Uターン不要なので、バックで前進するってことに。
今年の始め頃、Amazon(アマゾン)が子会社として買収していたスタートアップ企業のZooxが、設立から6年の開発期間をかけ、自律走行ロボットタクシーを完成させました。
特徴はいろいろありますが、この車には運転席がなく、ふたりずつが向かい合って座るシャトルバスのような、箱型の乗り物となっています。
連続16時間走り続けられる
100%電気で自律走行をするこの「Zoox」。全長は約3.6mで、高さは2mほどのサイズです。133kWhのバッテリーをフル充電すると、最大で16時間走り続けることができ、最高時速は両方向共に120km/hが出せるとのこと。安全性重視なので、たとえ高速道路でもそこまでカっ飛ばすかどうかわかりませんけども…ポテンシャルは高いのですね。
Bloombergが実車を取材したときの様子が投稿され、もうちょっと詳しく内外の様子が分かります。
LOOK: @Zoox, the self-driving startup owned by Amazon, unveiled a fully autonomous electric vehicle with no steering wheel that can drive day and night on a single charge. @EdLudlow takes a look behind the scenes https://t.co/cBILs8weOmpic.twitter.com/PjQ92iy7B6
— Bloomberg Quicktake (@Quicktake) December 14, 2020
座席にはスマホの無線充電器、カップホルダー、シートベルトがあり、両サイドのタッチスクリーンから空調の調節、メディア操作、そして運転の状態をチェックすることが可能です。もちろんエアバッグも仕込まれており、乗客の正面と側面が膨らむようになっています。
安全運転のため100個以上の新部品を開発・搭載
車体の四隅にはLiDERやカメラ類があり、これらが270度の視野を持つことで死角をなくしています。それに同様のセンサー類は、ヘッド/テールライトの間にも仕込まれています。デザインは前後対称で、顔とお尻が同じ。ライトの色を変えれば、Uターンせずともフロントがバックに、そしてバックがフロントに早変わりします。
西海岸でテスト中
「Zoox」は今、サンフランシスコ、ラス・ヴェガス、またはカリフォルニアのフォスター・シティといった西海岸でテスト走行を行っているとのことです。
もしかすると、今後はスマート・ショッピングカートの「Amazon Dash Cart」や、手のひらで支払いができる非接触型デバイス「Amazon One」を採用したスーパーマーケットへの送迎に使われたりするのかもしれませんね。
この自動車は密集した都市に向けて作られたそうですが…それにしては4人乗りは少ないのでは?と感じました。というのも、かつて無印良品がデザインした、これにソックリな自律運転バスの「GACHA」は、10人がけの座席に加え、6人が立って乗れるよう設計されていたからです。また、都市型の乗り物はeバイクやeスクーターもアレやコレやあるので、田舎の過疎地で活躍するEVシャトルやタクシーがあったらなぁ、と思った次第です。
その他、AmazonはRivianにEV配達トラックを10万台作らせていたので、「Zoox」が配達用に転用されることはなさそうかな、とも。やっぱり、彼らはロボットタクシーで新ビジネスを始めるのでしょうか?
Source: YouTube, Twitter, Amazon via SLASH GEAR, electrek