紙とペンの相性を考えたことはありますか? コクヨが最適な組み合わせを教えてくれます

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  • author ヤマダユウス型
紙とペンの相性を考えたことはありますか? コクヨが最適な組み合わせを教えてくれます
Photo: ヤマダユウス型

指先が喜ぶと、うれしいのです。

ちょっとコダワリがある人であれば、自分の好きなペンやノートなどを持っているかもしれません。では、自分の好きな書き味について考えたことは? そもそも書き味ってなんぞ? どう違うのん?

文房具メーカーのコクヨは、紙とペンの相性に本気で向き合ったブランド「PERPANEP(ペルパネプ)」を発表しました。PENとPAPERのアナグラムでできたブランド名ですね。

PERPANEPは、紙とペンの最適な組み合わせをデザインした新しい文房具シリーズ。その第1段として、3種類のノートと3種類のペンが発売されます。このノートとペンこそ、コクヨが考える書き味へのアンサーなのです。

最適な組み合わせで提案される、ノートとペン

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発売される文房具は以下の通り。ノートとペンは個別に購入できますが、一応はこうした組み合わせとして提案されています。

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Image: コクヨ

(左がノートの名前、右がペン)

ツルツルの原紙を使ったノート「TSURU TSURU」×ファインライター

さらさらの原紙を使ったノート「SARA SARA」×水性ゲルボールペン

ざらざらの原紙を使ったノート「ZARA ZARA」×万年筆

そして、それぞれの書き味の違いはこんな感じ。

Video: kokuyo / YouTube

例えるなら、「TSURU TSURU」は有機ELディスプレイのようなツルっとした手触り、「SARA SARA」は一般的なノートに近い手触り、「ZARA ZARA」は繊維を感じられるわら半紙のような手触りです。いずれも質感が異なるためどんなペンで描いても書き味は変わりますが、それぞれの書き味をもっとも引き出せるノートとペンの組み合わせが上の組み合わせってことですね。

そも「書き味の違いってそんなに大事なの?」と立ち返ったとき、書き味はアイディアの出し方や思考にも影響してきます。思いついたことを次々と書き留めたいならツルツルした書き味の方がリズムが良いし、手紙のようにじっくり書く時はトメハネが効きやすい方が良い。ブレストなどでホワイトボードを使うのも、ホワイトボードの滑らかな書き味に考え方が引っ張られてるところもあると思うんですよ。触覚は思考にも影響する。だからフィジェットが売れる(極論)。

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さておき、質感の異なるノート作りも簡単にはいきません。紙の原料であるパルプにどれだけの薬剤を含ませるか、どのように組み合わせて加工するかなど、紙になる前段階から調整が入ります。

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これはノートの断面拡大図。左から「TSURU TSURU」「SARA SARA」「ZARA ZARA」で、見比べてみると表層だけでなく中面にも違いが。紙の密度が低いほうがペン先が沈み込むため、抵抗感が強くなるという仕組み。表層も「ZARA ZARA」の方は凹凸があり、筆記時の抵抗感に影響します。

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繊維の絡み具合や組み合わせも、かなり違っていますね。実際の紙を見るだけでは質感の違いってのは見えにくいものですが、指先で触ると「あ、全然違う」とすぐに理解できるんだから、触覚センサーの鋭さはスゴイ。その触覚に訴えかけるコクヨの情熱もスゴイ。

他社の良さを活用した魅力あるペン

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ノートと同じく、3種類発売されるペンの方も見ていきましょうか。下からファインライター、水性ゲルボールペン、万年筆です。このうち水性ゲルボールペンは「SARASA」ブランドのゼブラ株式会社と、万年筆は「preppy」のプラチナ万年筆とのコラボになります。

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カラーリングやパッケージデザインこそ統一感があるけれど、ペン先はこの通り三者三様。コクヨの人いわく「他社であっても良い製品ならば」との思いで実現にいたったとか。最高の書き味を求めて紙質から見直して、その結果「あなたの会社のペンが最高なんです!」にいたったとするなら、かなりの越境ロマンじゃあないですか。

さて、実際に書いてみて感じた書き味ですが…あぁ、これは違うわ、好みが出るわ。「TSURU TSURU」はペン先が止まらず踊るように文字が書けるので、思いついたことを最速でアウトプット可能。「SARA SARA」は違和感のない、よく見知った書き味。そして「ZARA ZARA」はガリっとした歯ごたえやペンが走る音が心地よい。全部違うんですよね。

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これは「SARA SARA」×水性ゲルボールペンで書いた時の様子。開発時にはこの「SARA SARA」の書き味を中央として、より滑らかに感じる「TSURU TSURU」、より抵抗感がある「ZARA ZARA」を模索していったとのこと。書き味は数値化できるものではありませんからねぇ。

自分はどんな書き味が心地良いと感じるか。また、どんなときにどんな書き味を求めているのか。今まで考えたこともなかったんですけど、初めて「自分はこういう書き味が好きなんだな」と実感できました。僕は「ZARA ZARA」が性に合うみたいなので、ノートやペンもそんなタイプを選んでいこうかな〜。

ノートの使いやすさを一変させる、フラット製本!

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そして、僕がいっちばん推したいのはこれ。フラット製本と呼ばれる企業秘密な製本スタイルにより、ノートのノド部分が盛り上がらず、広げたときにまるで1枚の紙のように扱えるんです。フラット製本はコクヨの「白と黒で書くノート」で初めて使われましたが、今回の「PERPANEP」でも採用された次第。

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見てくださいよこの違い。奥が一般的なノートで、手前がフラット製本。ノートのノド部分ってこんもりしちゃうからうまく書けなかったけど、これなら書きやすい&見やすい。

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こんな風に、見開きで1枚の紙として使えるのもフラット製本ならでは。いや、これすごくないですか…? 片面でも両面でも使えるなんて、まるで折りたたみスマホのごとし! 僕はフラット製本に敬意を表する!

「PERPANEP」で、指先が喜ぶ書き味を見つけよう

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今回の「TSURU TSURU」「SARA SARA」「ZARA ZARA」は、それぞれ5パターンの罫線でラインナップされます。全60PでサイズはA5のみ。値段900円とお高めですが、大人のノートらしい仕様と佇まいなので納得感はありますね。見開きでA4としても使えるのも嬉しい。

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透明フィルムはブックカバーのようにつけっぱなしで使ってもOK。フィルム自体にパターンが描かれています。ちなみにノート下部分に「PERPANEP」のロゴがあって、このロゴが上からツルツル・サラサラ・ザラザラを表現しており、そのノートがどれに属するかを示しています。

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販売店ではこのような試し書きスポットを設置する予定。「TSURU TSURU」×万年筆など、提案ではない組み合わせなんかも試してみて、自分の好みの書き味を見つけていきましょ。ペンの価格は、ファインライターが200円、サラサクリップが130円、万年筆が400円。

コクヨの調べによると、リモートワークな世の中になっても「手で書くことの重要性」は変わっておらず、パーソナルな感性にマッチする製品の需要は増えているとのこと。今回の「PERPANEP」は、ある意味でパーソナルな書き味の提案とも受け取れますね。文房具の試し書きコーナーが楽しいのも、書くことの気持ちよさを無意識に知っているからじゃあないかな。

品川に来た際はコクヨのキャンパスにお立ち寄りを

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実は今年2月、品川にあるコクヨのオフィスは大幅リニューアルし、大学のキャンパスを思わせる「THE CAMPUS」なる働き方の実験場がオープンしました。一般の人でも使えるオープンなエリアや、コクヨ製品がズラリと並ぶショップなども併設しています。

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まるでMoMAのようなシャレオツショップには、カフェスタンドや休憩スペースも。すんごい雰囲気良かったので、品川で一仕事終えたらぜひ立ち寄ってみてほしいです。文房具って素敵だよね。

Photo: ヤマダユウス型

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