プログラミングなんて、まだ早い。
2020年度から小学校で必修となったプログラミング教育。それに伴い、プログラミング関連の教室や通信教育が目に付くようになりました。
そんなある日、通信教育のZ会が提供する「Z会プログラミング講座 みらい with ソニー・グローバルエデュケーション」のサンプルがギズモード編集部に届きました。その名の通り、ソニーの教育事業会社であるソニー・グローバルエデュケーションとZ会が共同開発した教材で、ブロック型のロボット・プログラミング学習キット「KOOV®(クーブ)」を使って小学生が楽しくプログラミングの基礎を学べます。

色とりどりのブロックと電子部品、タブレットやパソコンにインストールする専用アプリ、そして紙のテキストがセットになっています。

実に楽しそうな教材ですが、それを前にしたギズモード編集部・綱藤(あみとう)が、何やら難しい顔をしてつぶやいています。
「小学生からプログラミング教育かぁ。これからAIがどんどん発達して、簡単なプログラミングくらいはAIがやってくれる時代が来るでしょ? であれば子どものうちからプログラミング教育をする必要なんてないんじゃないかなぁ」
確かに、AIがこのまま進化していけば、「こんなものが欲しい」と思ったら、その通りのものをAIがプログラミングしてくれる未来もありそうです。ならば、わざわざ今の子どもたちがプログラミングを学ぶ必要性ってあまりないのかも?
そこで綱藤は、「Z会プログラミング講座 みらい with ソニー・グローバルエデュケーション」を開発しているZ会にその疑問をぶつけてみることにしました。
なぜ、小学生からプログラミングを学ぶ必要があるんですか?
身につけてほしいのは論理的な思考力

今回、綱藤の疑問に答えていただくのは、「Z会プログラミング講座 みらい with ソニー・グローバルエデュケーション」の開発に携わっている鶴見健了(つるみたかのり)さんです。オンラインで質問させてもらいました。

綱藤:本日はよろしくお願いします。僕は、将来AIがプログラミングすらやってくれる時代がくるのではないかと思っていまして、そうなるとプログラミング教育って必要ないんじゃないかなって思うんですけど。
鶴見さん:仮にAIが発達してプログラミングまでもしてくれるようになるとしましょう。でも、AIのシステムを作る人は必要ですよね?
綱藤:うっ……! ま、まぁそうですね。でも、そういう仕事に就きたい人だけがプログラミングを学べばいいことで、全員が小学生からプログラミングを学ぶ必要があるの?って思っちゃうんです。実生活で子どもがプログラミングをする場面って、あまりないですよね。
鶴見さん:プログラミング教育は、プログラミングができるようになることだけが目的ではなく、プログラミングを通じて論理的に考える力を身につけることが大きな目的なんですよ。
例えば、乗っている自転車が動かなくなったとき、単に「自転車がおかしい」と思うだけか、「チェーンがおかしいのかな?」「ギアがおかしいのかな?」と論理的に原因を探れるか。私たちは、後者のように「おかしい」の先に進むことができる子どもになってほしい。この論理的に考える力=プログラミング的思考は、大人になったとき、あらゆる分野で役に立つと思います。
綱藤:なるほどぉ……。
プログラミング的思考はどの教科にも必要な要素

綱藤:確かにプログラミング的思考は問題解決能力につながりそうですね。ただ小学生は、国語、算数、理科、社会と、いろんな教科を学ばなくてはなりません。そこに割って入るほどプログラミング教育って重要なのでしょうか?
鶴見さん:これは言葉を学ぶことに似ています。言語能力は主に国語という教科で養いますが、算数、理科、社会でもその能力を使うため、それらの教科を通じても養われています。同じことがプログラミング教育にも言えます。プログラミングを学ぶことで身に付いたプログラミング的思考は、他の教科にも役立つし、他の教科を通じてさらに養われるものだと考えています。
小学生でも楽しくプログラミングが学べる

綱藤:ふむふむ……。しかし小学生にとってプログラミングは結構ハードルが高くないですか?
鶴見さん:そうなんです。Z会でも最初の段階でプログラミングが嫌いになってはいけないと思っているので、まずは興味を引くためにも、小学生でもとっつきやすいKOOV®ブロックを採用しました。プログラミングというと、パソコンの画面の中だけで行われるものというイメージがありますが、KOOV®ブロックは実際にブロックを組み立ててそれを動かせる。これが子どもたちにとって大きなインパクトになって惹きつけることができます。

鶴見さん:ブロックを組み立てるだけでは飽きてしまいますが、プログラムを組んでモーターやセンサーを動かせることが楽しみにつながります。プログラミングには、ブロック型の命令を並べていくビジュアルプログラミング言語を使います。
テキストベースのプログラミングでは、カンマとピリオドを間違っただけでプログラムが動かなかったり、一見動いているように見えても全然違う動作をしていたりということが起こり、非常にストレスになります。
綱藤:あぁ……分かります。
鶴見さん:一方ブロック型のプログラミングの場合は、言語の記述に関しては神経を使う必要がなくなり、単純にやりたいことを並べていくだけで動くので、ロジックを追うことに集中できます。文法ミスやスペルミスなどを気にせず、プログラミングの楽しさやロジックを学べる点ではブロック型の方が優れているので、初学の段階ではこちらがいいと判断しました。

綱藤:いやぁ、僕もちょっとだけテキストベースのプログラミング言語を触ったことがあるんですが、めちゃくちゃ神経使いますし、デバッグが大変なんですよね。その負担が軽減されれば、プログラミングがもっとカジュアルで楽しくなるかもしれませんね……って、すっかり序盤のアンチムードは消えそうになっていますが最後にひとつ! なぜ紙のテキストをセットにしているのですか? プログラミングを学ぶだけならKOOV®だけでもいいと思うのですが。

鶴見さん:「Z会プログラミング講座 みらい with ソニー・グローバルエデュケーション」では、プログラミングだけではなく教科の学習を意識しています。プログラミングそのものは、ある程度練習することで一定以上のスキルを身につけることができます。プログラミングで一番大変な部分は「何を作るか」を考えることなんです。紙のテキストはそこを意識しています。
綱藤:何を作るか……ですか。

鶴見さん:具体的には、子どもたちの身近にあるテーマを取り上げています。例えば「おばあちゃんの家に少しでも早く行きたい」というテーマで出題します。そのテーマにはいろいろな課題があります。まず、おばあちゃんの家がどこにあるのかを理解するために地図の読み方を知らなければならない。自動車で移動するならそのルートを確認しなければならない。自動車だけではなく公共交通機関についても調べなければならない。
どこをどう改善すれば問題が解決できるのか。与えられたテーマを読み解いていく。それを行うためにはプログラミングだけではなく、さまざまな教科の知識が必要になります。それがこの講座の根本的な考え方です。誤解を恐れずに言えば、「頭がよくなる講座」であってほしいと思っています。
プログラミング楽しいっす。自分が子どものころに欲しかった!
プログラミング教育にアンチだった綱藤でしたが、鶴見さんとの会話ですっかりプログラミング的思考の重要性に目覚めた様子。

「やってみるか」とつぶやき、iPadにインストールしたZ会仕様のKOOV®アプリを見ながら「光る信号機」を制作開始。ブロックの組み立て手順を絵で見せてくれるので分かりやすいです。
「ブロックの組み立てやプラモ作りも久しくやってなかったですけど、あっさりできちゃいますね」

組み立て終わったらお次はプログラミング。鶴見さんの言う通り、ビジュアルプログラミング言語はめちゃくちゃ理解しやすい。これなら小学生でも楽に扱えるでしょう。

「うわー! 赤と緑を交互に光らせたかったのに同時に光ってしまったぁ!」
どこかしらプログラムのミスがあったようで誤動作する信号機。しかし綱藤は嬉々としてデバッグに勤しむのでした。
「いやぁ、これ楽しいっす」

綱藤の様子を見ていると、楽しみながらプログラミング的思考が身に付くのは間違いなさそうな「Z会プログラミング講座 みらい with ソニー・グローバルエデュケーション」。同時に教科学習も進められるだなんて……自分が子どものころにこんな教材が欲しかった!
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Photo: 小原啓樹
Source: Z会