ねぇInstagramさん、TikTokの真似してどこに向かうの?

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  • author Victoria Song - Gizmodo US
  • [原文]
  • Rina Fukazu
ねぇInstagramさん、TikTokの真似してどこに向かうの?

「TikTok 2.0にはならないで!」

リール機能が登場し、ショッピング機能の拡充にも注力し、インターフェースの再編成を遂げたInstagram。先日には新しいストーリーズの機能を開発中か…という話題も出てきましたが、一連の流れを踏まえて米GizmodoライターのVictoria Songが「他のプラットフォームみたいにならなくても良いのでは? 」とオピニオンを共有しています。


たまにInstagramのリールで見つけたものを、親友とDMでシェアし合っています。かわいいわんこに、目新しいスキンケア方法、笑える動画などなど…。ただ決定的に残念なのは、どれも既視感があること。そう、TikTokで…。

とはいえ「それ、もう見たよ」と何十回も言ってしまえば、さすがに向こうもシェアしたくなくなってしまうはず。むしろ彼女の脳内がまだネット漬けになっていないのは良いな、とも思っています。それに、これって結局ユーザー側ではなく、TikTokになろうと頑張りすぎているInstagramの問題なのではないかと思うところもあります。

Instagramは現在、最新(かつ最悪な)機能として「Vertical Instagram Stories」を開発中と噂されています。これは従来のようにタップするのではなく、TikTokのように上下にスワイプすることで操作するというもの。Alessandro Paluzzi氏が発見したことをツイートし、その後Instagramは「初期のプロトタイプ」であるとTechCrunchの取材に回答しました。現時点で一般向けにリリースする可能性については明らかになっていません。

結局のところ、InstagramはストーリーズをSnapchatから、そしてリールをTikTokから借りてきたような状態(リールに関しては、Instagramは検索画面トップにして一生懸命普及を目指しているようですが、スクロールして見ないふりしているユーザーは私だけではないのでは…?)。パンデミック中にTikTokが爆発的に成長したことを背景に、何かしようと焦っている様子が伝わってきます。

ただ、InstagramにはInstagramの魅力があって、写真を投稿したり、ファッションや便利アイテムの製品を閲覧したり、眼福な写真を見つけたり、友達とおしゃべりしたり、有名人のゴシップを検索したりする、という人もいるかもしれません。もちろん、フィードは時に厳選されまくっている印象もありますが、ストーリーズがあるのはそのためだなと同時に納得できます。メインのフィードをごちゃごちゃにすることなく、気軽にフレッシュな動画や写真をアップロードしたり、恥ずかしくなっても24時間後には消えるからと自分を納得させることができたりします。

そうしたInstagramならではの"強み"があるのだから、無理してTikTokの真似をする必要はないはずです。ソーシャルメディアをどう使い分けるかは人によるとは思いますが、たとえば私はドッと疲れて何もできないときに、よく1分以内で完了するTikTok動画を見たりします。疲れた脳に与えるジャンクフードみたいに、そこには楽しくて中毒性のある動画があると思っています。

とはいえ、TikTokもプラットフォームとして完璧なわけではありません。「続きはInstagramで」とフォロワーを誘導しているのを見かけることもあります。料理、フィットネス、スキンケア、その他あらゆるタイプのインフルエンサーが、個人プロフィールに必ずと言っていいほどInstagramへのリンクページを貼っていたり、フォロワーへのプレゼント企画で告知はTikTok、詳細はInstagramへというパターンもあったりします。

なぜか? たしかに1分以内に動画をおさめるのは難しいはず。でも、それだけではありません。Instagramの方がコミュニティを構築するのが簡単だからかもしれません。投稿するときにより多くの情報を載せることができるので、例えば料理系のコンテンツならレシピ情報をInstagramに載せたり、コツを詳しく説明したりしやすくなっています。また、InstagramやYouTubeのコンテンツを一部見せるという形でTikTokを使っている人もいます。TikTokのコアとなっているのは、食欲をそそり、他の場所に送ることだといえるかもしれません。

もしも、InstagramがTikTok 2.0になったらどうすれば良いのでしょう。TikTok風のもうひとつの機能であるリールに関しては、半分がTikTokのリサイクル場になっていて、もう半分はInstagramの長所とはかけ離れたものになっているため楽しみづらいことが多いです。IGTVだって、内容の濃い動画を探す場所ではない(それはYouTubeの役割)と認識しているユーザーからしたら多少の違和感があります。

昨年11月、Instagramはインターフェースを再編成し、ホーム画面からリールショッピング機能にアクセスしやすくしました。これによりリールは投稿作成のショートカットを置き換え、ショップはアクティビティタブを置き換えることに。これまでアプリの使い方に慣れていたユーザーからしたら、これは完全に困惑する再編成だったといえるでしょう。

もっとリールを使ってもらおうという意図が、Instagramの既存ユーザーが楽しんでいた場にアクセスしづらくするという裏目の行動になっていたことからも、同社の必死さが滲み出ています。TikTokの成功に遅れを取らないようと懸命になりすぎて、自社プラットフォームの良さを見失っているのかもしれません。

InstagramからTikTokに群がる人が増えているのは、少なくともTikTokがその強みを発揮しているから。もはや、私たちが仲間に「自分らしくいようね!」と声をかけるように、Instagramもこの言葉を今必要としているのかも...とすら思ってしまいます。

ワイルドなアイデアかもしれませんが、InstagramとTikTok、このふたつのプラットフォームは実際に共存でき、一方の人気が他方の人気を妨げることはないのでは? ソーシャルメディアプラットフォームは、一つの大きなメガアプリになるべきと考える傾向があるみたいですが、それはもうFacebookがやってくれていることですし、Instagramもあえて嫌われ者になろうとしないで、と思っちゃいます。

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