フルサイズを、毎日持ち歩くためのレンズ。
ソニーが2021年4月23日(金)に、3本のフルサイズ向け単焦点Eマウントレンズを発売しました。「FE 24mm F2.8 G」「FE 40mm F2.5 G」「FE 50mm F2.5 G」。市場予想価格は、なんと3本とも7万9000円前後!
共通するコンセプトは、圧倒的な小型さ。ローレットが刻まれた絞りリング、絞りリングのクリック切り替え、フォーカスホールドボタン(Fnボタン)など、機能面はすべて同じ。ほかにはフィルター径49mm、絞り羽根が7枚(円形絞り)、デュアルリニアモーター、防滴防塵仕様である点も共通。
さっそくα7Cに取り付けてハンズオンしてきました。付けた瞬間にわかりましたが、小型フルサイズなα7Cの相棒としては3本ともピッタリな感じでしたね。フルサイズとは思えないくらい軽い!
手軽なフルサイズスナップ:FE 24mm F2.8 G

レンズ構成は7群8枚で、非球面3枚EDレンズ1枚。重量約162g、最短焦点距離は0.24m(AF時)。広角気味なのに40mmや50mmとほぼ同じサイズ感で、α7Cに取り付けるとフルサイズであることを忘れる広角撮影が楽しめました。
FE 24mm F2.8 G

FE 24mm F2.8 G

FE 24mm F2.8 G

FE 24mm F2.8 G

広角なのに寄れる点も楽しいですね。スナップには向いてますが、周辺をトリミングすると光学性能の甘さも感じます。とはいえこのサイズ感で24mmを振り回せるのは大いなる魅力。画質とフットワークのどちらを取るか、Eマウント相談が止まらないぜ。
もっとも味のあるレンズ:FE 40mm F2.5 G

レンズ構成は9群9枚で、非球面3枚。重量約173g、最短焦点距離は0.28m(AF時)。3兄弟のなかで唯一EDレンズ非採用で、それゆえ軸上色収差が見て取れます。が、レタッチで補正できるレベルでもあるし、オールドレンズのような味のある写りを楽しむレンズにもなる。最大撮影倍率0.23倍もなかなか使いやすい。
FE 40mm F2.5 G

FE 40mm F2.5 G

FE 40mm F2.5 G

FE 40mm F2.5 G

「50mmがあるのに40mmかー」と思っていましたが、このややワイドな画角は「50mmほど寄らない一歩引いたスナップ」が面白い。いざファインダーをのぞいて物足りなければ一歩踏み込めば良いし、引けば35mmのように使える。もし自分が付けっぱなしにするならコイツになる気がしました。
つい光を探してしまう:FE 50mm F2.5 G

レンズ構成は9群9枚で、非球面2枚EDレンズ1枚。重量約174g、最短焦点距離は0.35m(AF時)。ポートレートもイケる焦点距離でこの軽さ、もはやAPS-Cレンズ並です。F2.5ゆえあまりボケは期待していませんでしたが、フルサイズだけあってその心配は無用でした。
FE 50mm F2.5 G

FE 50mm F2.5 G

FE 50mm F2.5 G

FE 50mm F2.5 G

FE 50mm F2.5 G

いわゆる、ザ・単焦点な使い方になるので、3本のなかではもっとも使いやすさと画質が安定してる気がしました。Eマウントでの単焦点デビューを考えているなら、まずはこのレンズでフルサイズが生むボケを知っていくと良いかも。クリックレスゆえ動画でもバンバン使えるし、持っていて損はない1本。
昨年末、シグマはコンパクトでありつつ光学性能や品質にも妥協しない「I series」なる新コンセプトを打ち出しました。今回のGレンズ3兄弟も、そうした○○シリーズと名乗って良いほど明確なコンセプトが感じられました。軽量&満足できる画質&6桁いかない単焦点と、絶妙なバランスをついてきた印象。
また、3本とも重量がほとんど同じため、動画撮影時に電動ジンバルでキャリブレーションをしたあとでもレンズ交換ができたり、フィルター径が同じなので流用ができたりと、複数揃えての運用に利点があるのも今までにない特徴です。クリックレス機構なのも動画利用を見越してのことでしょうし、軽ければ軽いほど腕にも優しい。
思えばα7Cのキットレンズ「FE 28-60mm F4-5.6」も、めちゃくちゃコンパクトでしたね。あれも衝撃的でした。フルサイズだからといって大艦巨砲なレンズであれば良いってものでもない。ストレスなく持ち出せることも、レンズにとっては大いなる魅力だもの。
Photos: ヤマダユウス型
Source: Sony