ぼくらが次に買うべきは中判デジタルカメラ?「GFX100S」を手に考えてみた

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  • author 照沼健太
ぼくらが次に買うべきは中判デジタルカメラ?「GFX100S」を手に考えてみた
Photo: 照沼健太

富士フイルムが発表した中判デジタルカメラ「GFX100S」の情報を見た時、真っ先に「これは絶対買いでしょ」と思いました。

というのも、これからのデジタルカメラに必要なのは「中判フィルムの再現」ではないかと思っていたからです。

いまカメラに求められるのは「スマホではできない体験」

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GFX100S + GF80mmF1.7 R WR

スマートフォンの高性能化に伴いカメラが売れなくなっているのはご存知の通り。

しかし、その一方ではフィルムカメラがブームとなり、デジタルカメラは高性能なフルサイズミラーレスが主流に。そしてインスタグラムやYouTubeでは、中判フィルムカメラで撮った写真を目にする機会が増えています。

これはつまり、スマートフォンを“カメラの基本”としながら、カメラ専用機にはスマホでは撮れない写真、スマホではできない体験が求められているということではないでしょうか?

例えばフィルムを現像に出して仕上がりを待つ体験、フィルム写真独特の描写、フルサイズセンサーのボケ、中判フィルムの精彩感と階調性のバランスなどが、価値を高めている…。

そうなると、自然と中判デジタルに興味が向っていくのです。

これまでになく手にしやすい中判デジタルカメラ

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Image: 富士フイルム

そこに登場したのが、この中判デジタルカメラ「GFX100S」です。

まず目を引いたのは、中判デジタル(富士フイルムの呼称では「ラージフォーマット」)とは思えないコンパクトなボディー。そして1億画素という従来なら100万円オーバーが当然のスペックにも関わらず、約70万円という(相対的に)手頃な値段設定。

これは中判デジタルデビューに最適な機種ではないでしょうか。

実際に富士フイルムさんにお借りしてしばらく使ってみました。

中判デジタル「GFX100S」を使って感じたこと

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GFX100S + GF80mmF1.7 R WR

とにかく高画質

フルサイズ以上の大型センサー、そして1億画素の超高解像度の組み合わせは異次元。

大判プリントへの対応はもちろんのこと、トリミング耐性も圧倒的です。

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GFX100S + GF80mmF1.7 R WR

さらに、大型センサーゆえ階調が犠牲になっていないので…

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GFX100S + GF80mmF1.7 R WR

極端に拡大しても描写を損なうことなく、一枚の写真として完結させられます。

とにかくボケる

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GFX100S + GF80mmF1.7 R WR

スマホよりAPS-C、APS-Cよりフルサイズセンサーの方がボケるように、当然ながら中判センサーはフルサイズ以上の被写界深度の浅さを可能とします。

これは撮影技術ではどうにもならない部分ですので、こうしたボケ量を求めるならば、中判デジタルは合理的な選択となることでしょう。

ボディーは小さくてもレンズは大きい

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Image: 富士フイルム

たぶんGFX100Sを手にするほとんどの方が、真っ先にこう感じるはず。

ボディーはPanasonic S1シリーズのような大きめのフルサイズデジタルとほとんど変わりません。しかし、レンズが大きい。大型センサーに合わせてレンズ径も大きいので、当然といえば当然。

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GFX100S + GF80mmF1.7 R WR

せっかくの小型ボディーを活かして「あわよくばストリートスナップも中判で」と期待している方も少なくないのではないでしょうか。

それも全然不可能な話ではありませんが、フルサイズ感覚の運用はちょっと難しい。周りから「ずいぶん大きいカメラ持ってる人がいるな」程度に意識されることは覚悟しましょう。

ちなみに今回お借りしたレンズは「GF80mmF1.7 R WR」です。

使う人を選ぶ

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GFX100S + GF80mmF1.7 R WR

これは当然ですね。カメラには向き不向きがあります。

僕の場合、主にスタジオなど屋内での人物や静物撮影において、中判デジタル活用に興味を持っていました。しかし、実際にGFX100Sを触ってみて、その用途ではボディーが小型である必要は薄れるため「これじゃなくてもいいかな」と感じました。

ただ、風景写真を大型センサーで撮影したいという方には、このボディーの軽量コンパクトさは大きな武器となるのは間違いなし。

だって、三脚選びの可能性も増えますし、撮影場所までの移動負荷が軽減されますからね。

また瞳AFの追従もちょっと前のフルサイズデジタル並みに速く、ロケでの屋外ポートレートにも問題ないでしょう。

スマホ、フィルム、中判デジタルまで。カメラの幅が広がる2021年

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GFX100S + GF80mmF1.7 R WR

といった感じで、僕は今回即決はやめて他の中判デジタルの選択肢を探ろうと思っていますが、このGFX100S、すでにオーダー殺到しているそう。

やはり1億画素の中判デジタルがこの値段というのは、衝撃的ですからね。フォトグラファーの仕事道具としてはもちろん、風景写真家、大型センサーの描写を求めているハイアマチュアなど、多くのニーズに答えてくれる中判デジタルカメラになっているはずです。

スマートフォンで大体の写真が撮れる時代からこそ、スマートフォンで撮れない写真が価値を持つ流れなのは間違いありません。

しかし、一言で「スマートフォンで撮れない写真」といっても、そこにはいろんな方向性があるはず。

例えばフィルムの描写、マニュアルフォーカスによる絶妙なズレ、大型センサーのボケや階調性などです。

今後さらにスマホが高性能化するのは間違いありませんが、GFX100Sに代表される中判デジタルなど、カメラ選びはこれまで以上に自由になっていきそうです。

Source: 富士フイルム

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