この10年で最大規模。北京を襲った黄砂のひどさが分かる写真たち

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この10年で最大規模。北京を襲った黄砂のひどさが分かる写真たち
Photo: Getty Images
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見ているだけで息苦しくなります。

月曜、北京は有害な黄色い霧に覆われました。ゴビ砂漠で発生したこの黄砂によって、モンゴルでは少なくとも6人が亡くなりました。現在は北西風に乗って、内モンゴルから中国の甘粛省、山西省、河北省へと流れています。

黄色にかすんだ北京は良く言えば『ブレードランナー 2049』のワンシーンのようです。が、この10年でもっともひどい砂嵐に見舞われたことで、深刻な大気汚染が発生し視界不良となってしまったのです。北京周辺のまるで異界のような光景と、市民への影響をまとめてみました。

有害な大気

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2021年3月15日の中国、北京。砂嵐に見舞われている中でのビル群の光景
Photo: Getty Images

PM2.5(肺に達して血流にまで入り込む小さな粒子の大気汚染物質)のレベルは市内中のいたる地域で600マイクログラムを越え、24時間平均値は北京時間の正午になる前に200マイクログラムに達したとか。世界保健機関(WHO)は1日の平均濃度が25マイクログラム以上だと懸念があるとしています。

本当に有害

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北京中央ビジネス地区に立ち並ぶビル
Photo: Kevin Frayer (Getty Images)

月曜、北京のリアルタイムでの大気汚染度指標は999を示し、当局は住民に対し屋内に留まるよう勧告しました。

この指標は100を超えると不健康だとみなされ、300は“危機的”だと考えられています。大気汚染が深刻だったのは市内の数カ所だけではなく、港湾都市の天津市など周辺の街や市でも月曜の観測指数は999でした。この危険な大気は665km離れた、また別の沿岸都市である青島市まで達したとか。

欠航便と交通渋滞

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Photo: Kevin Frayer(Getty Images)

飛行のトラブルと言えば、中国のニュースサイト界面新聞によると、現地時間の午前9時30分までに北京空港では400便以上が欠航になったとか。

地上の交通も、黄砂に苦しめられました。自動車は日中にもかかわらずヘッドライトをつけての運転となり、視界の悪い状況でドライバーたちはノロノロと進むしかなく、市内や周辺地域の広い範囲で渋滞の報道がありました。

ひどい状況がさらに悪化

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黄砂が飛来している中でマスクを着けてバイクを運転する人。月曜、中国の首都と北部は砂嵐に見舞われ、PM2.5とPM10の数値のせいで数千のフライトがキャンセルされました
Photo: Getty Images

中国のかねてからひどい大気汚染に今回の砂嵐が加わったので、状況はかなり深刻です。冬の間は石炭を燃やして暖を取っていたため、スモッグのレベルは特に高かったのです。

大気汚染の影響は多方面に及びますが、何1つ良いことはありません。昨年公開されたレポートいわく大気汚染が「人間の健康にとって最大のリスク」であり、寿命を平均して2年縮めるとか。大気汚染は新型コロナでの死亡リスクも高めていて、汚染物質にさらされることで世界を襲った感染症への死亡率は11%も悪化するとのこと。ワクチン接種が進んでいるとしても、北京の状況はとても危険です。

大気汚染への取り組み

中国は9月に、二酸化炭素排出量を2030年までに減少に転じさせ、2060年までにはカーボンニュートラルを目指すと約束しました。石炭利用の急増により、パンデミック以前よりも大気汚染は悪化してしまいましたから、実際の対応を見るまでは懐疑的でいるのも分かります。しかし、もし中国が二酸化炭素排出量の段階的な廃止プランを本当にやり通すなら、大気汚染の減少という大きなメリットもついてくるかもしれません。

それに加えて、中国は進行中の砂漠化(既に4億人に影響)によって起きている砂ぼこりの問題にも対処しようとしています。砂漠化が進んだ要因は、水資源を減らして土壌侵食を増大させた森林伐採と土地利用の変化などいくつかあります。中国はその対応として、広がりつつあるゴビ砂漠を食い止めて今週北京を襲った砂嵐を減少させるために「緑の長城」という植林活動を試みているのです。

Source: CNN, The Guardian, Air Quality Index, YRT News, Jiemian, Business Standard, National Geographic, earth.org,