしちゃうんじゃないかと思います。

Seagate Backup Plus Hubは第一印象が最悪で、修正してからも爆速とは呼べないのが難点。Fantom G-Force 3は性能と価格のバランスが今ひとつで、特に性能が断然上なWD_Blackと比べちゃうと、値段も大差ないので(4ドル未満しか違わない)、後者を選んでしまいます。

甲乙つけがたいところではありますが、だれにでもおすすめできるって意味では、みにくいアヒルの子、My Book 8TBかも…。アレレな見た目で、とりたててすごくもないけど、スピードでは2位タイにぴったりつけているし、1位より50ドル(日本は4,800円)も安いので、最後の最後でポチる人が多そうです。

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