会議でゲームしても違和感ゼロ。いろんな意味で熱いAcer Predator Triton 300 SEレビュー

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会議でゲームしても違和感ゼロ。いろんな意味で熱いAcer Predator Triton 300 SEレビュー
Image: Joanna Nelius/Gizmodo US

できるビジネスパーソンみたいじゃないか。

今年のSECでひと目見た瞬間から気になっていたニュールックのAcer Predator Triton 300 SE

ゲーミングPCは赤と黒のいかついのばかりで、せいぜい青く光るぐらいしか芸がないけど、大人のゲーマーは役員会や大学講堂、カフェで使っても目立たないデザインを求めている! そんな大人ゲーマー代表として触ってみましたよ。

手に取ってみた実機は、CESで見た写真よりさらにいい感じで、サイズ感といい、重さ、性能、価格といい、ターゲットのニーズがよくわかってる印象です。課題は、Intel Core i7-11375H、ストレージ容量、ファン音。

Acer Predator Triton 300 SE

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これは何?:まったく新しいデザインになったAcerゲーミングノートPCのハイエンドモデル。Intelスペシャルエディション搭載

価格:1,400ドル(約15万3600円、日本市場価格は不詳)

好きなところ:大人好みなデザイン、サイズ、重量、価格

好きじゃないところ:ファン音(ターボモード使用時)、CPU性能

当初ワンスペックにて発売中

Predator Triton 300 SEはまだ取扱店が米Best Buyだけで、選べる仕様もIntel Core i7-11375H、RTX 3060、16GB DRAM、512GB M.2 SSDだけ。AcerのTriton公式サイトには24GB DRAM、1TB M.2 SSDまでのアップグレードが可能とありますが、そちらはまだ出ていません。今のゲームは容量をだいぶ使っちゃうので(Cyberpunk 2077は70GB、Battlefield Vは90.5GB、Red Dead Redemption 2は100GB超も要る)、512GBのM.2 SSDだとあっという間かも。

前モデルなら2万円ほどでSSDをアプグレできたんですけど、まだそれもできないし、どのみち容量2倍にするのに2万円じゃコスパ悪いかな? Predator Triton 300 SEのPCIe 3.0対応SSDは最大3500MB/sで、同等のSamsung 970 Evo SSDは1TBモデルが160ドル(日本市場は約1万8000円)、500GBが80ドル(約8000円)で買えるので、換装なら8000円程度で済む計算です。1万円や1万2500円ならともかく、PCIe 3.0 SSDに2万円はお財布に響きますよね。

最新モデルのTriton 300では、ディスプレイのリフレッシュレートが下がって、最大240Hzの15.6インチフルHD IPSだったのが144HZ×14インチフルHD IPSパネルになりました。前あったフルサイズキーボードも撤廃になりましたが、キースペースは同じ間隔をキープしています。

めちゃポータブル

重さ3.7ポンド(約1678g)、厚さ0.7インチ(約18mm)で、 AsusのROG Zephyrus G14に近い軽量スリムタイプ。前のTriton 300は4.4ポンド(約1996g)で2mmほど厚かったので、一歩改善ですね。ゲーミングノートPCで0.62インチ(約16mm)の世界最薄を実現したMSIのStealth 15Mと比べても差はわずか2mmで、重さもまったく一緒。 かばんにスッと入って、持ち歩いてもズシッときませんよ。

ポート類はStealth 15Mに近い構成で、USB-A 3.2ポート2基とUSB-C×Thunderbolt 4ポート1基、フルサイズのHDMI 2専用ポート1基、3.5mmオーディオ専用ジャック1基がついてます。ないものはmicroSD専用スロットだけ。最大輝度もStealth(315~250 nits)より高めです。

ただバッテリー駆動時間は短めで、Acer公称「最大10時間」とは結構開きがあります。実測ではTriton 500(3時間20分)よりTriton 300 SE(6時間11分)のほうが約3時間長くもったものの、最大8時間のStealthほど長くは持たないので、Triton 300 SEはその次のAsusのROG Flow X13MSIのGS66 Stealth、Asus ROG Zephyrus G14並みのバッテリー性能ということになります。

気になるCPUはIntel Core i7-11375Hという、1月のCESで発表になったモバイル専用プロセッサの「スペシャルエディション」が入ってます。ほかのTiger Lakeファミリーのチップもそうですけど、これも4コア/8スレッドながらに最大周波数は、Intelがデスクトップ用に出している8コア/16スレッドのi7 i7-11700K CPUと並ぶ最大5.0GHzまで出ます。1コアあたりの処理性能はAMDのRyzen 9 4900HS(8コア/16スレッド/最大4.3GHz)を上回っていて、Geekbench 4のベンチスコアは1000ポイント高めという結果でした。

ただ、比較的新しいNVIDIA GeForce RTX 3060を搭載している割には、一部のゲームではAsus ROG Zephyrus G14と横並びで、ウルトラの最大グラフィック性能(1080p)は「Far Cry 5」は両方とも平均81~82FPS、「Total War: Warhammer II」も65~66FPSで引き分け。CPU性能を比べるAIベンチマークにいたっては「Civilization VI 」でZephyrus G14のほうが若干高速という結果です(ターンあたり7.1~7.9ms)。もっともTritonも「 Shadow of the Tomb Raider 」は80対69FPS、「 Metro Exodus 」(レイトレーシングOFF)は53対41FPSで負けてませんけどね。

Core i7-11375HはCPUに負荷のかかる3Dレンダリングが得意で、Blenderのベンチマークでは、Ryzen 9 4900HSに40秒リードしていましたが、GPUに負荷のかかる3Dレンダリングの処理タイムは7.5分で引き分け。4K動画を1080p 30FPSに変換する処理タイムをHandbrakeのベンチマークで比べたら、TritonよりZephyrus G14のほうが4分速かったです。

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Ryzen 4000シリーズはAMD最新の製品というわけでもないですからね。1月にはヤバいくらい速いRyzen 5000モバイル用CPUシリーズも登場して、IntelのCore i7-11375Hは編集部が通常行なうベンチマークでことごとく敗北。徹底比較時のベンチマークCinebench R23でも1,000ポイントもの差がついてます。

熱がボトルネックに

Core i7-11375HはRyzen 9 5980HSよりブーストクロックの帯域幅が高いので理論上はシングルコアのスコアも上…だと思いますよね? でもここ1年はIntel内蔵ノートPCはどれもこれも熱がこもっちゃって、本領を発揮しきれてないんです。マルチコアではよくある現象ですが、Core i7-11375Hも例外ではなくて、HWInfoで内部の熱を測ってみたら4コア中3コアが最高温度100℃に達していました。これは許容範囲ギリッギリの温度です。

Intelのターボブーストテクノロジーならブーストクロックを最大5.0GHzまで上げられるんですが、それをするには加熱をある程度抑えないとダメ。テスト中のCPUは平均温度約80℃で、とてもじゃないけどターボブーストを発動できる温度じゃなかったです。100~200MHzのブースト分が目減りするだけだからもう少し出るかと思ったら、ターボモードで比べても最大4.5GHzどまりでした。

ターボモード使用時のファン音はかなり響きますが、キーボード周りは比較的ひんやりしていて、熱くなっても45℃を超えることはないので、何時間もプレイに没頭できます。ヘッドフォンしちゃえば音も気になりませんしね。

Core i7-11375Hは非力めですが、Acer Triton 300 SEはお釣りが出る安さなので、この価格でこれだけの性能と機能なら納得感あります。アップグレードのオプションが待たれますが、バランスのとれたゲーミングPCと言えるでしょう。

5秒でまとめると

・大人な新デザインとカラーパレット

・Intel Core i7-11375Hはまあまあ

・ターボモード使用時はファン音します

・今んとこ選べるのは512GB SSDだけ

・バッテリー持ちは十分

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