Ankerの格安ロボット掃除機の実力はどれくらい? 5年前のルンバと戦わせてみた

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Ankerの格安ロボット掃除機の実力はどれくらい? 5年前のルンバと戦わせてみた

Ankerの家電ブランド「Eufy」から、お値段も機能性も魅力的なお掃除ロボの新作が登場。米GizmodoのWes Davis記者がレビューしました。


Eufyの「RoboVac G30 Hybrid」は吸引と水拭きができるロボット掃除機。見たところ5年前に買ったときには夢中になってた「Roomba 650」より高性能です。良心的な価格のわりに多機能かもしれませんが、求めてしまうのはやはり全ての機能が優れているロボット掃除機。この製品は、そういった点では少し残念でした。

RoboVac G30 Hybridはシュっとした形状で高さ2.85インチ(約7cm)に直径1フィート強(約30cm)と、5年前に買ったRoombaのどっしりとした図体とは全然違います。多くのロボット掃除機と同じように丸型。裏面は前任のロボット掃除機とよく似ていますが、回転ブラシとサイドブラシが1本ずつに車輪が2つ、そして前面に回転ホイールがついています。ダスト容器は直感的なスライド式のボタンで取り外せて、中身を空にする際も同じボタンで開けられます。容器内についているフィルターは水洗い可能。これはありがたいです。全体的にがっしりした印象で、ほぼ全てのパーツが交換可能になっています。

充電ステーションは裏側に電源コードの収納スペースがあってごちゃつかずにまとめられるので、配線をすっきりさせたい人は気に入るかと。G30 Hybridでは基本の充電ステーションに加えて、水拭き(これについては後述します)用の防水パッドもついています。お部屋のマップを作る機能や、バッテリー残量が少なくなると自動で充電ステーションへ戻り、充電完了後に中断した位置から掃除を再開するという機能も搭載されています。

Eufy RoboVac G30 Hybrid

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これは何?:Eufyの最新版RoboVac。モップ機能付き!

価格: 370ドル(約3万8400円)

好きなところ: 静かで規則正しい走行パターンで動き、必要であれば水拭きも可能

好きじゃないところ: 大きめなゴミを散らして、後で回収しそこなう傾向にある

RoboVac G30 Hybridは、Ankerのスマートホーム家電コントロール用のアプリ「EufyHome」で操作します。掃除機はアプリのホーム画面にウィジェットとして表示され、そこから掃除の開始や各種設定、充電などの操作が可能。ウィジェットをタップすると、所有するRoboVacの姿とその時点でのステータス(掃除中や充電中など)が表示された画面に移ります。画面上部にはデバイス名と現在のステータス、掃除エリアの面積や掃除時間を表示。画面下部には操作メニューが並んでいて、掃除の開始や中止、吸引レベルの調節や充電、指定したエリアの掃除やスケジュールの設定、掃除履歴の確認を行なえます。

吸引力レベルの設定は標準、ターボに最大、そして最適な吸引力へ自動調整するBoostIQモードの4つから選択可能。マップのアイコンを押すと掃除機が作成したAtari 2600並みの自宅マップが表示され、リアルタイムで更新されていきます。掃除の予約は使い勝手がよく、曜日ごとにトグルボタンがあって開始時間や、吸引力レベルの設定さえも個別に行なえます。これはよく考えこまれているなと思いました。

メイン画面に戻って右上の3つの点を選択すると、掃除機の設定メニューが開きます。この画面で設定できるのは音声関連や水拭きの水量、マニュアルモードへの切り替えなど。さらメンテナンスの項目では部品の交換推奨時期も確認できます。特に注目すべきは、部品交換の仕方に関して画像付きの詳しい説明が記載されている点。当然ながらEufyは部品の販売も行なっています。

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Photo: Wes Davis/Gizmodo

RoboVac G30 Hybridは音声アシスタントへの連携が可能。GoogleアシスタントとAlexaに対応しており、掃除の開始や停止、充電ステーションへの帰還、探し出せるよう位置確認など基本的な音声コマンドを使えます。実際にコマンドを試してみましたが、使い勝手はよかったです。しかしながら初回接続時は少し厄介でした。EufyHomeアプリの連携はうまくいったように見えましたが、Google Homeが掃除機を認識してくれなかったのです。トラブルシューティングをいくつか試してみた後、時間切れになって諦めましたが、翌朝になって正常に認識されたと分かりました。成功…なのかな?

それは仕方がないとしても、肝心の清掃能力はどうでしょう?まず、動作音がほとんどしないことに気づきました。ささやき程度というと大げさですが、ひどい騒音だったRoomba 650と違って非常に静かだったのです。室内をS字に動くG30 Hybridの走行パターンを見るのはとても楽しいです。ランダムにがむしゃらに動く機種もありますが、それと比べるとはるかに満足感が高かったです。しかし、部屋の端に移るのが早すぎるようで、床の真ん中にホコリを少し残していても、そのためにわざわざ戻ってくることはありませんでした。さらにどの絨毯にも簡単に登りはするのですが、吸引はあまりできていないようです。廊下にある低いパイルの絨毯くらいしか十分に掃除できませんでした。

通常の掃除を数回行なった後は、特定のゴミでのG30 Hybridの吸引テストへ。普通のホコリやガラスの破片などの小さなゴミはしっかり吸っていたものの、紙切れや硬貨サイズ以上のガラス片、ツイストタイやヘアピンには手こずっていたようでした。その後、台所の床掃除で厄介な砂糖、小麦粉、米をまき散らしてみることに。

これが思わしくない結果に…。

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最新のRoboVacと旧モデルのRoombaを競わせました。Roombaのほうが時間はかかりましたが、もっと徹底的に掃除してくれました
Photo: Wes Davis/Gizmodo

何が目的かにもよりますよね。もし粉や米粒を均等に広げてそこを歩いた時に足の裏にくっつけるのが目的であれば、G30 Hybridは勝ちに行けそう。でも、片付けるのが目的であればホウキを出す必要があります。

続いては、2020年のミドルレンジ機種が2012年エントリーモデルのルンバとどう張り合うのか見てみたかったので簡単なテストを考案。できる限りサイズが同一の長方形のエリアを2つ作って、その中に外から集めてきたゴミや土をまき散らしホウキで均一に広げます。お掃除ロボは両方とも長方形の中央にセットして、同時に掃除を始めさせました。

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Gif: Wes Davis/Gizmodo

丸型ロボたちを競わせることの高揚感はさておき、2台の働きぶりに改めて釘付けになりました。Roombaは勢い良く動き回り、すべての境界線に突っ込んではランダムな方向へと向かいます。一方でG30 Hybridはもっとゆっくりで落ち着いたアプローチを取っていて、時たま2台が出会っては別の方向へと行く様子はロボットなりの会釈でもしてるかのよう。14分を少し過ぎたところでG30 Hybridが掃除完了を宣言するも、片付いていませんでした。掃除を再開させましたが、この平凡な闘技場の隅々を徹底的に攻めるばかりで、土ぼこりをスルーし続けたのです。結局、そのころには掃除を終えてからしばらく経っていたRoombaに吸い残しを片付けさせる羽目になりました。

G30 Hybridを擁護すると、ゴミの量が多かったですし、確認した時にはダスト容器が満杯だったので、製品自体は悪くないんです。それでも、Roombaの劣らぬ働きぶりには心底驚きました。

続いては段差の検知テスト。G30 Hybridを高さ半フィート(約15cm)ほどの段ボールの上において、目に見えない壁に向かって力なく暴れる様子を数分間見守りました。そして最後にモップ機能をテストするため床に戻したのでした。

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水拭きのために取り付けるモッピングクロス
Photo: Wes Davis/Gizmodo

先に言うと、そもそもG30 Hybridの水拭きは頑固な汚れを落とすことを意図していません。取扱説明書は洗剤の利用を禁じていて、水の利用を推奨しています。水はダスト容器の下に取り付ける水タンクに入れて、水洗い可能もしくは使い捨てのモッピングクロスを取り付けます。

モップを本体に取り付けたら、地面に置いてスタートボタンを押すだけ。特別なモードはなく指定された場所をくねくね進んでいって、床はうっすら濡れてツヤツヤになっていきます。床に粘性の異なる液体を何種類かこぼしたところ、全て拭き取られていましたが、同じ日に娘が残した絵の具はそのままでした(期待してたわけではありませんが…)水拭き機能は拭き取りにくい汚れと乾いて固まってしまった液体をこすり落とすのに必要な振動が備わっていないがために、結局濡れたクロスをフロア中に引きずり回すような感じに。なんだかんだで床は綺麗になりました。

テストを進めていく過程で、この掃除ロボの前モデルRoboVac G30 Edgeについてのレビューを読んでみることにしました。書かれているほとんどの不満点は、G30は迷子になる頻度が高い、一カ所を執拗に掃除しがち、清掃を終えた後でステーションに戻れないなどとマッピングと経路算出の問題に集中していたのです。どの現象もG30 Hybridで実際に目にしました。さらに他の部屋で掃除を開始するとステーションに戻れなくなるようで、保存済みの自宅の地図は台無しに。自分の経験からしか言えませんが、読んだ不満はどれも驚くものではありませんでした。

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Photo: Wes Davis/Gizmodo


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Photo: Wes Davis/Gizmodo


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Photo: Wes Davis/Gizmodo


結局のところ、EufyのRoboVac G30 Hybridには支持される理由があるようです。倍の値段はする高級お掃除ロボにしか搭載されていないような機能のいくつかを提供してくれるということ。物理的には丈夫なマシンで、多くの部品が交換可能という点も気に入っています。アプリの操作も簡単で反応も良い。しかし水拭き機能は、準備と使用後の部品のアフターケアの手間がかかるわりにはあまり効果がないかもしれません。だとしても、同機能が備わっているのはよいことです。悲しいかな、期待される1分野がおざなりなようで、ロボット掃除機が誕生して20年ほどですがしっかりと吸い取ってくれません。G30 Hybridをかけた後はいつも、Roombaなら吸引したであろう小さなゴミが床に残っていました。

経路上のゴミはほとんど吸いこんでいるので、これは必ずしもハードウェアの失敗だとは思いませんが、サイドブラシがかき集めずにはじいてしまうこともありました。部屋の隅を掃除し始めたら真ん中に戻りたがらないので払いのけられたゴミはそのまま忘れ去られ、足の裏にくっついて後々発見されるということに。突き詰めていくと子どものオモチャを吸い込む心配をせずに予約をかけられる家庭であれば、G30 Hybridは十分に清掃してくれますし申し分ないのです。

アプリのインターフェースはわかりやすく安定していて、とても静かな動作音、そしてメンテナンスのしやすさでもってEufyのRoboVac G30 Hybridは370ドルという価格帯にすっぽり収まります。お掃除ロボにスケジュール通りに清掃してもらえるくらいには片付けている人にとってはコスパがいいかも。驚くほどの仕事ぶりは期待しないこと。

まとめ

  • EufyのRoboVac G30 Hybridは静かで仕事が早くて、隅っこの掃除が得意
  • でもゴミを吸い取るのではなく、はじく時もある
  • モップは良いアイデアですが、手間がかかる

Source: Eufy,

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