遺灰をダイヤモンドジュエリーに。弔いの新しい選択肢

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  • author 福田ミホ
遺灰をダイヤモンドジュエリーに。弔いの新しい選択肢
Image: LONITÉ

大事な人とずっと一緒にいる方法として。

少し前までの日本では、人が亡くなったときは火葬して、お墓に納骨して…という一連の流れが一般的でしたが、今は散骨や樹木葬などのいろいろな埋葬スタイルが選ばれつつあります。お骨を手放さずに持っておく、「手元供養」という形を取る人も増えているようです。

そんなオルタナティブな喪の形として、遺骨や遺灰をダイヤモンドにする方法があります。その方法を提供する企業のひとつ、スイスの「LONITÉ(ロニテ)」が日本に進出してるのを発見しました。

LONITÉは遺骨や遺灰、遺髪から抽出した炭素を元に合成ダイヤモンドを作り出し、指輪やネックレスといったジュエリーにする技術を持っています。合成といってもダイヤモンドであることには変わりなく、天然ダイヤモンドの形成と同じ高温高圧の環境で数カ月かけて作られ、光の屈折率も天然のものとまったく同じだそうです。合成ダイヤモンドって私も持ってるんですが、ほんとに違いが全然わからないです。LONITÉでは、希望すればGIAやIGIという専門機関の鑑定書を付けてもらえるとのこと。

遺灰・遺骨をジュエリーにできれば、亡くなった人の一部と文字通りいつでも一緒にいられます。人間に限らず、ペットの遺骨や遺灰でも可能です。また原料は生きている人や動物の髪の毛・体毛でもいいので、たとえば赤ちゃんの誕生記念とか、遠距離の恋人を近くに感じるためにとか、そんな目的で使う人もいるでしょうね。

ただし原料はそこそこの量が必要で、遺灰なら200g、遺骨なら300g、遺髪なら10gを所定の方法で送ることになってます。でも量が少なくても相談に乗ってくれるとのこと。LONITÉはサポートも日本語でしてもらえるので、センシティブな遺骨を扱うだけに心強いです。

こういう特殊なジュエリーってデザインが限られてそうなイメージがありますが、LONITÉではダイヤモンドの色や形、ジュエリーのデザインの選択肢も豊富で、オーダーメイドも可能です。ちなみに石の色は、何も手を加えない場合は黄みがかった「ナチュラリーアンバー」という色ですが、結晶化の過程で調整することで無色やブルー、グリーンなど計5色を出すことができるそうです。ダイヤモンドの作成には、小さめ(0.25〜0.5カラット)のもので6〜9カ月、大きめ(0.6〜2カラットのもので12〜18カ月くらいかかり、指輪などジュエリーにするにはさらに1〜2カ月必要です。

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Image: LONITÉ


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Image: LONITÉ

気になるお値段は0.25カラットで28万5000円からと、ハイクオリティな天然ダイヤモンドが0.3カラットで870ドル(約9万円強)程度なのと比べても(遺灰・遺骨から作るのがポイントなので当然なんですが)まあまあ高価です。でもお墓ポータルサイト「いいお墓」によれば、お墓の購入には100〜200万円くらいかかるので、通常のお墓の代替またはモバイル版と考えれば、それよりはだいぶお求めやすくなってます。価格のバランス的には、オルタナティブじゃなくアドオンにもできそうな範囲です。

故人の体の一部を石にするって、斬新に感じられるかもしれません。でも同様の海外サービスの利用者は25%が日本人だったそうで、前々から使う人は使っているんですね。また欧米にもMourning Jewelry(哀悼のジュエリー)というのが古くからあって、故人の遺髪をきれいにはめ込んだ指輪をアンティークショップなどでときどき見かけます。

大事な人といつまでも一緒にいたいって気持ちは、昔々からずっと変わりません。故人を偲ぶよすがは、必ずしもその人の体の一部じゃなくたっていいはずだけど、やはり実体には不思議な力があります。それをダイヤモンドっていうキラキラした形にできるのは、ますますプライスレスな感じがします。

Source: LONITÉ

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