Fossil「ジェネレーション5E」レビュー:次の世代まで待ったほうがよいかも

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Fossil「ジェネレーション5E」レビュー:次の世代まで待ったほうがよいかも
Photo: Victoria Song/Gizmodo

Wear OS搭載スマートウォッチは、競合他社に比べてどうにも遅れがちという印象をぬぐえません。Fossilの新作「ジェネレーション5E」も同じ印象を辿ってしまったのでしょうか…Victoria Song記者による辛口レビューです。


Fossil「ジェネレーション5E」は、スタートからしくじる運命にありました。そもそも2020年はスマートウォッチにとっては本当に目覚ましい1年で、FitbitはFitbit Senseと洗練させたVersa 3とで攻めて、Apple(アップル)も watchOS 7Series 6、そしてもっと求めやすいApple Watch SEで大成功を収め続けました。Samsung(サムスン)のGalaxy Watch 3も忘れちゃいけません。Apple Watchと肩を並べられるような機能満載のAndroidスマートウォッチです。

FossilはWear OSのリトマス試験紙

FitbitやApple、Samsungとは異なり、Google(グーグル)はWear OSスマートウォッチをまだ生産していません。Wear OSはサードパーティーの領域で、その中でもFossil(フォッシル)は群を抜いてラインナップが豊富です。Wear OSのスマートウォッチを買うつもりなら、同社製か数多ある傘下のデザイナーブランド製である可能性が高いでしょう。つまりFossilのフラッグシップモデルは、Wear OSの現在地を知るためのリトマス紙になるということ。ですから今年のフラッグシップ「ジェネレーション5E」が去年のジェネレーション5をほんの少し小型化・低価格化したモデルだというのは、全く期待を持てそうになかったのです。

Fossil「ジェネレーション5E」


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Photo: Victoria Song/Gizmodo

これは何?:ジェネレーション5を小さくお手頃価格にしたバージョン 。

価格:250ドル (約2万5800円)。

好きなところ:小さくてかわいい。バッテリーモード間の自動切り替えは重宝しました。Wear OSのアップデートは快適。

好きじゃないところ:コネクテッドGPSが乏しかった。常時オンのディスプレイはバッテリーをかなり消耗する。古いチップで動いているので、すぐに時代遅れなモデルになる。

デザインは魅力的だが…

勘違いしないでください。細い手首を持つ身として小さなスマートウォッチには大賛成で、42mmのジェネレーション5Eは魅力的です。私がレビューした機器はブラッシュの42mmでケースはゴールド(私の好みではありませんが)、パヴェベゼル、ジェネレーション5のミニ版といった感じでステキなデザインでした。

私の主な不満は内部のハードウェア構成にあります。Qualcommは今年、Snapdragon Wear 4100プラットフォームを発表しましたが、秋のスマートウォッチ生産サイクルには間に合いませんでした。つまりジェネレーション5Eにはジェネレーション5と同じ3100チップと1GBのRAMが搭載されているということ。ただし、本体を小型化するためにジェネレーション5Eのストレージは前モデルの半分で4GB、GPSは内蔵ではなくなり、高度計もありません。それ以外の点は先代モデルとほぼ同じでGoogle Pay、内蔵スピーカーとマイクを搭載し、3気圧耐水性です。このような機能の絞り込みはコストをだいぶ節約できるのなら全然問題ないのですが、残念ながらそうではなかったのです。

Fossilのジェネレーション5Eは小売価格だと250ドル(約2万8500円)で先代モデルの295ドル(約3万300円)からは45ドル(約4,600円)しか値下げしていません。Fitbit Versa 3はFitbit Senseよりも100ドル(約1万300円)も安くなっているのにですよ。Apple Watch SEはSeries 6より120ドル(約1万2400円)、SamsungのGalaxy Watch Active2もGalaxy Watch 3より120ドル安い価格になっています。

この45ドルの差がどうしてこんなにも気になるのか、長いこと考え込んでしまいました。搭載されている機能からしてジェネレーション5Eの価格設定は妥当なので、要するに先代モデルとそんなに違わないということになるんです。他のブランドだと高価なフラッグシップモデルとお手頃なモデルとの間には明確な差があります。機能や用途、デザインに基づいて、どんな人がどっちの価格レベルを選ぶべきかおすすめしやすい。この場合だと、私が言えるのはせいぜい「ねえ、華奢な手首を持つみんな!たまたまピッタリな骨格なんだから45ドル節約しちゃう?」といったところ。

使い心地は快適そのもの

このウォッチを嫌っているように聞こえるかもしれませんが、本当に違うんです。ジェネレーション5Eは、かなりよいスマートウォッチです。実際、Wear OSアプデによる新機能の追加でジェネレーション5Eの使い心地は快適になりました。でもそれは同モデルに限ったことではありません。Wear OSスマートウォッチなら、どれもアプデの対象ですからね。なので、他のWear OSウォッチを差し置いてジェネレーション5Eを選ぶ理由にはならないのです。

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SpO2センサーはありません
Photo: Victoria Song/Gizmodo

これまでWear OSでは明らかに欠落していたネイティブの睡眠トラッキングが追加されたのはありがたいことです。GoogleがGoogle Fitアプリを改良して、実際に役立つものになったのも大いに安心しました。

去年、Fossilはプリロードのアプリに、心拍数にフォーカスしたCARDIOGRAMアプリなど切望されていたいくつかの機能を加えています。もし有酸素運動の記録をつけたいなら、無料版CARDIOGRAMはかなり包括的なアプリになっていますよ。新ウェルネスアプリとウィジェットも使いやすくアクセスしやすかったのですが、私には少し簡素過ぎました。たとえば、ウィジェットからだと詳細不明の屋外の運動か屋内のアクティビティしか選べず、どちらの場合もランニングのメトリクスに設定されているようでした。そのため、強度トレーニングのセッションを記録しようとしたときには困惑してしまいました。

バッテリーの持ちはどうだった?

一番有用だったアップデートは、ジェネレーション5Eの微々たるバッテリー寿命を延ばすため異なるバッテリーモードへと切り替わる機能でした。Fossilいわくバッテリーは数日持つということですが、それは大げさすぎる表現だなと感じました。普通に使ってみて持ちは1日半、ディスプレイを常時オンにするとひどいもので18時間ほどに減少。とはいえ、ウォッチを着けて寝たところ、心拍数のデータと通知はオンのままバッテリー寿命を延ばしてくれる拡張モードに夜中のうちに切り替わってくれます。朝になって充電したときには自動的に通常モードに戻っていました。Fossilのウォッチには数年前から搭載されている急速充電機能も、理想よりは短いバッテリー寿命を少しはマシに思わせてくれます。

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Photo: Victoria Song/Gizmodo

このバッテリー問題は、ジェネレーション5Eがチャンスを無駄にしてしまったように感じられることの一例に過ぎません。Snapdragon Wear 4100プラットフォームは改善されたバッテリー寿命を約束しているので、4100チップが搭載されたスマウォなら複数のバッテリーモードはさらに効力を発揮するでしょう。でも、ジェネレーション5Eは今や時代遅れの3100チップで駆動していて、引き延ばせる量にも限度があります(MobvoiのTicWatch Pro 3は現在市場に出ている唯一4100チップ搭載Wear OSウォッチになります)。一応言っておくと、これはFossilのせいではありません。どちらかといえば、Snapdragon Wear SoCのアップデートを先延ばしにしがちなQualcommのせいかと(Wear OSの失敗の多くはQualcommに帰着するという主張はコチラ)。

GPS非搭載を痛感

フィットネストラッキングはというと、ジェネレーション5Eでは複雑な経験をしました。これまでFossilウォッチで高精度なGPSを見た試しがないのですが、やはり内蔵GPSの欠如を痛感することに。ランニングのうち3回は、アプリのボタンを押したところで走っている最中や終了後にウォッチとスマホとの通信が途切れていたと知りました。そのため何も記録されなかったりログデータが消えてしまったり…。2回は、ちゃんと接続されていたようでもそれぞれ0.02マイルと0.3マイルしか記録されていませんでした。私のルートの正確な地図を生成し、ワークアウト時間を正確に記録し、心拍数を残していたにもかかわらずです。思いどおりに機能した1回は、まあまあな結果に。このウォッチでは4.01マイル、スマホでは4.17マイル、 Apple Watch SEでは3.68マイルを記録していました。6回のランニングのうち、正確なGPSトラッキングだったと感じられたのは1回だけだったのです。

心拍数測定と睡眠トラッキングはそこそこよかった

GPSの結果は散々でしたが、心拍数の測定値と平均はPolar H10とApple Watch SEと比肩していました。もし十分な有酸素運動を毎週きちんとこなすことが主なゴールなら、ジェネレーション5Eは有能なデバイスになります。睡眠トラッキングについても同じことが言えます。詳細なインサイトは得られませんが、精度の面ではOura Ringの結果と一致していました。眠りの深さごとの時間や目覚めていた周期、平均睡眠時間などの基本的な睡眠のメトリクスは得られます。

GPSの精度を除けば、ジェネレーション5Eの不満点はひとつ。このウォッチを使ってみた2週間はほとんど、画面スワイプの問題とは無縁でした。プログラムのロードがわずかに遅いときもありましたが、かつてのWear OSのひどさには及びません。しかし、ある日ウォッチを充電した後、ビビるような出来事がありました。全く触ってないのにスワイプし出したのです。この怪現象は5分間ほど続いて、デバイスを再起動したら直りました。それ以降起きていないので、考え過ぎないようにしています。そうは言ったものの、3100チップが次世代の4100チップ搭載スマウォを対象としたWear OSの最新アプデに手こずっているのかなと思いました。

定価で購入するのはオススメできない

混乱するようなフィットネストラッキングの結果と奇妙な不具合はあったものの、Fossilのジェネレーション5Eはそんなにひどいスマートウォッチではありません。ただ大当たりするように仕立てられてなかっただけ。素晴らしい新作スマウォがあまりにも豊富だった年に、時代遅れのチップを搭載して、少し前のWear OSスマートウォッチからのアップグレードを望む人向けに魅力的な機能を何一つ足さずに発売されたのです。

少なくとも3100チップ搭載の最初のモデルのひとつであるFossil Sportが2018年に登場したときは、2100チップ搭載の前モデルとは違いがはっきりしていました。ジェネレーション5Eは、Fossilが4100チップを搭載したスマートウォッチを生産できるまでの一時しのぎ的なスマートウォッチのように思えます。Androidユーザーだって、あらゆる機能が搭載されたスマートウォッチに恵まれてしかるべき(SamsungのGalaxy Watch 3はかなり近いですが、一番よい機能はSamsungスマホユーザー限定です)。残念ながらジェネレーション5Eはうまくいかないでしょう。

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Photo: Victoria Song/Gizmodo

そういうわけで、ジェネレーション5Eを小売価格ですすめる気にはなれません。4100チップ搭載のFossilスマートウォッチの到来を待つほうがよさそう。とはいえ、セールで例えば200ドル以下になっているのを見つけられたらスマートウォッチを気に入るかどうかという人(フィットネス好きでなければ)にとってはなかなかよいエントリーモデルになります。この極端に具体的なシナリオを除けば、私からのアドバイスは「辛抱強く待とう」に尽きます。

まとめ

  • Fossil「ジェネレーション5」スマウォの小さめ、お手頃価格版 。
  • 節約できた金額はたった45ドル。 内蔵GPSを失い、ストレージは半分、高度計もない 。
  • Wear OSのアップデートは快適 。
  • 古いチップで動いていて、フィットネストラッカーは FossilがSnapdragon 4100搭載のフラッグシップモデルをリリースするまでの一時しのぎみたい。

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