もっとインクルーシブに…なるのか?
世界中で30億というユーザーを誇るAndroidスマホ。そうはいっても、現状はどんな肌の色にもカメラがうまく対応してくれるわけではありません。
そんなことからGoogle(グーグル)は最近、“もっと正確で、多様性を尊重したカメラ”の開発に取り組んでいるようです。
肌の色、髪型に合わせた画質調整
写真家、アーティスト、デザイナーなど多様なチームの協力を借りて計算写真学(computational photography)アルゴリズムの改善に努めていることが、Google I/O 2021のオープニングでAndroid ・Google PlayのVPを務めるSameer Samat氏により明かされました。
Googleが目指しているのは、ホワイトバランス、露出、色温度などを肌の色に合わせて調整できるようにすること。また、巻き髪やウェーブのかかった髪などあらゆる髪型に対応したポートレートモードも用意しているとか。
プロダクトインクルージョンへの継続的な取り組みの一環として、テクノロジーをもっと使いやすく、公平なものにするために努力しています。
写真は有色人種にとって常にこう見られたいと思う通りに映ることはなく、それは一部のGoogle製品にもいえることです。
人種によるバイアスは写真映りにもあって、色を調整する際には肌の明るさがベンチマークとなっています。写真やフィルム、デジタルネガでも、肌色が暗いよりも明るい方に合わせていることだってあります。
特にスマホのカメラでは撮影後の処理に頼っているところがあるので、もっと厄介。とはいえ肌の色の違いを認識するようにソフトウェアをプログラムすることはできます。
気になる、Googleの矛盾点
Googleが今回、新しいPixelのカメラをもっとインクルーシブな形に見直していくと示したのは、もちろん歓迎すべきところだといえます。ただ、そうはいってもここ数年〜数カ月の同社に関するニュースを見なかったことにするわけにはいきません。
たとえば、元スタッフ研究員科学者でGoogleのエシカルAIの共同リーダーであったDr. Timnit Gebru氏の突然の解雇にはじまり、さらに黒人やクィアのAI担当グループが同氏とともに、Googleからの資金提供を拒否する嘆願書に署名していることが報じられていました。
Googleは、次のフラッグシップモデルとして登場するPixelに新しいアルゴリズムが採用されるかどうかについて明言していません。いずれにせよ、AIの多様性を高める取り組みの裏で何が起きているのかについてもまだ謎が多いみたいですけどね...。