Virgin Orbit、飛行機からロケットを発射して人工衛星を軌道に乗せることに成功

Virgin Orbit、飛行機からロケットを発射して人工衛星を軌道に乗せることに成功
2019年7月、落下試験中に初めてLauncherOneを空中で分離させるCosmic Girl Image: Virgin Orbit/Greg Robinson

商業分野での宇宙開発競争がさらに激化しそうです。

リチャード・ブランソン氏が率いるVirgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)社の姉妹会社、Virgin Orbit(ヴァージン・オービット)社が初めてロケットの軌道到達に成功しました。さらには同時にNASAのペイロードである小型衛星の投入にも成功しています。

コストを削減しつつ衛星を打ち上げられる手法

現地時間の日曜、Virgin Orbit社はLauncherOne(ランチャーワン)ロケットの2度目のテスト飛行を実施。これには型破りな発射システムが使われました。ロケットは地上にある発射台からではなく、「Cosmic Girl(コズミック・ガール)」と名付けられた改造ボーイング747の翼下に懸架され、あらかじめ決められていた場所で投下されたのです。放たれた後は、エンジンを点火して軌道へと推進しました。

ロケットは飛行機から空中発射されるため、the Vergeで説明されているようにVirgin Orbit社の発射システムはそれほど大きなロケットや多量の燃料を必要としません。コストを低く抑えられるので、財政的な観点から見ればこれはありがたいこと。そのうえ同社のシステムは恐らく競合他社のそれよりも柔軟なので、理論上は747が離着陸できる場所ならどこからでも衛星を打ち上げられるとも書かれています。

ブランソン氏は日曜に出したプレスリリースの中で「Virgin Orbitは大勢が不可能だと思っていたことを成し遂げた」と語っていました。「特別に改造したVirgin Atlantic 747であるCosmic GirがLauncherOneロケットを軌道へと送る姿にはとても感激した。このすばらしいフライトは長年の努力の集大成で、新世代のイノベーターを呼び込むだろう」とのこと。

昨年5月に行なわれた最初のテスト飛行は失敗に終わりましたが、今回の打ち上げ成功で汚名返上を果たせました。同社は失敗の原因は推進剤ラインにあって、ロケットのエンジンが点火された数秒後に破損したとのちに語っていました。

さまざまな分野に関わる衛星を打ち上げることに専念

宇宙ツーリズムに着目したVirgin Galactic社と異なり、Virgin Orbit社は小さな衛星を打ち上げることに専念しています。

LauncherOneは、NASAの教育目的の小型衛星打ち上げミッション(ELaNa)の一環としてCubeSatと呼ばれる小型衛星を10機運びました。NASAいわく、このプログラムは学生をSTEM分野に呼び込んで留めるよう考案されており、学生たちは開発や組み立て、テストや打ち上げに至るまですべての面に関わっているとのこと。

CubeSatは1機のサイズが10×10×10cmと小さく重量は1.33kgに満たないほどで2機、3機あるいは6機のユニットにまとめることも可能です。LauncherOneが運んだCubeSatはアメリカの大学8校とNASAが開発したもので、宇宙天気、宇宙放射線、宇宙デブリといった分野のリサーチをします。

Virgin Orbitは今後の打ち上げに関して、すでにアメリカの宇宙軍、イギリス空軍、イタリアの民間宇宙企業SITAELとデンマークの衛星製造会社GomSpaceからの予約を受けていると明らかにしています。

Source: Virgin Orbit(1, 2), the Verge, spacenews, Twitter, NASA,

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