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メルセデス・ベンツが、2021年モデルの「EQS」セダンに搭載するダッシュボードとして、56インチの変形タッチパネル「The MBUX Hyperscreen」を発表しました。
このパネルは湾曲しているのも特徴です。AIを搭載しているので、よく使う7種までの機能をメイン表示にするだけでなく、運転中のタッチ操作も極力減らして運転に集中できるようになっています。
The innovative MBUX Hyperscreen offers completely new ways of control, interaction and entertainment. Its “zero-layer principle” automatically brings all apps and functions into a fluid, proactive user interface – powered by an AI.#MercedesBenz#MBUX#hyperscreenpic.twitter.com/LqDHYuXnrQ
— Mercedes-Benz (@MercedesBenz) January 8, 2021
さらには触覚フィードバック、近接センサー、CPUコア×8と24GBのRAMを搭載するなど、まるでゲーミングPCかシミュレーターか? ってなハイスペックさ。続いて、オンラインで行われた発表会の映像がこちらです。11分の長さですが、ぜひどうぞ。
ゴリラガラスの下には3枚のOLEDディスプレイが
頻繁に利用する機能はすべてパネルに映し出されるのですが、「Hyperscreen」ではそれを「セロレイヤー」と呼んでいます。実は3層構造の中に3枚のOLEDディスプレイが内蔵され、その内2枚は湾曲しているのだそうな。とはいえ両端にある通気口は、特にデジタルではなかったりします。
The innovative #MBUX#Hyperscreen offers completely new ways of control, interaction and entertainment. Its “zero-layer principle” automatically brings all apps into a fluid, proactive user interface – powered by an AI. Learn more here: https://t.co/fhdX2Z53ts#MercedesEQpic.twitter.com/U3raT6Hj3b
— Mercedes-Benz Press (@MB_Press) January 7, 2021
繰り返されるアクションを何でも学習するAI
搭載AIの凄いところは、たとえば運転手が冬に暖房とシートのマッサージ機能を多用するのであれば、それを学習して制御したり、定期的に同じ時間に同じ人物に電話をするのであれば、それを繰り返すなど、車内全体の機能にも及ぶ点。
また助手席がテレビを見ている間、運転手にはその画面が見えないようになり、同乗者がいなければ何も表示しないといった工夫もあったり、周囲の明るさ/暗さに応じたパネルの明度調節を行ったりと、親切なコンシェルジュのような役割を果たします。

最初はAIが学習するため、運転手はアレコレ自らが操作して育てていかなければなりません。ですが運転を重ねるごとに、どんどん自分の使いやすいようお利口さんになってゆく様子は楽しいでしょうね。こうしたダッシュボードが、高級車だけでなくもっといろんな車種に採用されたら、運転がもっと楽しくなるんだろうなぁ(遠い目)。
Source: Twitter, YouTube (1, 2) via EQ via INTERESTING ENGINEERING, electrek