私たちがPS VRを好きな理由。PS5との互換性はイマイチだけどソフトは豊富

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私たちがPS VRを好きな理由。PS5との互換性はイマイチだけどソフトは豊富

ソニーから発売されているPlayStation VR(PS VR)。全盛期はもう終わってしまったかも…。

これまで、Oculus Rift (オキュラスリフト)やHTC Viveなど高価なヘッドセットやゲーム用PCを追加で購入することなく、気軽にVR(バーチャルリアリティー)を体験する方法として、PlayStation 4(PS4)を既に持っている方にはPS VRをおすすめしてきました。セットアップが簡単でゲームの種類も豊富、質の高いバーチャル体験ができるなど、性能が高くコスパもバツグンでした。

ですが、2020年後半のPlayStation 5(PS5)発売後からPS VRのアップグレードが追いついておらず、他の機器からだんだんと抜かされてしまっています。例えば、私たちもメインで使っているOculus Quest 2(オキュラスクエスト2)なんかですね。

PS5とPS VRは互換性がイマイチです。対応はしていますがアダプター(無料)を別途購入してPS4のカメラと繋げる必要がありますし、プレイできるタイトルはPS4仕様。つまり、新しい機器を古いバージョンに合わせているんですよね。

しかも、2020年はPS VR対応のゲームの発売が少なかったように感じます。マーベルの『アイアンマン VR』『ウォーキング・デッド セインツ&シナーズ』『スターウォーズ:スコードロン』などの代表的なものは数えるほどしかありません。しかも、最新のPS5対応のゲームはPS VRには対応していない、というちょっとおかしな展開まで起こってしまっています。

そんな中、今年2月にソニーからPS VRの次世代機を開発中と発表がありました。ケーブル1本でPS5本体と繋げるようになり、コントローラーも新しくなるようです。発売日はまだ明かされていませんが。

PS VRでは、『Farpoint』『バイオハザード7 レジデント イービル』『アイロンマンVR』『ヒットマン3』などのPS VR限定ゲームに加え、『SUPERHOT』『アリゾナ サンシャイン』『ザ エルダースクロールズ V:スカイリム VR』などがプレイ可能。歩き回った時の追跡がOculusやHTCに比べると劣りますが、カメラやコントローラーはPS4に付属しているもので大丈夫なので、PS4のユーザーの方は試してみる価値ありでしょう。

PS VRって何?

PS VRのヘッドセットを簡単に説明すると、顔に固定したスクリーンを通してバーチャル世界を体験します。歩いたり頭や手を上下左右に動かしたりすると、ヘッドセットとコントーラーにあるトラッキングシステムと外側に設置されたセンサーが感知して場所を把握します。

これにより難民キャンプに行けたりゾンビの発生を防ぐゲームができたり、3Dで絵を描いたり彫刻ができたりするわけですね。VRを買うのはまだ早いかなという人は、近くの電気屋さんなどでデモを体験してみるのもありです。

PS VRは基本的にヘッドセット、コントローラー、動作を捉えるカメラ、PS4またはPS4Pro本体の4つで成り立っています。ヘッドセットには頭をぐるっと囲むストラップが付いており、ボタンを押して長さを調節します。おでこと頭の後ろで支える感じですね。

頭や顔の形によりますが、数時間の使用であれば不快感なく装着し続けられると思います。むしろ、疲れるのはスクリーンの光を直で浴びる目の方が先かもしれません。VRは1日中使用する目的では作られていないので。

ゲームの中にはワイヤレスコントローラーDUALSHOCK4でプレイできるものもありますが、VRをベストな状態で体験したいのなら、PlayStation Moveモーションコントローラーが欠かせません。

人差し指で押すトリガーと親指で押す大きなボタン、カメラが追跡しやすいように先に大きな球がついた棒状のコントローラーを使うことで実際の手の動きに近くなり、VRの世界にどっぷりと浸ることができます。銃を打つ動作も本物にかなり近くなりますし、ボタンを押してゾンビをパンチすることもできます。ゲームパットを使うよりも直感的にプレイできるようになります。

PlayStation Cameraは、OculusやHTC製品のように高性能ではありませんが、数歩程度の移動はしっかりと捉えてくれるので十分でしょう。PlayStation CameraとPlayStation Moveモーションコントローラーは数年前から発売されているのですでに持っている方もいるかもしれませんが、Oculus Riftや HTC Viveのような高価なヘッドセットを購入したくない方は、こちらで節約してみてください。

PS VRのヘッドセットは2017年に最新版がリリースされていますが、確かな情報源(Ars Technicaなど)によると、劇的な変化はありません。ヘッドセットを持っていない方はもちろん最新版の購入をおすすめしますが、オリジナル版を持っているのであればわざわざ新しく購入する必要はなさそうです。

ただし、本体についてはPS4よりもPS4Proが良さそうです。1万円ほど高くなりますが、解像度の高さがVRの質をかなり上げるのでその価値はあると思います。ただこれは本体をまだ持っていない人だけの話で、PS4をすでに持っている方が買い換えるほどではありません。

PS VRの良いところ

一番は価格ですね。PS4またはPS4 ProとPS VRセットを購入しても、VR対応の高性能ゲーミングパソコン1台より安くすんでしまいます。

VRで重要な画質もとても高く、Oculus RiftやHTC Viveにもまったく引けを取りません。実際に何人かにPS VRとOculus Rift やHTC Viveを試してもらったところ、違いを伝えることができた人は1人もいませんでした。

Oculus RiftやHTC Viveは目に合わせて2つのスクリーンが搭載されているのに対して、PS VRは小さめのスクリーンが1つだけついています。だからこそ、PS VRは高いリフレッシュレートを保てるわけですね。具体的にはRift、Vive、and Vive Proは90Hz 、PS VRは120Hzと画質が良いのも納得です。

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PlayStation Moveモーションコントローラー
Photo: Signe Brewste

PS VRはOculus RiftやHTC Viveのように太いストラップが付いておらず帽子のような形になっているので、つけ心地もいいです。ヘッドセットがゆるい場合はプラスチック製のストラップで調節できますし、ゴーグルは下のボタンを押すまで目の前で止まる仕組みになっているので、ぴったり装着するまで調節することができます。デザインはトレンドになっているようで、Vive ProやマイクロソフトのWindows Mixed Realityでも似たデザインが採用されています。

実際に試用してもらったところ、初めてVRを体験した2人がPS VRの着け心地が一番良いと答えました。PS VRは目の前で止まる構造のためthe RiftやViveに比べ通気性が良く、熱くならないところが良かったようです。

またOculus、HTCのコントローラーよりもできることは限られますが、PlayStation Moveモーションコントローラーの使い勝手の良さも取り上げたい点の一つです。モーションコントローラーはソニーが任天堂WiiやマイクロソフトのKinectに対抗して、2010年に発売したのが始まりです。詳しくは次章で解説しますがPlayStation Moveモーションコントローラーは完璧ではありませんが、安く簡単にVRを体験できます。

PS VRにはおもしろいゲームが沢山出ているのも魅力です。『バイオハザード7 レジデント イービル』や『SUPERHOT』『スカイリムVR』、パズルにフォーカスした『バットマン:アーカムVR』、ギターヒーローとiTunesの音楽ビジュアライザーを混ぜたような『THUMPER』『Job Simulator』や『Keep Talking and Nobody Explodes』などもおすすめですね。

ゲームをプレイする推奨エリアは約3メートル×2メートル四方ぐらいですが、大半のゲームは座りながらのプレイ用なので広いスペースを必要としません。

部屋を目一杯つかってVRを楽しみたい人(HTCのヘッドセットが最適)には物足りないかもしれないですが、リビングルームでVRを楽しむ程度であればまったく問題はないでしょう。中には家具の移動が少し必要なもののありますが、そのままの部屋の状態で楽しめるゲームがほとんどです。

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PS VRのヘッドセット
Photo: Signe Brewster

PS VRのイマイチなところ

残念なのは発売後しばらく経っている点と、PS4のプラットフォームから抜けられていない点です。他の会社はPS VRの発売後の4年間でVRの快適さと性能を大きく上げてきています。

大きなリリースもありませんし、PS4のサポートは2022年も前進するとは言えなさそうです。ソニーはPS5対応のゲームをPS VRでプレイ可能にはしないと決定しています。どんな意図があるのかは定かではありませんが、PS VRの盛り上がりは過去のものとなったように感じます。

セットアップは比較的簡単にできますが、コードが多いためOculus RiftやHTC Viveよりも時間がかかります。まずヘッドセットを本体と繋がったブレイクアウトボックスに繋ぎ、さらにカメラをテレビの上に設置しPlayStationに繋ぐといった感じです。

そして、PS VRを使っていて一番イラッとくるのがカメラの性能の悪さ。目の前にあるときでさえたまに手の動きを正確に追えません。もっと離れたところでは言うまでもないですね。また、背を向けてしまうと手はぼやけてしまい、追跡は不可能に近くなります。

CNETのJeff Bakalarは「カメラが手の動きを追えていないと、VRの中の床が揺れ始めるんだ。酔って立っていられなくなった時みたいですごく変な感じがする」と話しています。

モーションコントローラーも使い勝手は良いのですが、Oculus RiftやHTC Viveに比べて性能は劣ります。指す、動く、押す、引き金を引くといった動作が最もスムーズに自分の手と同じ感覚でできるため、3つのブランドの中ではOculus Riftのタッチコントローラーがベストです。

それに比べてPlayStation Moveモーションコントローラーは、より従来のゲーム用コントローラーに近い使用感です。追跡機能もいいとはいえません。棒状で後ろに引き金を引く時のボタンが1つと、前面に大きめのボタンがいくつか配置されています。

加えて、ヘッドセットのイヤフォンもマイナスポイントの1つ。内蔵ヘッドホンではないので、頭を動かすと取れて落ちてしまうことがしばしば。後ろにあるステレオジャックのおかげで、ヘッドフォンに取り替えられることが救いではありますが。

このように、性能面ではPS VRはベストとはいえませんが、値段の安さを考えると値段以上です。良い点も残念な点も両方ありますが、しっかりVRを楽しむことはできましたし、きっとみなさんも同じように感じていただけるはずです。

©2020 WIRECUTTER, INC. A NEW YORK TIMES COMPANY.

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