フィリップスの「息が苦しくならない」マスク、お値段9,800円

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  • author 尾田和実
フィリップスの「息が苦しくならない」マスク、お値段9,800円
photo : Kazumi Oda

「1月に買ったもの」というお題を現場(編集部)からいただきました。

緊急事態宣言になってから買ったもの。それは、この状況でもう少しお金をかけていいかなと思ったものです。

というわけで、ずっと気になっていたフィリップスのマスクを紹介します。

Video: philipsjapan / YouTube

さすがフィリップスと言いたくなるマスク

CESで感じたことですが、2021年になってもっといろんなマスクが開発されるんじゃないかと思っていたんですよね。でも、あんまりめぼしいものがなかったような。RAZERのゲーミングマスクぐらい。

その点、このフィリップスのマスクはかなりいいです。しかし残念なところもあります。それは後述します。

マスクとしての機能とあんまり関係がありませんが、まずパッケージが良かったです。

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さすがオランダを代表するテック企業。スマホで調光できるスマート電球、hueなんかにも通じる独特のクールネスがあります。日本にはない配色で、届いたときにこれだけでときめきました。ただし、ブリーズ・マスク自体はどうやらコロナ以前からマスク大国であった日本で企画された商品のようです。

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開封してもマスクとは思えない高級感。ここで読むのを止めてしまうひともいるのではないかと思いますが、値段は9,800円です。

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このマスクの特徴は、 マスク内を空調するエアフローシステムを搭載している点です。この機構によって、N95マスクかと思うような厚手で高機能なインナーフィルターを装着しても、マスク呼吸がラクになる大きなメリットがあります(2021年1月31日 18:11 追記:N95とはフィルター自体の性能を示すもので、装着後のマスクと顔との密着性は保証していません)。

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裏返すとこんな感じ。白いパーツ部分がエアフローシステム。小型ファンを回転させ、毎分41ℓの空気流量で排気することにより呼吸がラクになるだけでなく、マスク内部が蒸れない、温まらない、さらに匂いの軽減の効果も期待できるとのこと。

PHILIPS_mask04

左がマスクの穴に差し込むファンモジュール、右がマグネットで装着するリチウムイオンバッテリーです。ファン部分を製造した日本電産株式会社は、グループ連結一兆円の売り上げを誇る世界No.1の総合モーターメーカー。一見おもちゃっぽいですが、三段階で調整できる風量の効果は絶大。マイクロUSBによる約3時間の充電で2時間〜3.5時間の連続使用が可能です。

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左右のクリップで取り付ける使い捨てのフィルターは、4層からなるフィルター構造です。公式サイトによれば、PM2.5や花粉を95%、細菌を99%、ウィルスを98.87%カットするとのこと。フィルターの交換時期は大気の汚染度によって変わってきます。自分は1日6時間の使用で一週間程度の交換サイクルでまわしています。説明書の目安からすると使いすぎかもしれないのですが、別売りだと高価格なのが( FY0086/00 交換用マスクフィルター 5枚入り 希望小売価格 1,595円 )がタマにキズです...。その分メンテナンスは楽でフィルターとファンモジュールを外せば、外側のマスク部分は中性洗剤で手洗いできます。乾くのもかなり早いです。


値段相応の価値はあるものの

さて、実際の使用感なのですが、以下が良かった点。

・ファンを回している間は呼吸がラク

・ファンを回している間は眼鏡が曇らない

・マスク部分の装着感・メンテナンス性がきわめて高い

上ふたつは、純粋にファンを駆動している間のメリットになります。

スイッチを入れている間はとにかく息がラク。マスクが3D成型で内側にスペースがあるためか、エアコンディショナーで空調しているような爽快感すらあります。圧迫感、息苦しさといったマスクにつきもののストレスが皆無。これは本当にすごい。1万円の価値があると思いました。

また眼鏡をかけている人だけに共通の悩み。マスクからの吐息で眼鏡が曇るのは本当にイライラしますよね。曇り防止機能をうたったマスクやリキッド、クロスなどが市販されていますが、どれも完璧とはいいがたいのが現状です。このブリーズマスクは、ファンを回している分にはほとんど曇りません。空調効果がかなり貢献していると思われます。

鼻があたる部分に形を調整できるパッドがついていて、これも曇り防止の役目を果たしているようですが、ファンをまわしていないとやっぱり曇っちゃうので、これだけで完全防御というわけにはいかなそうです。


買ったのは満足だけど注意が必要な点

そして残念な点です。これは各所で指摘されている点でもありますが、この画期的なエアフローシステム、今のところ野外専用なんです(えっ!?)。フィリップスは、公式サイトのFAQで「屋内や三密下で電動ファンを使用すると、飛沫が拡散しませんか?」という質問に対して、下記のように回答しています。

「社内試験環境下での飛沫拡散量は通常の布マスクと変わらないという試験結果があります。ただし、ファンの排気によって周りの方々にご不安を与えてしまうことも想定されますので、そのような場面ではファンのご使用は推奨しておりません」

つまりですね、 マスク内の呼気は、ファンを通じて下向きに排出されるように設計されていて、飛沫拡散の度合いは布マスクと変わらないんですが、とにかくマシンで強制的に排気しているイメージがよくない、周囲に不安感を与えてしまうということらしい。

ファンをオフにしても普通に高機能なマスクですが、なんだかすっきりとしない説明ではあります。エアフローシステムを屋内で使えないとなると、使用できるシチュエーションはかなり限られます。スポーツでのアクティビティに最適みたいなイメージを打ち出しているように見えますが、 約60gとマスクとしては重量があるし、それを支えるストラップもかなり細身で、激しい運動時に落下を防止する仕組みもありません。いわゆるスポーツマスクではないですよね。

これは根深い問題で、僕がよく指摘するガジェット最大の弱点、歴史と専門性に欠けていたってことかもしれません。つまり開発時点で、そもそもマスクとは何なのかってリサーチが足りなかったと指摘されても仕方ない。日本におけるマスクとは、コロナのずっと前からエチケット用品としての側面が強かった。予防目的というだけではなく、周囲に飛沫拡散してないってことをアピールするための道具だったってことです。

そのことを意識してか、ファンが回転している間は、電源ボタンの周囲が青白く点灯して、周囲に強制排気していることをアピールするような作りになっています。たしかにものすごくいいマスクで、フィリップスらしい優れたデザイン性、なかなかハイクラスなお値段もこのマスク必須の状況で少しでもストレスを軽減してくれるのなら安いものだと思っているのですが、ここだけは残念な点として、追記させて頂きます。

※価格など表示内容は執筆時点のものです。変更の可能性もありますので、販売ページをご確認ください。

※一概に指摘できない部分だった為、USB-Type Cの製造コストに関する言及は削除させて頂きました。謹んでお詫び申し上げます。

Source: PHILIPS ブリーズマスク

Photo: Kazumi Oda

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