米ワーナー・ブラザース、2021年劇場公開作品をストリーミングでも同時配信。しかし、映画関係者からは不満の声も

  • author はらいさん
米ワーナー・ブラザース、2021年劇場公開作品をストリーミングでも同時配信。しかし、映画関係者からは不満の声も
Image: Scott Olson/Gettyimages

契約する動画配信サービスがまた1つ増えそう。

映画業界は新型コロナウイルスの影響により今も深刻な状況が続いています。これまで一般的だったのは、映画配給会社が当初劇場公開を予定していた作品の公開日を延期することでしたが、今では動画配信サービスを使った戦略で顧客を取り入れようと進める映画会社が増えてきています。

アメリカの大手映画会社のひとつワーナー・ブラザースは先月末、『ワンダーウーマン 1984』(日本は12月18日公開)を劇場公開と同時に動画配信サービスのHBO Maxでも配信することを発表し、大きな話題を集めました。

そしてさらにその数週間後には、2021年公開予定の全17作品を劇場公開と同時にHBO Maxでも配信することを発表し、大きな波紋を呼んでいます。

以下、ワーナー・ブラザースの2021年全米公開予定作品のタイトルおよび公開日です。

※一部日本版タイトルおよび国内公開予定日の記載あり。

The Little Things (2021年1月29日公開)

Tom & Jerry (2021年3月5日公開)/『トムとジェリー』(日本は2021年3月19日公開)

The Many Saints of Newark (2021年3月12日公開)

Reminiscence (2021年4月16日公開)

Godzilla vs. Kong (2021年5月21日公開)

The Conjuring: The Devil Made Me Do It (2021年6月4日公開)

In the Heights (2021年6月18日公開)

Space Jam: A New Legacy (2021年7月16日公開)

The Suicide Squad (2021年8月6日公開)/『ザ・スーサイド・スクワッド』(日本は2021年公開)

Dune (2021年10月1日公開) /『DUNE /デューン 砂の惑星』(日本は近日公開予定)

Elvis (2021年11月5日公開)

King Richard ( 2021年11月19日公開)

The Matrix 4 (2021年12月22日公開)

Sherlock Holmes 3 (2021年12月22日公開)

Judas and the Black Messiah(2021年公開予定)

MACRO (2021年公開予定)

Malignant (2021年公開予定)

Mortal Kombat (2021年公開予定)

それぞれの作品がHBO Maxで視聴できるのは劇場公開日から1ヶ月間のみとなっており、サブスク契約者は追加料金を払うことなく4K Ultra HD・HDRの高画質で最新作を楽しむことができるとのこと。また、日本のようにHBO Maxが利用できない国では、これまで通り劇場にて最新作が随時公開されていく予定とのことです。

映画関係者たちは事前にワーナーの計画を知らされていなかった

12月3日(現地時間)に明らかとなった今回の異例の発表。映画を見る側の立場からしたら、選択肢の幅が広がったことに喜ぶ方もいるかもしれませんが、映画関係者側はワーナーが下した決断に不満の声を持っているそうです。

The Hollywood ReporterDeadlineの報道によると、『ハングオーバー』シリーズやハリウッド版『ゴジラ』シリーズを製作してきた会社として知られるレジェンダリー・ピクチャーズはワーナーから事前にこの計画を知らされておらず、これまでいくつもの作品を共同製作し、多額の投資をしてきたことから法的措置を検討しているとのこと。

さらに、『ダークナイト』トリロジーや『インセプション』のクリストファー・ノーラン監督は、今回のワーナーの決断に対して不信感を示し、The Hollywood Reporterにこのような声明を出しています。

一部の偉大なフィルムメーカーや俳優たちは、 「我々は最高の映画スタジオで働いている」と思いながら眠りについた。しかし目覚めたら、自分たちは最悪なストリーミングサービス(HBO Max)のために働いていたと知ったんだ。

また、ワーナーに対しては、次のように語っています。

ワーナー・ブラザースは映画館や家庭でも、フィルムメーカーの作品をあらゆる場所で公開できる素晴らしいシステムを持っていた。しかし、我々が話している間にもそれは解体されてしまっている。彼らは自分たちが何を失っているのかさえ、気づいていないんだよ。

超難解な映画としても知られるクリストファー・ノーラン監督の最新作『TENET テネット』はコロナ禍の中でも無事に劇場公開ができた作品の1つで、きっと多くの観客が久々に映画館でしか味わえない感動を体験できたのではないでしょうか。

残念ながら、先行き不透明な状態はまだもう少し続きそうですが、多くの人がまた安心して劇場に足を運び、一緒に映画を楽しめる日が戻ってきてくれることを今は願うばかりです...。

Source: io9 (1, 2), The Hollywood Reporter, Deadline

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