おうち時間のおともにいいかも?
自分でプログラミングしながら、自宅のIoT化が捗るかもしれない「Arduino Oplàキット」を、米GizmodoのJohn Biggs記者がレビューしています。公式サイトから購入すれば、日本へも配送してくれますよ。
Arduino Oplàキットは、IoTガジェットを楽しく簡単に自作することができるプラットフォームです。
114ドル(約1万2500円)のスターターキットには、Arduino MKR WiFi 1010ボード(プログラミングができる小型マイクロプロセッサー)と、有機ELスクリーンを中央に配置した花のようなデザインのIoTデバイスが含まれています。このキットで実現可能なことは思いのほかたくさんあって、楽しみ方は無限大です。
Arduinoボードは、昔から知られるRaspberry Piと同様シングルボードシステムです。Aruduinoボードはスタンドアローンなので、他の電子機器と同じようにコードをアップロードすることができ、電源ケーブルに接続しておけばプログラムされた通りの動作を永遠に実行し続けます。
また拡張性も優れていて、センサーやバッテリー、スクリーンなど、さまざまな異なる機能を追加することができます。このパッケージは、WiFi対応ボード(頭脳部分)にタッチ、モーション、温度、湿度、光、さらには動きを感知するI/Oシステムとして機能するアドオンキャリアで構成されています。組み立ては数秒で完了し、初めてのプロジェクトのプログラミングもサンプルコードをコピーするだけで簡単に実装できます。
Arduino Oplà
これは何?:IoTプロジェクトのためのクレバーなキット。
価格:114ドル(約1万2500円)。
いいところ:高機能でパワフルなマイクロプロセッサー。
残念なところ:DIYキットとしては少しお高い。
どのように動くかというと
電子工作が趣味な人なら、Oplàをきっと気に入るはずです。初心者でも扱いやすいように設計されており、ArduinoオリジナルのWebベースのプログラミングプラットフォームを使ってコーディングし、コードをアップロードすることができます。1年間のArduinoのプレミアムIoTメーカーサービスが含まれているので、Wifi経由でOplàにリモートで接続することもできます。
購入を検討する際、真っ先に考えるのは「これで何がつくれるのか?」ということですよね。その他の電子工作キットと同じように、Arduinoにもキャリアに搭載されているセンサーを利用したサンプルプロジェクトがいくつか用意されています。たとえば、温度、気圧、湿度を検知して現状の屋外の天気を表示するウェザーステーションを作ることができます。このプログラムは、デバイスの端っこの方にある静電容量式ボタンをタッチして機能の切り替えも可能、さらにバッテリーを装着し、プラスチックカバーの中にデバイスを入れれば、壁に取り付けて利用することも可能です。
またこのキットは、自分のプロジェクトのプロトタイプ制作にもぴったりです。内蔵の継電器(リレー)やI/Oポートを使って、ランプや電気機器を制御したり、ほとんどの種類のセンサーと接続したりできます。Oplàを最終製品として販売することはできませんが、電子機器のプロジェクトを、実際にどのように動作するかをモックアップとして利用することができます。このボードにはWiFiが内蔵されているので、システムはArduinoオリジナルのプログラミングポータルに接続し、デバイスからコンピュータにデータを送信します。
使いにくさは?
このような電子工作キットに最も重要なのは「使いやすさ」です。せっかくボードやプロセッサーが可愛くても、プログラムや制御が難解だったら意味がありません。
Arduino独自のクラウドサービスが提供されているため、Oplàのコーディングは驚くほど簡単にできます。箱を開けて、ボードをキャリアに差し込んで、ボードをコンピューターに接続します。ボードはAruduino IDEのデバイスとして表示され、Oplàでは、各プロジェクトを「Things」と「Dashboards」に分けて管理するシステムを新しく採用しています。「Things」は、ボード上で動作するコードのことで、変更可能な変数を設定したり、各種センサーを読み取るための簡単なコードを書くことができます。
私はまず、リモートのダッシュボードから光、モーション、震動の各センサーをオン・オフできるシンプルな「アラーム」システムを作りました。コード自体は非常に単純で、センサーからデータを受け取り、それをダッシュボードに送信します。変数が一定のしきい値に達すると、システムは音と画でアラートを発して、画面にテキストを表示するというものです。
24Vのリレーを2つ搭載しているので、ファンやヒーターなどの電気機器のコントロールにも利用できます。たとえば、内部温度を設定し、外気温をチェックし、暑かったらファンを回すだけのループを書いたプログラムを作ることもできます。
ツールは、子供でも使えるくらいなので学ぶのは簡単ですが、マスターするのはたいへんです。独立したシステムなので、たとえば温室のコントロール、水槽の温度コントロールなど、想像できるものなら何でも、時間とともに成長し変化していく小さくて賢いプロジェクトを簡単につくることができます。114ドルのキットにしてはよくできています。
これは買うべき?
Oplàは万人向けではありません。Arduinoのプログラミングはとても楽しいのですが、それなりの技術力が必要です。Raspberry Pi派にとっては、このボードのパワーはちょっと物足りなく感じると思いますが、Oplàはスタンドアローンなので、SDカードやその他のストレージシステムを装着することなくシステム自体を壁に引っかけて使うこともOK。バッテリーブラケットを使えば、電源がない場所でもOplàを設置することができます。
このキットでできることは、特別なことではありません。Adafruit等のお店で購入できるパーツで、ほとんどの機能を再現できると思います。でもオールインワンパッケージになっているのはとてもよく、タッチセンサー付きのボタンやセンサー、シンプルなOLEDスクリーンなど、全ての機能を備えたこの小さなボードは、エンジニアの趣味で使うには最適だと思います。
Oplàのようなツールの使い方を学ぶのに少し時間がかかるかもしれませんが、一度わかれば、このエレクトロニクスの世界がさらに身近で、より面白いものになると思います!