SNSで攻撃的になる理由は? 必要なのはテクノロジーにウェルビーイングを取り入れる視点

  • Mugendai
  • author ヤマダユウス型
SNSで攻撃的になる理由は? 必要なのはテクノロジーにウェルビーイングを取り入れる視点
Image: MUGENDAI(無限大)

テクノロジーの弊害は、テクノロジーで乗り越えられるはず。

今や僕らの暮らしにインフラレベルで関わっている、SNS。コロナ禍以降はもちろんですが、それ以前にもユーザー同士のトラブルやフェイクニュースなど、ネット上のコミュニケーションが引き起こす問題は表面化していました。

テクノロジーは豊かになったけど、僕らの心の安寧は保たれているのか? SNSや刺激的な情報に翻弄されて心が疲弊しがちな今、「ウェルビーイング」が注目されています。ウェルビーイングは 心が満たされている状態を表す言葉で、 「効率性」や「経済性」ではない新たな価値基準として重視されつつあります。

IBMのWebメディアMugendai(無限大)では、テクノロジーと人間の関係性を研究してきた早稲田大学准教授ドミニク・チェン氏が、SNSの問題やウェルビーイングについて語っています。

問題なのはテクノロジーそのものではなく、使い方

ウェルビーイングは2010年頃からテクノロジーと関連付けて語られることが増えてきました。しかし、そのテクノロジーがスマートフォン中毒やメディアリテラシーの欠如状態などを生み出してしまっているのも事実。

これについてドミニクさんは、テクノロジーそのものが悪いわけではないとし、大事なのは使い方だと話しています。

例えば包丁は美味しい料理を作るための素晴らしい道具になりますが、人を害する凶器にもなり得ます。テクノロジーを人が間違って使ってしまっているということが一番の問題なのです。使い方や作り方の新しいスタンダードを業界全体で議論することが大切で、そうすることでテクノロジーがもたらす新しい社会が見えてくるのではないでしょうか。

withコロナ時代のSNSとの付き合い方

ウェルビーイングを考えたいこの時代、追い打ちをかけるようにCOVID-19が世界を覆い尽くしました。2020年はある意味でリモートによる繋がり、非対面コミュニケーションが本格的に始まった時代ともいえるでしょう。

非対面でのコミュニケーションが最も盛んな場所といえば、やはりSNS。人々のリアルな声が反映される一方で、コミュニケーションの意識や意見の違いによる衝突が頻繁に発生しています。

そこにはSNSの構造、いってしまえばプラットフォームによって引き起こされる問題があるとドミニクさんは指摘します。

これは「アテンションエコノミー」とか「監視資本主義」というキーワードで語られていることですが、瞬間的にユーザーのエンゲージメントを上げていくというWebサービスの設計手法がもたらした結果だと思っています。いかに収益性をあげるかということばかりに焦点を当て過ぎ、ウェルビーイングをどうやってテクノロジーに取り入れるかという発想が入っていないことがおかしいのです。

対面でのコミュニケーションでは、お互いに身体がありその場で考えながら話しているという共通点や、「残酷なことをいうと自分にも返ってくる」という警戒心がコミュニケーションの前提になっています。SNSではその前提が希薄となるため、攻撃的な発言をしても良心が傷まないとドミニクさんは述べています。確かに、ネットあるあるですね…。

これからのウェルビーイングを考えたときに大事なもの

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Photo: 木奥恵三/MUGENDAI(無限大)

とはいえ、これらの問題を解決するためにSNSやテクノロジーをなくせば良いというのはあまりにも短絡的。これからのウェルビーイングを考えた時に、ドミニクさん自身は人間以外の存在をテクノロジーと関連付けることに関心が高まっているとのこと。

その思いから開発されたのが「NukaBot」という、話しかけることでぬか床の情報をセンシングして音声で教えてくれるプロダクトだそうな。どうしてウェルビーイングでぬか床…!?

ぬか床には何百兆個という微生物が住んでいて、彼らの環境を手入れしてあげるとその代わりにおいしいぬか漬けを作ってくれます。人間と微生物がお互いにケアをし合える関係性をテクノロジーによっていかに持続的なものにできるか、最近は、微生物にどうやったら愛着が持てるかをずっと考えています(笑)。

(中略)

テクノロジーで数値化したり可視化したりすることが目的ではなく、対象となる存在と接する人間の中の「センス・オブ・ワンダー」――驚きの心や好奇心を喚起して、多くの人が対象に注意を払うようになれば面白いですよね。 哺乳類や海洋生物など、人間がもっと人間以外の存在にケアの眼差を向けられるようになる世の中を見てみたいのです。

ふむむ、なんとなくわかるような。数値化の先に僕らがどう感じるか、キモとなるのはその部分な気がしますね。ぬか床をセンシングすることで微生物の存在を可視化=認知し、「あぁ、今日も微生物たちが頑張ってるんだな」と愛着を感じる、みたいな。確かに心が充実しそうだ…!

ドミニクさんが語るSNSやテクノロジーへの鋭い視点や、ウェルビーイングの未来などなど。さらに面白いお話の続きはMugendai(無限大)をご覧ください。

Source: Mugendai(無限大)

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