Razerスマートグラス「Anzu」レビュー:ブルーライトカット機能付きテレワーク用メガネ

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  • author Victoria Song - Gizmodo US
  • [原文]
  • Rina Fukazu
Razerスマートグラス「Anzu」レビュー:ブルーライトカット機能付きテレワーク用メガネ

「誰もが思い描くスマートグラスはまだだった」

グーグルグラスが初めて登場してからも、なかなか普及しなかったスマートグラス。その背景にはさまざまな理由があるわけですが、2021年になって再注目されるようになったのはちょっと不可解なところ。

フェイスブックアップルサムスンがARメガネの開発をしていることが噂されていて、アマゾンやボーズに関してはすでにメガネ型のヘッドフォンを発売しています。そんななか今回レビューするのは、Razer社のスマートグラス「Anzu。米Gizmodoライターが実際に使ってみた感想を綴っています!


ゲーミングノートPCや周辺機器、さらにはRGBライトで知られるRazerが、今度はスマートグラス「Anzu」を手がけました。大々的に宣伝しようとはしておらず、同社が拡大する家庭用生産性ガジェットのポートフォリオの一部として位置付けられているようです。

とはいえ「Anzu」は、ブルーライトフィルターやヘッドホン機能など一般消費者向けのスマートグラスとしては十分な性能を備えています。では、実際に買う価値はあるのでしょうか?

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Image: Victoria Song/Gizmodo US


Razer Anzu

これは何?:Razerの自宅ワーク用スマートグラス。

いくら?:200ドル(日本国内価格 2万4880円)。

好きなところ:自動ペアリングがスムーズ。仕事用電話をするのになかなかの音質。RXレンズのオプションがある。

好きじゃないところ:独自の充電器。ブルーライトフィルターは効果があるのかないのか? 同じことができるヘッドホンの方が優れている側面も。


デザインは悪くないとは思うけど…

「Anzu」は、アメリカでアイウェアのユニコーン企業と呼ばれるWarby Parkerをイメージしたデザインになっているとか。

フレームは四角いものと丸いものがあって、今回レビューするのは丸いタイプ。レンズにはブルーライトを35%カットするフィルターが備わっていて、偏光サングラスレンズを選択することもできます。

アーム部分はかなり太めですが、これはこの種のスマートグラスとしては当然のことだと考えられます。他のスマートグラスとは大きく異なるのが、ヒンジ部分にワイヤーを通していないこと。これにより、アーム部分が非常に柔軟になり、顔の幅が広い人でも装着しやすいようになっています。また、ノーズブリッジが低い顔の人でもかけやすいようになっています。私は顔の幅が広く、ノーズブリッジが低いので、最初からフィットしてくれる感じがあるのはありがたいなと思いました(たまに、顔の形に全然合わないメガネとかあるので…)。

ただ、もともと目が悪いので、別途コンタクトレンズを使用しています。Lensablを使ってデフォルトのレンズを処方箋付きのレンズに交換することもできるそうです。

スマートグラスが普及しなかった理由のひとつはスタイル。丸いフレームは個人的にはアリかなと思っていて、それに関しては同僚も同じ意見だったのですが...夫は全体的にこのメガネがあまり好きじゃなかったみたいです。親しい友達からはハッキリ「ダサい」と言われました。

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Image: Victoria Song/Gizmodo US

アームが太いとはいえ、1日中装着していて不快になることはありませんでした。平日8時間、毎日使っていて気になったのはレンズの汚れ方。眼鏡洗浄液やマイクロファイバークロスで何度も拭いても、いつも靄がかかったような感じになってしまうのは気になりました。

メガネの効果と使い勝手

さて、このメガネをかけるようになってから生産性が上がったかというと、まずブルーライトフィルター付きのメガネは、眼精疲労のプラシーボ以上の効果はないかも…というのが正直なところです。メガネをかけているあいだは穏やかで温かい色が見えましたが、目が痛くなったりするようなことはなかったです。

一方、ちょっと邪魔しているなと感じたのがタッチコントロール。右腕をダブルタップすると曲を一時停止できるなど、アプリに設定やコントロールの詳細が用意されていて、練習することさえできるようになっています。ただ、いくらやっても、すべてのジェスチャーのコツをつかむことはできませんでした。ダブルタップやシングルプレスは問題なかったのに、トリプルタップは全然できず、長押ししてもSiriは起動せず。「トリプルタップして最後のタップを2秒間押し続ける」というコマンドも、何度やってもできませんでした。結局、必死になってメガネをタップするのはちょっとマヌケかしらと我に帰ったりして。

音質については、AnzuアプリでEQの設定を変更することができます。でも正直なところ、それほど素晴らしい音になるかといえばそうではありません。音楽を聴くのには使えませんが、通話には問題ない程度のクオリティです。夫によれば音漏れもなし。ある同僚いわく「通話の音質から私のノートパソコンのマイクではないことはわかる」とのこと。声を聞くだけなら音質には問題なさそうとも言っていました。この手の機能は、アンビエントモードを備えたノイズアクティブキャンセリングヘッドホンにできることなので、200ドルのメガネが特別必要かといえば、そうではないんですけどね。

ただ良い意味で驚かされたのは、このRazerのメガネがPCと自動的にペアリングできること。これまでに試した他のスマートグラスでは、ペアリングするためにボタンを押す必要があったりしましたが「Anzu」ではアームを広げると自動的にペアリングができるようになっています。また、メガネを外したり逆さまにしたりすると、電源が切れるようになっています。オーディオを聴かずにしばらく装着していても同様です(ただ、その場合、必要なときにいちいち外して"再起動"させる必要があるので、ちょっと面倒だったりもします)。

この機能はバッテリーの持ちにも効果的です。というのは、2週間使っていたのですが、最初にフル充電してから1度も充電する必要がありませんでした。両アーム部分のバッテリー残量はまだ70%ほど残っています。ただ、各アーム部分に充電が必要なのは正直厄介です。さらに充電器の使い勝手が悪く、独自のものなので交換も困難なことが予想されます。

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太めのアーム部分。
Image: Victoria Song/Gizmodo US

「Anzu」は買う価値があるのか

全体として、個人的にこのメガネは嫌いではありません。誰もが思い描くような近未来的なスマートグラスは、まだ実現していないのだということを思い知らされただけなような気がしています。

このようなメガネは、装着中でも状況認識ができるなどのメリットがある一方で、テレワーク用のツールとして位置づけるのは、結局マーケティング上の宣伝文句でしかないのかなと感じてしまうのが正直なところ。ヘッドホンと比べてもありとあらゆることができて便利!…というわけではなく、何より生産性に特化したスマートグラスに対する私たちの期待値は、単なる「イヤホンの代わりになるメガネ」よりもはるかに高いところにあるだと思っています。

たとえばアマゾンの「Echo Frames」は、(良くも悪くも)Alexaを内蔵していたり、サングラス型の「Bose Frames」は優れた音質を提供してくれるほか屋外での状況認識に重点を置いていたり、ボーズの「Tempo」バージョンはランニングに最適だったりします。かつてはホログラフィックな通知を提供し、テキスト返信に対応し、Alexaを搭載し、Uberを注文することもできる「Focals by North」もありました。それらに比べると「Anzu」はほとんどスマートとはいえません

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Image: Victoria Song/Gizmodo US

でも、それもこれもRazerのせいとは言えません。というのは、やはり「Anzu」はスマートグラスとして十分な性能を備えています。それにオーディオ用スマートグラスのなかでは、価格が安い方でもあります。アマゾンの「Echo Frames」も「Bose Frames」も250ドル、「Focals by North」はなんと600ドルもして、手に入れるのにも一苦労しました。

Razerの「Anzu」のようなものは、一般の人にとって手が届きやすい価格帯で、ちゃんとした性能があるのに、決定的なユースケースはありません。特段美しいメガネとも言えませんし、優れたヘッドホンでもありません。どれをとっても、何か物足りないような感じがあります。もしかしたらフェイスブックやアップル、サムスンが発売すると噂されているスマートグラスは、お金をかける価値があるのかもしれません。でも、今のところ一般消費者向けのスマートグラスの現状は、Razerの「Anzu」がよく示しているように感じます。

訂正[2021/05/14]誤字を訂正しました。

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