なんやかんや一周回って、きらいじゃないッス。
完全ワイヤレスイヤホンが欲しいけど、出せて5,000円くらいまでという人にオススメできそうなイヤホンを触ってきました。シャオミ(Xiaomi)の「Mi完全ワイヤレス小型イヤホンBasic 2(黒いほう)」と「Mi完全ワイヤレスイヤホン2 Basic(白いほう)」です。

まず名前の誤解から解いておく必要がありますよね。名前こそタイポじゃないのかってレベルで似てるこの2機種は、れっきとした別物。本体のデザインも、「2」の位置も違うけど、表記だけ見ると…。なので、めっちゃ似てるけど別物なんだってことでひとつヨロシクです。では、左の黒い方(Mi完全ワイヤレス小型イヤホンBasic 2)から見ていきましょう。
愛すべきチープサウンド

「Mi完全ワイヤレス小型イヤホンBasic 2」、お値段は2490円(税込)、発売時期は2021年の2月以降。ザ・格安イヤホンですが、これはこれでニーズもあるのかなと。最低限の機能ながら、Bluetooth 5.0のおかげか接続性は優秀でした。渋谷の地下鉄でも3回ほどしか途切れなかったので、ふた昔前のワイヤレスよりも接続は信頼できる、気がする。

音質は、もはやラジオです。スカる低音、シャカる高域。しかしそれは、逆にボーカルのクリアさを引き立てます。聞けるか聞けないかでいうと、なんならちょっと好きなタイプの音でした。昔のラジカセを思い出させるというか、これはこれでひとつのサウンドとして楽しめるな、と。意外にも好印象。
本体は小さく、軽さも相まっていつでも落とせそう。でもフィット感は悪くない。物理ボタンなのもよいですね、カチカチと雑に操作できます。

ケースのつくりやガタの感触、充電がmicro USB端子である点などは、さすがに値段相応です。なんなら音質も値段相応なんですけど、駄菓子的な愛嬌があるというか、安かろう&これはこれでよかろう、という感じ。優等生サウンドに飽きてきた人には、これくらいジャンキーなサウンドも喜ばれる気がしますねぇ。
大口径ドライバー1点勝負マン

お次は真っ白な「Mi完全ワイヤレスイヤホン2 Basic」、お値段3990円(税込)発売は2021年1月8日。極めてお買い求めやすいジェネリックAirPods、すなわちインナーイヤー型の完全ワイヤレスです。うどんの出っ張り方やケースの形状などは、ジェネリックみ溢れる愛すべき個性。
ちなみにこのイヤホン、僕が初めて聞いたときは値段を知らされておらず、8,000円くらいかな? と予想していました。つまり、第一印象は「わりといい音じゃん!」。14.2mmの大口径ドライバーを搭載し、低音の分厚さはピカイチ。何を聞いても迫力があり、聞いていて楽しいイヤホンですね。ソニーのEXTRA BASS系が好きな人にはハマるかも。
が、やや雑なチューニングである点も否めず、低音の迫力はすごいけどサウンドとしてバランスが取れているかと言われたら、うむむのむ。それこそAirPodsと比較すると、低音の迫力はこちらに分がありますが、ボーカルの聞きやすさやバランスはAirPodsに軍配が上がります。

でも、値段を思えばよく鳴っているイヤホンだと思います。AirPodsと違いマットな質感なので持ち心地もよし。操作はタッチ。うどん的出っ張りの部分が大きいので、このご時世だとマスクに引っ掛かりそうなのが気になりました。公式サイトのビジュアルを見る限り、小顔の人が装着するとかなりアンバランスな見た目に…小顔効果なのか…?

あえて本家と比較するとこんな感じ。本体もドライバーも大きくなったよ、だから迫力が増したよと、非常にわかりやすい派生の仕方です。

ケースも小さく、AirPodsに劣らぬ携帯性も魅力のひとつ。あと、充電がType-C端子です。もっかい言っときますか。充電、Type-Cです。低音と携帯性とType-Cを求めるなら、あえてこちらを選ぶという判断、わりかしアリな気がしますね。T・y・p・e・-・C、ですからね!
2機種あわせても1万円いかない、シャオミの爆安完全ワイヤレスたち。結論としては、どちらも価格に対してわりと仕事してるな、という印象でした。普段は売れ筋の完全ワイヤレスばかりチェックしてるけど、こういう野趣いイヤホンも今はこれくらいデキる時代なんですねぇ。
それよりも僕は、どうしてこんなややこしすぎる名前を付けたのかが気になるのですが…!
追記[2021/01/06]価格と発売日を追記しました。
Photo: ヤマダユウス型