ギズモードライターが選ぶ今年のNo.1映画:目に見えぬハラスメントの被害を描くホラー『透明人間』

  • author 傭兵ペンギン
ギズモードライターが選ぶ今年のNo.1映画:目に見えぬハラスメントの被害を描くホラー『透明人間』
Image: ユニバーサル・ピクチャーズ公式/YouTube

かなり冴えたアイデア。

残念ながら多くの映画が公開延期に追い込まれてしまった今年、個人的なベスト映画は日本では7月10日に公開となった『透明人間』でした。

透明人間といえば、H・G・ウェルズの小説を原作に今まで何度か映画化されてきましたが、今作は透明になる技術を手に入れた人間が悪事を繰り広げるSFホラーという基本は保ちながらも、非常に現代的なテーマを持たせた作品。

主人公のセシリアは、先端光工学の権威で富豪の恋人エイドリアンから受ける日々の様々なハラスメントに苦しめられ、なんとか彼の元から逃げ出したいと考えていた。そんなときにエイドリアンが自殺し、セシリアは莫大な遺産を手に入れることに。その頃から自分の周囲で起こる不可解な現象に苦しめられていき、エイドリアンが自殺を偽装したと考えていたセシリアは「エイドリアンが透明人間となって自分に嫌がらせをしてる」と言い出すも、誰にも理解されないばかりか狂人扱いされ、孤軍奮闘を強いられていく……というストーリー。


可視化されない様々なハラスメントをホラーに

人間が透明になって襲いかかってくるということよりも、服装から食事、考え方などなどを支配し自分と子供を持つよう強いてくる恋人のほうが怖い。何より苦しいのはそのハラスメントの被害を理解してもらえないことであると描き、今の可視化されない様々なハラスメントをホラーにしてるところに強いメッセージ性を感じさせられる作品で、かなり冴えたアイデアでした。

そしてこの作品のもう一つの特徴が、700万ドルという比較的控えめな予算ながら、工夫を凝らして凄い映像を見せてくれるところ。透明ハラスメント野郎を出し続けてCGで予算を使いまくるんではなく、いるんだかいないんだかよくわからない空間を映してその恐ろしさを効果的に演出し、とにかく「映画作りがお上手」と唸らせる作り。

そして出てきたら出てきたで、透明人間が襲いかかってくるアクションシーンも素晴らしい。プロダクションデザインも抜群で透明化に使われるハイテクスーツが実現の可能性がありそうなデザインでありながら、すごく不気味なのでテック好きはチェックして欲しいところ。とにかくメイキングも観たくなる作品ですね。


今年のうちにぜひ観てほしい作品

監督のリー・ワネルは、ジェームズ・ワンの学生時代からの盟友でともに映画『ソウ』や『シンシディアス』に脚本で参加してヒット作を生み出し、奇しくも今作と同じくハイテクホラーだった『アップグレード』などいいものを作り続けているのですが、『透明人間』を見る限り今後の作品にも期待したい!

そこまでおどろおどろしいホラー描写はないのでホラーが苦手という人もけっこう大丈夫かも? 年末年始に見るのにオススメかどうかはちょっとわからないですが、今年のうちにぜひ観ておいて欲しい一本です!

映画『透明人間』は現在ブルーレイ&DVDが発売中。Amazon Prime Video等でデシタル配信も行われています。

Source: YouTube

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