「切り紙」にインスパイアされた、座りっぱなし時の関節痛対策に有用なセンサー

  • author Rina Fukazu
「切り紙」にインスパイアされた、座りっぱなし時の関節痛対策に有用なセンサー

切り紙 meets テック!

デスク仕事で長時間座りっぱなしになると、肩が凝ったりや腰痛が悪化したりすることもありますよね。いわゆるテックネックが、コロナ禍で在宅ワークをしているとなおさら気になるようになった…という人もいるのでは?

人間工学に基づいた家具を買ってみたり、たまに立ち上がって体を動かしたりストレッチをしたり…といった対策を試している人もいるかもしれません。最新の研究では、日本の切り絵の技術を応用して、どの関節をいつ動かせばいいのかを思い出させてくれるという装置が開発されました。

直接貼れる、柔軟なセンサー

香港城市大学の研究者らがScience Advancesで発表したところによると、開発されたのは、蜂の巣の形をしたグリッドを含むチタン酸ジルコン酸鉛セラミックを用いたセンサー。グリッドは折り紙の一種である切り紙で作られているといいます。

デバイスには、関節の動きを電気信号に変換するセンサーが搭載されていて、首、肩、肘、手首に直接貼り付けられるよう柔軟なつくりになっています。しばらく体を動かさないとPCに通知が届いて、30分間に10回以上、特定の関節を動かすようにというリマインダーが表示されるとのこと。

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Image: Dr. Zhengbao YANG from the City University of Hong Kong

テック界での切り紙の可能性に注目!

肩の凝りや腰痛など筋骨格系の障害は、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によると賃金の損失、生産性の低下などにより年間450億ドル〜540億ドル(約4兆9100億円〜5兆8900億円)の損害をもたらすといわれています。猫背を解消するためのウェアラブル製品は以前にも紹介したことがありましたが、硬く、関節の全可動域を検出することは得意としていないといった課題もありました。

また、スマートウォッチには「そろそろ動きませんか」というような通知がありますが、オフにしたり、無視したり、ちょっと誤魔化してみたりすることも可能です。いずれにせよテックネックや手根管症候群などの筋骨格系の疾患には対応していません。

一方でこのセンサーの注目すべきは、切り紙のような構造であることにより、通常は硬いものがデバイスを壊すことなく伸縮できるところにあります。さらに問題のある特定の関節に貼り付けることができて、かさばる部品もないため装着時の違和感も少なく抑えられそうです。

切り紙のアイデアは、フレキシブルな電子機器の開発など何年も前から研究者らの間で注目されています。ただ、実際に消費者向けの製品としては利用できるものはまだ数少ないのが現状かもしれません。今後、医療機器や健康ウェアラブルとして手に届く日が待ち遠しいものです!

Source: Science Advances

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