逆転判決。グーグルvsオラクルのAPI訴訟で米最高裁がグーグルを支持

  • author Shoshana Wodinsky - Gizmodo US
  • [原文]
  • 塚本直樹
逆転判決。グーグルvsオラクルのAPI訴訟で米最高裁がグーグルを支持
Image: Shutterstock

著作権って、難しい。

米国の最高裁判所は、シリコンバレーでもっとも注目を集めた著作権紛争のひとつであるOracle(オラクル)との訴訟において、Google(グーグル)を支持する判決を下しました。

米国時間の月曜日、最高裁判所はグーグルが2005年にAndroidシステムを開発する際にオラクルの作成した約11,000行のコードを使用したことについて、著作権法に違反していないと判決を下したのです。この判決は、米国のソフトウェア開発に大きな影響を与えることになります。

裁判所は6対2の判決で、グーグルがオラクルのJavaアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)を使用したことは、フェアユースの法的定義に該当すると判断しました。

「議論のために、私達は素材が著作権で保護されていると仮定します。しかしここで問題となっているコピーはそれにもかかわらず、フェアユースを構成していると判断します。したがって、グーグルのコピーは著作権法に違反していないのです」と、Stephen Breyer(スティーブン・ブレイヤー)判事は裁判所の意見書で述べています。

これまで90億ドル(約9900億円)の損害賠償を求めていたオラクルは、今回の判決を受けての声明の中で、グーグルが同社のコードを「盗用」したというスタンスを強調しました。

「グーグルのプラットフォームはますます大きくなり、市場の力も大きくなりました。参入障壁は高くなり、競争力は低下しました」 とオラクルは述べています。「このような行動こそが、世界中および米国の規制当局がグーグルのビジネス慣行を調査している理由です」と述べています。

一方でグーグルはCNNに対し、今回の判決は「消費者、相互運用性、コンピュータサイエンスの勝利」であると述べています。

Breyer判事は判決文の中で、グーグルがオラクルのオリジナルコードの一部をコピーしたのは「プログラマーがその才能を新たな変革をもたらすプログラムに生かすために必要な一部」であり、これはフェアユースの定義に該当すると指摘しています。

Breyer氏はさらに、テクノロジー分野における「フェアユース」の定義はかなり「柔軟」だと述べています。コンピュータプログラムは 「常に機能的な目的を果たす」 ため、著作権で保護される他の多くの種類の著作物とは異なるとBreyer氏は説明しているのです。この場合コードの一部を独占的に所有することは、コンピュータサイエンス分野でのイノベーションを妨げるなど「負の結果を引き起こす」可能性が高いのです。

さらにこのケースでオラクルによるAPIの独占利用を認めると、「公衆に害を及ぼす危険性がある」と述べています。なぜならばAPIは最初から構築することが難しいことで知られているため、今後のプログラマーの創造性を制限することになるからです。

「急速に変化するテクノロジー、経済、ビジネスの状況を考慮すると、当事者の紛争を解決するために必要以上の答えを出すべきではないと考えます」とBreyer氏は述べています。

一般的に、現在の法はゲームやソフトウェアバンドルのような特定の種類のコンピュータプログラムを、著作権法の対象として扱っています。しかしグーグルは何年もかけてAPIは別物として扱われるべきだと主張してきました。つまり、APIは異なる(著作権のある)ソフトウェア同士の通信を可能にする一連のビルディングブロックに過ぎないと、同社は主張したのです。APIをオープンにしておくことはオラクルだけでなく、すべての企業のソフトウェアがより相互運用性の高い未来を築くことを意味します。

Clarence Thomas(クラレンス・トーマス)判事とSamuel Alito(サミュエル・アリト)判事と共同で反対意見を述べ、ソフトウェアに関連する 「変革的な」 著作物を裁判所が 「他者の『新製品の作成』を支援するために利用できる」 と定義することは、事実上著作権の消失」 であると述べています。

「グーグルはオラクルの作品をコピーすることで、オラクルの市場を壊滅させ、現在25億台以上のアクテイブなデバイスに搭載され、毎年数百億ドルの収益を上げているモバイルOSを生み出しました。オラクルの潜在的な市場に対するこのような影響がグーグルに有利であるとすれば、我々のフェアユース分析には何か大きな問題があります」とThomas氏は述べています。

注目すべきは、このグーグルとオラクルの訴訟が最高裁判所が週初めに取り組んだ唯一の主要なテクノロジー訴訟ではないことです。SCOTUS(連邦裁判所)は米連邦控訴裁判所に対し、Donald Trump(ドナルド・トランプ)前大統領が自身のTwitterアカウント(現在は閉鎖されている)を批判する人々をブロックすることで、米国憲法修正第1条に違反したかどうかをめぐる訴訟を棄却するよう命じました

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