個人史上もっとも小さいハイブリッドアナログスマートウォッチ「Garmin Lily」は女性に限らず使い心地よさそう

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  • author Victoria Song - Gizmodo US
  • [原文]
  • 山田ちとら
個人史上もっとも小さいハイブリッドアナログスマートウォッチ「Garmin Lily」は女性に限らず使い心地よさそう
Photo: Victoria Song/Gizmodo US

こういうのずっと待ってた!

小さなスマートウォッチを切望していた米ギズモードのVictoria Song記者がついに手にしたGarminの小さなスマートウォッチ「Lily。数週間使ってみて、期待どおりの軽さ、小ささ、つけ心地だったようです。ガチで運動したい人には機能的に物足りない面もあるようですが、カジュアルなユーザーや、初めてのスマートウォッチを探している人には向いているのかも。

小さいからって、なにも女性ユーザーに限定しなくていいじゃない?とVictoria記者は以前こちらにも書いていますが、同感です。では、Victoria記者のレビューをどうぞ!


最近のスマートウォッチはどんどんスリム化・小型化してきてますが、Garminの新しい「Lily」ほどちっちゃいのはほかにないです。私の細腕につけてみたスマートウォッチの中では一番小さい34mmケース。長年デカくて分厚いスマートウォッチばかりレビューしてきた私としては、やっと願いが叶った思いでした。

「Lily」をアンボックスするのが楽しみだったのは、単に小さいからだけではありません。Garminからデザインよし、お値段もまあまあよしなスマートウォッチが出たってことにもトキメキました。(もちろん美しさではGarminのVivomove Luxeにかなわないけど、500ドル(約5万5000円)はハイブリッドスマートウォッチにしてはちょっと高すぎなんですよね…。)それに、こんなにちっちゃいスマートウォッチって、ほかのもっと大きなスマートウォッチと比べて機能的にどうなんだろう?という点はすごく気になりました。

Photo: Victoria Song/Gizmodo US

これはなに?:これまでで一番ちっちゃいスマートウォッチ。

おいくら?:Classicは2万7,800円、Sportは2万2,800円。

好きなところ:細い腕にもスタイリッシュでつけ心地ばつぐん。ハイブリッドアナログスマートウォッチとしての機能すべてを網羅。

好きじゃないところ:インターフェースが使いにくい。スクリーンのタッチ感度がイマイチ。スマートフォンのGPSと連動するコネクテッドGPSがつながりにくいことも。アクティビティを自動認識するMove IQ機能が不正確。


柄入りレンズが個性を際立てる

数週間腕につけてみて、やっぱり絵になると思いました。デザインは6通りあって、そのうちの3つは革ベルトを使用したClassicモデル、ほかの3つはシリコンバンドを使用したSportモデルです。

私が試着したのは黒の革ベルトにゴールドのステンレスベゼルと格子柄のレンズが組み合わさったClassicモデルでした。この柄入りレンズに最初は違和感があったんですが、6つのモデルがそれぞれ違う柄なので、どれを買うか選ぶときにより個性を表現できるなと思うようになりました。画像で見た時はケースとバンドをつないでいるTバーがちょっとダサかったけど、実際につけてみたらそんなに気にならなかったです。あと、ケースサイズが小さいので、これまで24時間つけっぱなしにしてみたどのスマートウォッチよりもつけ心地がよかったです。

ディスプレイもちっちゃい…

ただ、小さいことのメリットが大きかった反面、どうしても避けられない欠点がひとつありました。ディスプレイサイズが小さいぶんだけ、通知が読みづらいんです。ベストではないながらも、まあなんとかなるかなって感じでした。一回だけ、友達との電話ミーティングに遅れてるよ!ってLilyに言われてパニクったことがありました。実際は次の日のミーティングのリマインドが通知されてきただけだったんですが、「明日」っていう言葉がディスプレイからはみ出してしまっていて読めなかったため、誤解してしまったんですね。

小さいからしょうがないことだとは思います。34mmディスプレイにぜんぶ表示させようとしたら、文字サイズを極端に小さくするしかないですからね。

操作性はイマイチかな

それより私にとって大きな問題だったのは、ジェスチャー反応とタッチスクリーン上の操作が必ずしもうまくいかなかったこと。腕を振り上げれば自動的にスクリーン表示がONになるはずが、腕を上げてスクリーンを覗きこんでも虚無のままのことが何度かありました。スワイプ操作も反応する確率は半々。半分はちゃんと反応してくれましたが、あとの半分はおっそいレスポンスでした。運動中にアクティビティを終了しようとしても、指が汗まみれだとスワイプがうまくいかないことが多いのも難点でした。

Photo: Victoria Song/Gizmodo US

インターフェースにも使いづらさが。右か左にスワイプすると各種のウィジェットをスクロールできて、下にスワイプすると設定画面にショートカットできます。ちっこいホームボタンをタップすればアクティビティを開始したり、アラーム機能・ウォッチフェイスの設定などができる設定画面に飛べます。ここまではどのスマートウォッチにも備わっている基本的な操作。加えて、スマートウォッチの大半は上にスワイプすれば通知が見られるようになっています。

ところがです、Lilyにはその機能がないんですよ。通知を手っ取り早く確認したいのであれば、あらかじめ設定画面で通知ウィジェットをアクティブにしておく必要があるんです。私は初期設定時にそれをしなかったため、その後通知のログを探し求めて20分ぐらいさまよいました。(ついでに通知ウィジェットを一番上に移動させておくことをオススメします。じゃないと何度もスワイプしないとたどり着けません。)基本的に右へ左へとたくさんスワイプさせられるので、すばやくメニューにアクセスするっていうのはちょっとむずかしいです。

あと、Lilyだけでは操作できないこともあったりします。たとえば、スマホアプリの「Garmin Connect」を通じないとアラーム機能を設定・編集できません。LilyでできるのはアラームをONかOFFにするだけです。というか、Garmin Connectアプリを通じてじゃないとできないことはほかにもけっこうあります。別に気にしないけどっていう人は多いと思う反面、スマートフォンを常に持ち歩きたくない人にはデメリットかもしれません

充実したフィットネストラッキング機能

Photo: Victoria Song/Gizmodo US

こういった不満点はあるとして、Lilyのいいところはこの小さいサイズながらにもハイブリッドアナログスマートウォッチとしての機能をひとつも妥協していないことです。

パルスオキシメーター心拍数トラッキング環境光センサー加速度計が備わっていますし、Garmin特有のBody Battery(どのぐらいストレスを感じているか、リラックスしているかを驚くほどの精度で数値化してくれる機能)、妊娠トラッキングも使えます(これはLily限定ではありませんが)。そのほかにも24時間継続して呼吸数を計ってくれる機能や、血中酸素飽和度睡眠トラッキング水分補給・呼吸・ムーブアラート(ずっと座りっぱなしでいると「動け!」と檄を飛ばしてくる機能)などが使えます。スマホを通じて好きな音楽プロバイダに接続することもできますし、カレンダー機能を使ったり、スマホを探したり、もしアンドロイドスマホをお使いの場合はメッセージに返信したり着信拒否したりも。

逆に、NFCには対応していませんし、GPSも内蔵されていません。ですが、Garmin Connectアプリはちょっと使いづらいと感じる点はありつつも、Lilyを選ぶことで健康データに不足することはまずないです。

バッテリー寿命はGarminいわく約5日間ですが、そんなに長く持ったことはなかったです。おそらくパルスオキシメーターを常時オンにしていたからだと思いますが、一回のチャージで2.5日、せいぜい3日間持つ程度でした。それでもアップルウォッチより長持ちですし、たぶんWear OS系やサムソンのスマートウォッチにも負けていないと思います。ただ、平気で2週間ぐらいいけるFitbitやほかのハイブリッドアナログとは比べものになりません。

コネクテッドGPSは接続が不安定な場合も

フィットネストラッキングに関しては、Garminは業界屈指のレベルです。ただ、もしあなたにとってフィットネスが大事なら、おそらくGarminのスマートウォッチの中からLilyを選ばないんじゃないでしょうか。Lilyがダメってわけじゃないんです。Lilyを使っていてもGarmin Connectアプリで詳細なヘルスデータを入手できますし、心拍数はアップルウォッチSEやPolarのチェストストラップ(H10)と同等の精度を誇っています。ただ、Garminが誇る最大の機能の恩恵を受けられないんです。そう、GPSトラッキングですね。

LilyにはGPSが内蔵されておらず、代わりにスマホのGPSトラッキング機能を使う仕組みになっています。これが、Garminのほかのスマートウォッチと比べると、どうもパフォーマンスに劣っているようです。数回のランニングではスマホ経由でGPSシグナルを受信するまで時間がかかりすぎて、冬の寒空の下で震えて待つハメに。Garmin Connectアプリを再起動してスマートウォッチと同期しなおすこと2回、さらにスマホのBluetoothを設定しなおした甲斐もむなしく、なかなかつながりませんでした。GPSシグナルを受信できさえすればパフォーマンスはアップルウォッチSEと同等でした(スマホよりちょっと遅れてましたけど)。でも、いつちゃんとGPSがつながってくれるかは神のみぞ知る、といった感じでした。

Photo: Victoria Song/Gizmodo US

それと、アクティビティを自動認識してくれる「MoveIQ」という機能を有効化できるんですが、これがあまりあてになりませんでした。例えば、3マイルほどランニングした際、Lilyの自動トラッキングでは1.8マイルしか走っていないことになっていました。同様に、23分間のウォーキングはなぜか途中10分でトラッキングが中断されてしまいました。なので、運動をする時はぜひとも手動でアクティビティを記録することをおすすめします。ほかのスマートウォッチと比べてやたらとスワイプしなきゃいけないので、面倒なんですがね。

女性「だけ」に限らず、いろんな使い方がある

以前こちらの記事で、なぜLilyが女性「だけ」に向けたスマートウォッチだという認識が必要ないかは述べました。今回レビューしてみて、実際Lilyに搭載されている機能で純粋に女性だけが使えるのは妊娠トラッキングだけだとわかりました。でも、この妊娠トラッキング機能もほかのGarminスマートウォッチで展開されていますから、なぜLilyがその小ささゆえに女性「だけ」に向けられているのかはちょっとよくわからないです。男性もノンバイナリーの人の多くもLilyに惹かれると思いますし、逆に読みやすさからLilyよりも大きなディスプレイを選ぶ女性だってたくさんいると思います。女性だけがスタイルにこだわっているわけじゃないですし、女性だけがガジェットにこだわりを持っているわけでもないですしね。

この小ささを考慮したら、いいと思う!

ここまで読み進めてもらって、なんだかLilyを悪く言っているみたいに思われたかも知れませんが、ちょっとばかしGPSの信頼度がゆらぐから、インターフェースの使い勝手がベストではないからって、Lilyが悪い選択肢だということではありません。ガチな運動系じゃないユーザーには良い選択肢だと思いますし、GPSとかインターフェースとか気にしないのであればめちゃくちゃ合っていると思います。小さくて機能的なスマートウォッチを提供するという点において、Garminはすごくいい仕事をしていると思いますよ

Photo: Victoria Song/Gizmodo US

ただ、ちょっと引っかかるのはお値段で、250ドルとほかの同等のスマートウォッチよりも50ドルほど高く設定されています。フォッシルのハイブリッドアナログは同じく洗練されたデザインで(フィットネストラッキングはイマイチですけど)195ドル。Withingsのハイブリッドスマートウォッチもデザインが良くて200ドルです。一方で、FitbitのVersa 3も決して劣らないルックスながらGPSは内蔵型、NFC対応でデジタルアシスタント機能もついて20ドル安い230ドルです。

Garminのウリはスマホ経由で提供されるデータ盛りだくさんのフィットネスプラットフォームで、Lilyの強みはその小ささとスタイリッシュなデザイン。もちろん50ドルぐらいの差は大したことないですし、セール期間中に帳消しできるかもしれないです。ほかの(もっと安い)ハイブリッドアナログではなくLilyを選ぶ理由は、ミニサイズに尽きます

私がLilyに期待していたのは、コンパクトボディに盛りだくさんの機能をつめこんだ、おしゃれでつけ心地満点の小気味の良いスマートウォッチ。小気味の良いとまではいきませんでしたが、悪くはないと思います。カンペキなスマートウォッチなんて、ありえないですしね。

Reference: Garmin

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