ケチャップを出し切れる特殊コーティング、今度は歯磨き粉のパッケージに使われる

  • 13,248

  • author Andrew Liszewski - Gizmodo US
  • [原文]
  • たもり
ケチャップを出し切れる特殊コーティング、今度は歯磨き粉のパッケージに使われる
Gif: LiquiGlide

MITの研究者たちが2012年に発表した、ケチャップを容器からつるっと出せるようにするコーティング素材LiquiGlideを覚えているでしょうか。あれから9年が経ち、パッケージにLiquiGlideを採用した歯磨き粉がイギリスで発売されました。これで歯磨き粉を最後まで使い切るためにチューブを潰したり切ったりする労力から解放されそうです。

このテクノロジーを製造&商業化するためにMITのVaranasi Research Groupから独立したスタートアップLiquiGlide社は1350万ドル(約14億7000万円)の資金調達を発表したばかりですが、消費者にとって重要なのは同社がColgate(コルゲート)とのパートナーシップを明らかにした点でしょう。ColgateはLiquiGlideでコーティングした容器に入った歯磨き粉を発売。これで歯磨き粉のチューブをぺちゃんこになるまで潰さなくても、最小限の労力で中身を出し切れるようになります。

Video: Varanasi Group/YouTube

食べても安全な材料を採用しているので食品にも使える

LiquiGlideのコーティングは、超撥水性の表面とは異なるものです。超撥水性の表面では濃くて粘性のある液体は簡単に滑り落ちません。また食品に使っても安全ではない原材料でできていることが多く、時間が経つと劣化して滑りにくくなって有効性が消えてしまうという欠点があります。

そこでLiquiGlideの開発者であるMITのKripa Varanasi教授とDave Smith教授は、ボトルからケチャップを出し切るためのよりよいアプローチを考え付きました。 特別な処方の液体で容器にコーティングを施せば、容器内側の表面にある凹凸が埋まって非常に滑りやすい薄い層が作られます。ケチャップなどの内容物が接触するのは容器内側の凹凸のある表面ではなくコーティングされた層になるので、簡単に滑り落ちるようになるというアイデアです。

またLiquiGlideには食べても安全な材料で製造できるという強みもあって、容器に保存される食品に使われた原材料から製造された事例もあるとか。それこそがこのテクノロジーの革新的な点で、デザイナーのイヴ・ベアールやColgate-Palmolive(コルゲート・パーモリーブ)社のような企業とパートナーシップを結べた理由でもあるのです。

コルゲートの歯磨きにLiquiGlideが採用

LiquiGlideをパッケージに使ったColgateのプロダクト第1弾は、リサイクル可能な透明の容器に入ったColgate Elixirシリーズです。このラインには3つのホワイトニング成分が入ったColgate Elixir White Restore(ホワイト)、「2種類のフッ素とヒアルロン酸」で歯茎の状態の改善とエナメル質のケアを約束するColgate Elixir Gum Booster(ピンク)とお口の爽快感を長続きさせる活性炭とココナッツエキスを配合した Colgate Elixir Cool Detox(ブラック)の3製品があります。

210510ketchup02
Gif: LiquiGlide

歯磨き粉そのものも効果がありそうですが、Elixirシリーズの売りはその容器にあります。歯磨き粉はケチャップに次いで完全に出し切るのが難しく、これまでにあらゆる形状の製品や最後まで使い切るためのチューブ絞りも発売されてきましたが、どれも今ひとつでした。

それも、軽く絞るだけで出し切れるようになったLiquiGlideコーティングのElixirシリーズが登場したことで変わります。消費者がイライラしていた点が解消されただけでなく、リサイクル過程を簡素化できて製造の需要を減らせるので廃棄物の減少につながって環境にとってもプラスにもなります。

Colgate Elixirシリーズはまずヨーロッパで販売されてから近日中にグローバルでの展開についてアナウンスされるとのこと。価格は歯磨き粉としては高めで、イギリスのドラッグストアSuperdrugのサイト上では11.99ポンド(約1,810円)でしたが、現在はセール5.98ポンド(約904円)になっています。

Source:, Colgate (1, 2, 3), Varanasi Research Group, Superdrug, YouTube,

    あわせて読みたい