Siriの英語ボイスが2つ増えて、デフォルトが女性ボイスじゃなくなるよ

  • author Victoria Song - Gizmodo US
  • [原文]
  • 中川真知子
  • Twitter
  • Facebook
  • LINE
  • はてな
  • クリップボードにコピー
  • ×
  • …
Siriの英語ボイスが2つ増えて、デフォルトが女性ボイスじゃなくなるよ
Image: Victoria Song/Gizmodo US

ずっと問題視されていたしね。

AppleのiOS 14.5ベータの最新アップデートで、英語話者向けのSiriは声が2つ増え女性の声がデフォルトでなくなりました。Tech Crunchによると、これはデジタルアシスタントをより包括的にするための取り組みの一環だそう。

Siriに新たに加わった2種類の声は、タレントの声を録音して作った音源をAppleのNeural text -to-speech engineに通して生成したもので、発声がより自然でなめらかになっているそう。

「英語話者向けに新しいSiriの声を2種類導入し、設定する際に好みの声を選べるようになったことにワクワクしています。多様性と包括性に対するAppleの長期的に継続する取り組みであり、私たちが住む世界の多様性をより反映するように設計された製品とサービスです。」とAppleはTechCrunchに話しています。

この変更は、デジタルアシスタントに組み込まれていた本質的な性差別にも対処するでしょう。というのも、AppleやAmazon、Googleは、デジタルアシスタントをデフォルトで女性らしくすることによる潜在的な性差別を見落としていると批判されてきたんですよね(ただし、英国をはじめとする一部の国ではSiriのデフォルトは男性で、メニューにも「男性」と表示されています。日本は「声1」「声2」となり、前者が男性っぽい、後者が女性っぽい)。

2019年の国連の報告によると、デジタルアシスタントは、女性が従順であり言葉による虐待にも順応するといったジェンダーのステレオタイプを助長しているとのこと。

2017年に発表されたQuartzの報告には、各デジタルアシスタントが女性としてコーディングされた場合、セクシャルハラスメントにどう反応したのかが詳細に記録されていて、まぁ、それがオブラートに包んで言っても「目に余る」感じ。

例えば、「あばずれ(You’re a bitch)」や「やり●ん(You’re a slut)」と言われても、当時のAlexaは「フィードバックありがとうございます。」といった丁寧な返事をしていました。Samsungは、Bixbyの女性版と男性版に性差別的なタグを追加したことで非難されました。

この余波により、AppleとGoogle、Microsoftは男性の音声オプションを追加。初期設定の時ではありませんし、音声のジェンダーが選べることを事前に知識として持っておく必要がありますが、声は選択できるようになりました。今回、設定の時に変更できるようになったことは、小さいことですが、意味のある変化だったと言えるでしょう。