AirTagは競合他社のトラッカーと比べてどんな感じ?

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  • author David Nield - Gizmodo US
  • [原文]
  • Moco Otsuka/Word Connection JAPAN
AirTagは競合他社のトラッカーと比べてどんな感じ?
こちらがAirTagです。 Image: Apple

4月20日に行なわれたApple(アップル)のイベント「Spring Loaded」では、新しいiMaciPadも紹介されましたが、皆さんお待ちかねの出るぞ出るぞと言われていたAirTagが、29ドル(日本では3,800円(税込)から)でついに登場!

だけど、このトラッカーは実際どういうことをしてくれるんでしょう? 装置のありかがいつでもわかるのはどうして? それに、すでに市場に出ているほかのBluetoothトラッカーとはどう違うんでしょう? ということで、米Gizmodo編集部が他社製トラッカーとAirTagを比べてみましたよ。

すでに世間に根付いているようなハードウェア製品を売り出すというのは、Appleにとって初めてのことではありません。ですが、過去に発売された、ほかのどんなものよりもやり方がうまいのもApple。いちばん有名なトラッカーはTile(タイル)によるもので、Tile Mateだと25ドルほど(日本ではオープン価格)。ですが、Samsung(サムスン)のSmartTagや、Chipolo(チポロ)のラインナップも25ドルくらいからで(Chipoloは日本で3,080円(税込)から)お財布にもやさしく、どれを買ったらいいか迷うところでは。

かんたんなことです。なくしたくないものなら何にでも、この小さな装置をつけましょう。鍵だとか、スクーターだとか、バッグだとか、デジカメだとか、その他もろもろに。スマホのアプリを使えば、持ちものがどこにあるかがわかりますし、どこかに置き去りにしたならば警告もしてくれます。

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AirTagを使えば、たいていのものは追跡できちゃう。
Image: Apple

こういうものはよく「Bluetoothトラッカー」と呼ばれていますが、まずはしっかり理解していただきたいのです。この手のタグには、GPSが内蔵されているわけじゃありません。宇宙に浮かぶ衛星にピピピと信号を送り、その位置を定期的に知らせている…のではないんです。こういうタグは従来、スマホへのBluetooth接続の中でもブルートゥース・ローエナジー(BLE)に依存しています。

となると、検知される範囲も限られます。理想は最大120メートルくらい? でも、家の中やオフィスで財布をさがすくらいなら十分では。Bluetooth接続というのはつまり、トラッカーに音を出させるにはそのくらいの位置関係じゃなきゃ、ということなんですね。

おまけにこの手のトラッカーには、同じしかけを逆に使っているものも。スマホが見つからないときに、トラッカーを押して電話を鳴らせるんです。ほかにもBluetooth接続が切れてしまった場合、あなたが何か置き忘れないように、トラッカーがすぐに知らせてくれたり。

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サムスン製のSmartTagです。
Image: Samsung

では、あなたのデバイスがBluetoothの届く範囲から外れてしまったときは、どうやって持ちものを見つけるのでしょう? この手のトラッカーは、関連するモバイルアプリのマップ上に現れるのですが、アプリはスマホのGPSを使っているので、何かをさがすのにいちばん正確な方法とはいえません。しかもGPSによる最後の位置情報のログを取るだけで、それもスマホとトラッカーがBluetoothを介して直近でやり取りした際に記録されたものなんです。

川に流しちゃった!とか、地下鉄に置き忘れちゃった!とか、そういう場合は、リアルタイムで持ちものさがしをするのには不十分でしょう。たとえば、スマホをさがすアプリだったら、それを使えば何とかなるでしょうけど。でもこれは、最低限でも職場や特定のレストラン、ジムなんかでのさがしものを手伝ってくれるんです。

「どこをさがしてもない!」というような事態になれば、もうひとつオプションが。こういうトラッカーは匿名で、同じブランドのデバイスを使っているほかのユーザーに、なくしたものをさがして!と、助けを求めることができます。なので、もしほかのTileユーザーが、あなたのさがしているTileのそばにいれば、新しい情報がわかるというわけです。

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Tileはいろいろな種類のトラッカーをつくっています。
Image: Tile

あなたの持ちものをさがしてくれる捜索隊の人数は、同じトラッカーを買った人だけと限られてしまいますが、それでもいないよりはいいと思いません? それに、これはAppleが大きな強みを持つ分野なんですが、iPhoneは毎年変わるし、機種変する人が何億もいるおかげで、なくしたAirTagもこういうスマホがみんなさがしてくれるというわけです。AirTagは「紛失モード」にする必要があり、「探す」アプリのネットワークがその位置を検知したら、あなたのiPhoneに通知してくれます。もし誰かが偶然あなたのAirTagを見つけてくれたら、自分の電話を使って(iPhoneでもAndroidでも、近距離無線通信(NFC)が装備されていればOK)タップすれば、あなたの連絡先の番号がポンと現れるというもの(電話番号を表示するよう選択した場合ですが)。

AirTagについてもうひとつ。AppleはU1と呼ばれる、Bluetoothとともに作動する超広帯域(UWB)チップを搭載していることを大フィーチャーしています。UWBの帯域はBluetoothよりも狭いのですが、位置情報をより正確に送ってくれるし、スマホの精密なARによるガイダンスに従って、さがしているものを見つけられるんです(Appleの製品デモ動画どおりですね)。

UWBは、AirTagが独占的に使っている技術ではありません。Samsungは同様の製品で39ドル(約4,200円)のSmartTag+を、Appleのイベントより前に発表しており、より正確な捜索体験を実現するUWBが採用されています。Tileも独自のUWBトラッカーを制作中とうわさされているので、これは「Appleじゃなきゃダメ!」というような機能ではありませんね。

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Chipoloトラッカーは、現在Appleの「探す」アプリと連携しています。
Image: Chipolo

UWBが世に出てしばらくたちますが、今では技術も低価格になり、スマホには十分なくらい小型化されました。ARを使ってUWBデバイスを追跡するなら、UWBを搭載したスマホ(iPhone 12またはGalaxy S21など)が必要になります。Bluetoothよりも広い伝送周波数を使うので、途中で帯域がいくらか犠牲になることも。

さて、Appleはほかにも何か見せてくれるんでしょうか? Appleが大勢のユーザーを活用してものさがしを手伝ってくれるというお話はしましたが、お持ちのApple製品を監視したいというあなたは、おなじみの「探す」アプリをすでに使っていらっしゃるのでは。つまり、AirTagが組み込まれることで、相対的にシームレスになるだろう、ということなのです。

それから「探す」アプリは、サードパーティー製の製品にも門戸を解放しています。たとえば、Chipoloのトラッカーがそうです。なので、無理やりAppleの製品をそろえなくてもいいということ。いささかApple「らしくない」動きではありますが、最近iPhoneユーザーがデフォルトのメールやブラウザーアプリを変更できることにもなりましたし、独占禁止違反のかどで訴えられちゃうのが何より怖いのかな?と邪推します。

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UWBでこんなふうに正確な追跡が可能。
Image: Apple

Appleのイメージから思い浮かぶように、セキュリティとプライバシーコントロールには配慮がされています。位置情報はAirTagそのものに保持されており、すべて匿名化して暗号化済み。Appleだって、あなたのAirTagがどこにあるか、ましてやどのデバイスが送信したかということすらわからないのです。もし誰かがあなたのポケットやバッグにAirTagをしのばせて追跡しようにも、かしこいアプリが「あなたのものではない」と判断して、警報を送ってくれます。またAirTagは、長い間持ち主から離れていると音を発するので、iPhoneを持ち歩いてその存在を警告で確かめることもありません(この追跡機能はあまりいらないかも。絶対確実ともいえませんし)。

Tile、Samsung、Chipoloにはもちろん、セキュリティやプライバシーを保護するための、独自の対策があります。先述のムダな追跡保護機能については、今のところいずれも搭載していませんけどね。Samsungはこれを早急に追加すると約束していますが、ほかのメーカーもじきに追随し、AirTagに追いつこうとしているのでは、とにらんでいます。

巨大なネットワークは頼りになるし、ほかのアップル製品とも非常にシンプルな統合を遂げました。プライバシーコントロールも厳しく、追跡もUWB経由で正確。iPhoneをお持ちなら、この手のトラッカーの中からAirTagを選ぶのは当然のこと。われもわれもとゲットするのに躍起になるでしょうね。

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