どことの繋がりを重視するかっていう、そんな時代なのかな。
4月23日から無印良品のペットボトル飲料が、すべてアルミ缶のパッケージに変更されます。すべて、です。発売されるのはお茶・炭酸飲料の全12種で、お茶は税込90円(375ml~390ml)、炭酸飲料は150円〜190円(280ml)です。
今回、新たにアルミニウム容器を採用した理由として、おもに「地球資源の循環化」を掲げています。アルミは資源のなかでもトップクラスのリサイクル性能。一方で、材料コストや見た目のことを考えると、大量生産する容器としては採用しづらいという事情がありました。そんななかで、無印はなぜアルミ缶にするのでしょうか?
アルミ缶を採用した理由 → リサイクルの地盤が硬い

アルミ缶を採用した理由について「回収ルートが決まっている」「リサイクル率が高い」「フードロス削減」の3つを挙げていました。
アルミ缶は年間約33万トン(217億缶)消費されるうち、廃棄されているのはわずか0.6%ほどで、回収されたものは海外輸出や工業用資材、そして再びアルミ缶に生まれ変わっています。また、再生アルミはバージン素材のアルミと比較して3%のエネルギーで製造できる点も、アルミニウムを使う理由として挙げています。
アルミ缶容器を循環させるという点では、アルミ缶は水平リサイクル率(缶から缶へのリサイクル率)が他の素材に比べて圧倒的に高いことも特徴です(66.9%)。

また、アルミ缶は透明のペットボトルに比べて遮光性が高い&炭酸ガスが抜けにくいということから、なんと賞味期限が伸びるそうな。お茶の賞味期限はペットボトルだと270日のところ、アルミ缶だと310日。炭酸は180日が270日と、フードロスにもアルミ缶が役立つそう。これは意外。

思えばMacBookの外装も100%再生アルミニウムなんですよね。アルミ缶の大いなる循環に、いつの間にか僕たちも関わってたんだなぁ。
缶になったからといって、より売れるとは限らない

発表会ではこの点について触れていました。例えばペットボトルの透明感はシズル感を想起させますが、アルミ缶は中身が見えないため購買意欲が下がる可能性があるとのこと。また、ペットボトルの時に比べ内容量がやや少なくなったのに、大きく値下がりはしていません。
でも、売上よりも企業としての透明性やお客さんとの繋がりを重視するっていうの、今の時代にハマってると思うのです。何を売っているかよりも、どんなことをしてる企業であるか、無印はその意識が昔から高いですよね。

無印は以前より、主要な店舗を中心に無料の給水器の設置なども行っています。これも店舗によっては、飲料が売れなくなるからやめてほしいという声もあったものの、いざ設置してみると買い物以外で訪れるお客さんが増えたり、働く店員も使うので飲料に関するゴミが減るなどの効果があったとか。
透明感はなくなったけど、色や手描きイラストが映えるこのパッケージデザインは僕好きですけどね。持っていても広告感がないというか、うるさくないというか。こうした気持ちも飲料そのものではなく、存在感や雰囲気への好感から来るものなのかも。
ペットボトルが悪ではなく、アルミが適しただけ

ペットボトルからアルミ缶への切り替え、および水プロジェクトの活動のテーマは「みずから、はじめよう」。ちなみに決してペットボトルが環境にとってNGというわけではなく(ペットボトルも循環されており、災害時や大容量容器に活躍する)、環境のことを考えた現時点でのベストな選択肢として、アルミ缶を選択したとのこと。
新しく発売されるアルミ缶飲料は、全12種。2021年4月23日(金)より発売開始です。無印のお茶ならとうもろこし茶が好きです。MUJI Cafeでいただける黒豆茶も良い。ほっこり美味しいんだ。
Image: 良品計画
Source: 良品計画