メモリ不足で車が固まる…のね…。
テスラ(Tesla)が過去最大13万5000台のリコールを発表しました。対象となるのは NVIDIA Tegra 3とHynix 8GBを搭載した2012~18年製セダンのモデルS、2015~18年製SUVのモデルXです。自主回収&無償交換は3月開始。
Tesla車はファームウェアの容量が年々増大中です。車はデータの上書きも頻繁。容量8GBぽっちでは容量いっぱいいっぱいになって、思ったより早くクラッシュしてしまうのだとか…。オーナーフォーラムには次のような不具合が報告されていますよ。
・後方カメラが正常に作動しない
・ウィンカーが正常に作動しない
・霜取りができない
・一部機能が使えない(楽曲再生キュー、オートパイロットの運転者センサーなど)
そこで米運輸省道路交通安全局(NHTSA)が安全上問題があると判断。先月15日、158,000台すべてのリコールをTeslaに書面で要請していました。
この問題は割と前から有名なんですが、2019年5月に初めて報じられた当初、Teslaは「製造上の故障ではない」と突っぱねていました。リコールなんかしなくても、ソフトウェアのパッチを配布すれば、室温を22℃に設定したり、解氷・霜取り、後方カメラ、ライトの制御といった部分の問題は片付くというスタンスです。
しかし、NHTSAは「そう主張したところでリコールを行なう責任が消えるわけではない。安全上のリスクがないというTeslaの主張には同意しかねる」と反論。とうとうTeslaは返答期限の1月27日、NHTSA宛ての書簡で“自主リコール”に同意しました。ただし 2018年3月以後に製造された2万3000台は最初から高性能チップ搭載なので、リコールの対象からは除外となります。
車両は回収後、64GBのフラッシュメモリにシステムごと交換されるほか、修理済みの車両については立替分の修理代が返金されます。それやこれや含めたら、リコールには全部で2億~2.5億ドル(約210億~263億円)ほどかかりそうな気配です(Guidehouse InsightsアナリストのSam Abuelsamid氏、WSJからの取材に答えて)。
Teslaは2018年にもモデルSを12万3000台リコールしています(寒いとボルトがさびついてパワーステアリングに支障が生じるおそれがあった)。オートパイロットの件でも政府と衝突していて、国家運輸安全委員会(NTS)に「2018年の死亡事故はオートパイロットのせい」と非難されたりしています。
Sources: WSJ