Adonit Note-Mレビュー:マウスにもなるApple製品対応スタイラス!

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  • author Victoria Song - Gizmodo US
  • [原文]
  • Rina Fukazu
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Adonit Note-Mレビュー:マウスにもなるApple製品対応スタイラス!

「サードパーティにしては、すごい!」。

Apple製品対応のスタイラス「Note-M」は、iPadにしか使えないApple Pencilと違って、iPhoneやMacBook Proでも使用できるといいます。さらにスタイラスだけでなくペン型マウスとしても機能するというので、マウスの形状で手が痛むことがある...という人にもおすすめ!米Gizmodoによる詳しいレビューは、以下からどうぞ。


日頃はテック漬けな私も、メモを取るのはアナログ派を貫いてきました。ノートを取るときは図を書いたり色分けをしたりするのが好き。日本の文房具店ではペンなどの文房具に4万円以上費やしたこともあります。

でも、この癖はデジタルな世界では非効率なことも多くて、特に原稿を書く仕事をしていると、きっとタッチペンやタブレットのノートアプリを使った方が良いんだろうなと思うこともあります。ただ、紙にペンで書いたときのような感覚がタッチペンで再現されるかというとそうではなくて、常にラグがあったり、タッチスクリーンに手のひらが意図せず反応したり、スタイラスは感圧が強すぎたり、十分でなかったり…という印象がありました。

そんなことから、80ドルのAdonit Note-Mに対する最初の期待値は低め。マウスとしても使えるという特徴がなければ、使おうともしなかったかもしれません。

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Photo: Victoria Song/Gizmodo US

Adonit Note-M

これは何?:Bluetoothスタイラス兼マウス

いくら?:80ドル(約8,700円)

好きなところ:デバイス間での切り替えが簡単。優れたパームリジェクション機能。小型なので外出先での作業にもばっちり。

好きじゃないところ:筆圧感知ができない。マウス機能は万人受けするものではない。


見た目は一般的なスタイラスと同様。鉛筆型でカラーは黒、大きさは第2世代のApple Pencilと同じくらいです。主な違いはというと、マウス機能用の光学センサーがある上端が斜めになっているところでしょうか。前面には電源ボタンがあって、その近くに交換可能なチップが搭載されています。

上部にはマウスの絵が描かれたボタンがあり、これを押すことで機能を切り替えることが可能。マウスの左右クリックやスクロールホイールもこのボタンを使います。真ん中にはLEDライトがあり、マウスは青、スタイラスは緑、電池残量が少ないときは赤など、モードによって色が変わるのでわかりやすいです。

当初は、このペンでメモを取ることにはあまり期待していなかったわけですが…Note-Mは良い意味で予想外でした。ラグがなく、パームリジェクション機能があるため画面に手を置いても意図せず反応する問題もなし。同技術を搭載したスタイラスは最近増えてはいますが、100%保証されているわけではありません。

紙ではなくガラスの上で文字を書くことにはまだ少し違和感はあります。ただもっと大きな不満があるとしたら、Note-Mには筆圧感知機能がないことです。ちょっとしたスケッチなら問題ないのですが、より高度なイラストやレタリングをしたい場合には向いていません。

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簡単にカービーを描くことはできるけれど、筆圧感知なしでは高度なデザインには不向き。
Photo: Victoria Song/Gizmodo US

さてNote-Mをマウスとして使おうとするのはすぐに慣れました。鉛筆型の形状なので、フォトショップでの編集作業もしやすかったです。傾斜したエッジをぴったりと画面に合わせる必要はなく、多少浮いていても(5mm以内ほどなら)反応してくれます。

一般的なマウスよりも手首に優しく、自然な手の置き方ができたのも良いなと思いました。いつも使っているワイヤレスマウスが使えなくなったときでも、(電池残量の警告を無視した結果)便利なバックアップとなりました。

Note-Mをメインのマウスとして使うには、充電との戦いとなりそうです。スタイラスとしての使用時間は約10時間ですが、マウスとして使用した場合は5時間と短くなるからです。ただしUSB-C充電器を使えば約1時間で充電完了します。

さらに嬉しかったのは、デバイスの切り替えが簡単だったこと。我が家には夫のApple Pencil 2があってたまに借りているのですが、やはりiPadでしか使えません。一方で、Note-MはiPhone、iPad、MacBook Proでも使用できます。Note-MはApple製品専用ですが、同じAdonit社のものではSurface対応のInk-Mというバージョンもあるので気になる人はチェックしてみてください。

Bluetooth接続はAirPodsほどスムーズな切り替えはできなくて、ボタンをクリックしてモードを切り替える必要があります。Apple Pencil 2よりも軽いのは、好みが分かれるところかもしれません。いずれにせよ、Apple独自の技術を使わないサードパーティ製のデバイスとしては驚くほど良くできていると思います。

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Photo: Victoria Song/Gizmodo US

ペン型ということは(上の画像のように)指にペンを挟みながらタイピングすることもできちゃいます。これにより、iPadでメモを書き、キーボードで入力をして…と、マウスとスタイラスを切り替えるのがグッと楽になりました! ペンを指に絡めてボタンを押すだけでササッとメモを取るのって、ちょっと仕事がんばってる感出ちゃいますよねー。え? いつもそうしているとかっていうわけじゃないんですよ。アイデアを書き出したりスケッチしたりする必要があるときだけです。いやでも真面目な話、アナログの感覚を取り戻せるので、一度このやり方にハマるともう二度と元には戻れないくらい便利です。

さて、パンデミック中のため外出先で使うということはできませんでしたが、ワクチン接種をしてまた旅行ができるようになれば、Note-Mは間違いなくマウスよりも一緒に連れ歩きたくなるアイテムのひとつです(小さいので、気をつけないと紛失するリスクはありますが…)。

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Photo: Victoria Song/Gizmodo US

80ドルという価格は、シンプルなスタイラスと比べたら少し高価ですが、Apple Pencil 2よりは約20ドル節約できることになります。

アートをやる方は、筆圧感知機能がついているApple Pencilを検討する価値があると思います(Adonit社には、筆圧感知機能とパームリジェクション機能を備えた70ドルの安価なスタイラス「Note+」もありますが、そちらはマウスとしての機能はなし)。

一方で、生産性向上のためのツールを探している場合、1台で何ができるか、どのデバイスに対応しているかという点を含めて考えると、Note-Mの方が多様性に富んでいるといえるのではないでしょうか。Note-Mは私が長年夢見てきたユニコーンスタイラス…ではないですが、不可能を可能にし、デジタルノートをもう一度試してみようと思わせてくれたので、個人的にはものすごく気に入っています。