なお実験の翌日、Apple(アップル)以外の某モデルを手に入れてしまいました。
1月後半より巻き起こったClubhouseブーム。いつアプリを開いても同じ人の名前が表示され「この人いつ寝てるんだろ」と感じたり、ルームによっては高々としたイビキが聴こえることも増え、そろそろClubhouse疲れという言葉が流行りそうな気がしなくはないですが。
Clubhouseでいい声を発したいと思う気持ち、ないですか。
ワイヤレスより有線が吉。クラブハウスのためのマイクつき有線イヤホンを集めてみたでアンサーしてしまった気もするのですが、有線だとひっかかったりタッチノイズが入るといったデメリットもありますし、いい声お届けできるワイヤレスイヤホンが欲しいという気持ちもあります。
そこで10人のギズモードエディター、ライターがClubhouseで集まり、それぞれ自分のワイヤレスイヤホンなどを持ち寄って喋って聞き心地を公開チェッキング。参考までにワイヤレスヘッドホン、有線イヤホンでもチェックしました。
採点は5点評価で、基準となるiPhone内蔵マイクが4点という設定です。さあ。どのモデルのマイクならClubhouse上で美声となるでしょうか。
完全ワイヤレスイヤホン・Anker Soundcore Liberty Air 2(2点)
「マイクの集音力というか、解像感が低い」
「ノイズキャンセリングが下の周波数帯をまるごとカットしているようで、声が割れている」
ノイズキャンセリングマイクを搭載した完全ワイヤレスオンライン。なのですが、これがどうもClubhouseとの相性が悪くて泣けます。
なお同機は計4つのマイクを使っています。うどんスタイルのさきっちょにマイクを仕込んでいるでしょうし、顔表面の回析を受けにくいはず。なのにこの事態。Clubhouseでは使いたくないな…。
完全ワイヤレスイヤホン・Anker Soundcore Liberty Air 2 Pro(3点)
「上の帯域の方の荒れてる感じはノープロと変わんない。下の方の周波数帯はクリアに聞こえてる」
マイクだけではなくスピーカー側にもノイキャンをつけたProモデル。フル装備なのに1万円ちょいのプライスということもあり、売れています。めちゃ売れています。
しかし、マイクは残念気味。いやいや、普通に話すぶんにはシャープめの声で聞き取りやすいのですが、Clubhouseはもともと帯域が狭くて、低域も高域もバッツリ切れているんですよ。この仕様とマッチしていません。
ワイヤレスヘッドホン・Jabra Move Style Edition(3点)
「iPhone内蔵マイクのほうが良かったですか? 自分で声を聞くときは、このヘッドホンの方が良いと感じるのですが」
「iPhone内蔵スピーカー、イヤホンなど、聞く側の環境に左右されるね」
コンパクトなオンイヤーワイヤレスヘッドホン。ヘッドバンドのクリアランスが狭く、小顔の方におすすめしたいモデルです。ただし眼鏡との相性はあんましよくない。
票が分かれました。イヤホン、外部スピーカー接続派からは好評なものの、iPhone内蔵マイクで聴く声はザラつき強し。シャープネスのフェーダーをフルに上げたかのような高域のジリジリさがあり、最終的に低得点となりました。アーメン。
完全ワイヤレスイヤホン AVIOT TE-BD21J-PNK(2点)
「声が遠い」
「声が遠い」
「声がめちゃ遠い」
「凛として時雨」のドラマー、ピエール中野さん監修の完全ワイヤレスイヤホン。バランスド・アーマチュアドライバー×2、ダイナミックドライバー×1という豪勢な仕様で、リスニングにいい。特にボーカル曲がめっちゃいい。
でも、マイククオリティは残念。「声が遠い」の合唱をみるに、マイクホールが外側に向いており、前側に向いているイヤホンとの音量差が如実に現れてしまったようです。iPhone内蔵マイクや、ビームフォーミングマイク搭載イヤホンと違って、オートボリュームが効いていないというのも原因っぽい
ワイヤレスイヤホン nura NuraLoop(3点)
「だいぶ聞こえやすいですけど」
「ちょっとこもって聞こえた」
「決していいとは言えない」
「僕、結構聞き取りやすくて」
「なんでそんなに印象違うの(笑)」
装着した人の聴力・外耳道反響状態を測定し、ベストなサウンドに調整してくれる次世代イヤホンの先駆け。左右の聴力差も解消してくれるので、初めて体験するとびっくりします。サウンドステージのクリアさに。
「1点」「3点」「4点でもいい」と、これまた評価が分かれる分かれる。後日ジャーナリスト・小寺さんとチェックしたときはAMラジオ的圧縮感があるということがわかり、聞いている人によって印象が大きく変わることがわかりました。
ワイヤレス骨伝導ヘッドセット AfterShokz OPENCOMM(4点)
「内蔵マイクと比べて、AfterShokzの方が角が取れてる。まろやかな声」
「ディティールが失われていない」
骨伝導デバイスにマイクアームを合わせ、ピンマイクのように口元にマイクを寄せられるのがポイント。下馬評ではNo.1ではないか、という声が出ていました。
マイクと口の距離は圧倒的正義であることがわかる結果。しかも骨伝導デバイスはカナル型のように耳穴拡張感に悩まされることがないため、聴き続けるということに適しているんですよね。
完全ワイヤレスイヤホン HUAWEI FreeBuds Pro(5点)
「驚きですね。Free Buds 欲しくなりました」
「スマホの環境でどういい物を作るかっていうのを、めちゃくちゃ考えてるんでしょうね」
ファーウェイ版AirPods Pro。メーカーのことを考えるとAndroid端末に特化したモデルかと思えてきますが、iPhone、iPadでも問題ありません。
マイクの開口部が広く、声成分をいっぱい受け取ってくれそうな外観に期待していましたが、予想を超えた結果に一同拍手です。外音取り込み機能のクオリティとも関係あるのかもしれません。
ワイヤレスヘッドホン アップル AirPods Max(6点)
「Max最強ですね」
「きれいに声だけ切り抜いて、そのまま流してくれた感じしますね」
「音質特性的にはiPhone内蔵マイクと似た傾向だなって感じがした」
アップルが送り出してきた高級ヘッドホン。iPad Airと似た価格で、コイツを手に入れるのは勇気と覚悟が必要です。でもラウンジトーンがお好きならマジで買い。マイクもめっちゃいいんだから。
5点評価といってるだろ! でもK点超えだから仕方ありませんということで6点。ワイヤレスなのにノイズレスで聞き取りやすく、あなたのイケボを健やかに発信できるSSR武装となるでしょう。
完全ワイヤレスイヤホン アップル AirPods Pro(4点)
「なんかね、iPhone本体とAirPods Proの差があんまりなかった。聞き分けづらい」
「でもワイヤレスってことを考えると、トータルではいいよね」
あなたもわたしもAirPods Pro。みんな大好きAirPods Pro。もう説明はいらないでしょう。世界中のiPhoneユーザーに受け入れられている、現世代のリファレンス(基準)イヤホンです。
iPhone内蔵マイクとの音質差をなくすようにAirPods Proを作っているというのは想像つきます。そのうえで、iPhone専用アプリとしてはじまったClubhouseは、iPhone内蔵マイクと共に、いま一番売れているAirPods Proとの相性をNo.1とするべく音質チューニングしたのではと考えられますね。
有線イヤホン アップル EarPods with Lightning Connector(6点)
「クリアな音だしちゃんと空間を感じれますよね」
「なんだかんだで、Apple純正品で固めるのが良いよねっていう話になっちゃう?」
iPhone 7~iPhone 11世代まで本体に付属されていたLightning接続のEarPods。通話用プロファイルで劣化してしまうBluetoothと違って、有線です。
その効果は絶大でした。なんといっても音がなめらか。ちょっと大きな声をだしたとしても、破綻なし音割れなし。iPhone側の自動補正機能もフルに働いているのでしょう。
完全ワイヤレスイヤホン JBL CLUB PRO+ TWS(4点)

「第一印象として内蔵マイクとタメ張ってるなっていう印象でした」
「多分好みにもよると思うんですけれど、低域の量感が少なめでやや軽い印象はあります」
JBL初のノイズキャンセリング完全ワイヤレスイヤホン。リズミカルな音楽を聴くのにグーなパワフル低域ホン。こいつ、ノリノリです。
肝心のマイクですが、あら! 声がシャープで聴き取りやすい。滑舌がよくなったかのよう。小型の完全ワイヤレスイヤホンでも声をしっかりと捉えるビームフォーミングマイクが働いていることがわかります。
完全ワイヤレスイヤホン Jabra Elite Active 65t(4点)
「Amazonで度々安くなっているアレ」
「全然いい!」
「部屋の反響音も捉えているので、もしかしたら、楽器を鳴らしたら気持ちいい音が入るかもしれない」
2018年式ですが、当時の電波安定性は最高レベル。モーションセンサーも内蔵し、ワークアウト中の動きも計測できるヒアラブルデバイスです。
4つのマイクを使ったビームフォーミングの精度はいまなおトップクラス。やや高域成分が控えめで、音のエネルギーがボトム寄り。太めの声にしたいと思う男性向きですね。
完全ワイヤレスイヤホン ソニー WF-1000XM3(3点)
「ソニーとAppleの考え方の差が一瞬でわかる。ソニーのほうが、マイクもモニター的な感じがするんだよね」
「勝手なイメージですけれど、マイクは広帯域なんですけどClubhouseの帯域がせまいからしぼんでる感じ」
ノイズキャンセリング軸で勝負を決めるなら、完全ワイヤレスイヤホン枠でトップを争う戦力となるWF-1000XM3。スマートですっきりしたサウンドも魅力の機種です。
マイククオリティはみな悩みました。しかし「これならiPhone内蔵マイクでいい」という声が多く、3に。響きが少なく発音は聴き取りやすいけど、高域がノイジーでした。
完全ワイヤレスイヤホン Google Pixel Buds(3点)

「良い感じ、僕は」
「個人的には軽すぎる感じがする」
Android端末を連携しリアルタイム音声翻訳を可能とした、これまたネクストトレンドの機能をもったイヤホン。大きく見えますが耳介も使ってフィットさせるため、万人向けの装着感がグーです。
声質は悪くはない。でもiPhone内蔵マイクを超えるものではない。ということでこの点数。なお「軽すぎる」の意見ですが、高域寄りの声にしたい方にとってはメリットがあるものだと判断してください。
完全ワイヤレスはHUAWEI FreeBuds Proの勝利
Bluetoothプロファイルで圧縮され、さらにClubhouse側で全員の声をMIXして再圧縮。音質というものを見極めるにはかなり厳しい状況ゆえ、そうそう差は出ないんじゃないかと思えたのですが。
いやいや。テストって大事ですね。めっちゃ差が出た。
参考までに後日、個人的に行なったテストでは、1点と思えるイヤホンもでてきました。これ、誰が喋っているか声で判別できないでしょというくらい、ぶっ潰れトーンのイヤホンがあったのです。
んでんで。結論としては
・有線最高
・AirPods Max最高
・ビームフォーミングマイク搭載機もアリ
の3ホン。そして完全ワイヤレス枠のなかでは、HUAWEI FreeBuds ProがNo.1となりましたおめでとうございます。
声でコミュニケーションを取るSNSゆえ、声質向上を目指したいのであれば、このキーワードにフィットするイヤホン・ヘッドホンを選んでくださいね。