パンデミック&初の出産のストレス → 癒やしを求めて「死なないたまごっち」に手を染めた

パンデミック&初の出産のストレス → 癒やしを求めて「死なないたまごっち」に手を染めた
Image: Florence Ion/Gizmodo US

ゲームに求めるものは何かって話ですね。

気がついたら米GizmodoのFlorence Ion記者がたまごっち沼にはまっていたので、ちょっと話を聞いてみました。


第一子が誕生し、人生で初めて親というものになってめちゃくちゃバタバタしているタイミングで、なぜあえてバーチャルペットまで飼おうと思ったのか。それは自分でもわかりません。たぶん、そんな時だからこそ始めたんだと思います。慣れ親しんだものに癒しを求めたんだと思います。コロナパンデミックによって、新生児との生活は予想以上に大変なことになっており、やっぱり、だからこそ昔はまりまくった懐かしい何かに惹かれてしまったのかな。まぁ、つまりは初めての育児の心の拠り所かつ現実逃避の手段として、たまごっちを再び始めてみましたってことです。

パンデミックのお家時間を少しでも充実したものにしようと買ったたまごっちでしたが、いざ初めてみると思い出しましたよ、生き物を育てることの難しさを。リアルでうちの子のオムツかえて授乳するのと同じように、時間にそったお世話プラン。すでにリアルお世話ルーティンで手一杯だったので、たまごっちの追加によって生活は輪をかけて大変になりました。それでも、愛に溢れた深い深いたまごっち沼にどっぷりはまっていきました。

たまごっちといえば、お世話に失敗したときのあの「私ってダメな親だな」感。正直、産後のメンタルでたまごっちを死なせてしまったら産後ウツまっしぐらです…。だからね、ハックすることにしたんです。たまごっちをハックして失敗しないようにプレイすればいいんです。

「あの頃」のたまごっちの思い出

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Image: Florence Ion/Gizmodo US

たまごっちの話を人にすると、みんな「死なせないの難しかった!」とあの頃を振り返って語ります。が、たまごっちは「あの頃」だけのものではありません。1996年のリリース以来、さまざまなシリーズを経て今もなお続いています。最新作はたまごっちみーつ。赤外線通信を行い、Bluetoothでスマホアプリのみーつとも通信できます。アプリを使えば、たまごっちはたまご型のプラスティック製のお家を離れて、バーチャル世界の中を冒険できるという仕組み。

とはいえ、たまごっちのコアの部分は今も昔も同じ。たまごっちをお世話して、育てること。いろんなキャラがでてきて、好き嫌いはあるものの、主となるのはしっかり育てること。

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Image: Florence Ion/Gizmodo US

たまごっちを集めようと思ってなくても、気がつけば収集してしまうのがたまごっちあるある。1996年のデビュー時を知る世代は、行列に並んだことがある人も。私はまだ当時子どもだったので、たまごっちの社会現象なんて深く考えずただ純粋におもちゃとして遊んでいました。その純粋な思い出があるからこそ、今、どこか居心地の良さを感じながら再び沼にはまっているんだと思います。

たまごっちがアメリカで発売されたのは1997年。大ヒットとなり、たまごっち以外のバーチャルペットも登場しました。私は「Dinkie Dino」や「ラクラクダイノくん」にもはまったくちです。

Video: Commercial Break Room/YouTube

初代発売から、アメリカでは数モデルしかリリースされませんでしたが、私が1番好きだったのは「かえってきた! たまごっちプラス」。赤外線で友達と通信できるのが楽しかった。2008年頃販売を終了し、それと同時に私もたまごっちから卒業してしまいました。

それから時はながれ、アメリカで再びたまごっちが脚光を浴びるようになったのは2019年。たまごっちみーつの登場です。初代よりも大きくて、ボタン電池ではなく単三電池を使います。スクリーンは1インチのカラーディスプレイ。友達と赤外線通信を、Bluetoothでスマホアプリと連携をします。全体を動かすのはARMプロセッサ。

さて、ここでたまごっちをハックする話に戻ります。アプリと連携するためのBluetoothチップが、現代のたまごっちをハックする鍵なんです。

ハッキングしちゃった

おうち時間6ヶ月が経過し、何か刺激を欲していた頃。夜な夜なInstagramのスクロールしている時に出てきたたまごっちみーつの広告。カスタマイズされた背景を見ていると、ふと欲しくなったんです。私もバーチャルペットのためにいろいろカスタマイズしてみたいなと。で、ぽちっと購入。

第一子が生まれて6ヶ月でたまごっちを始めるのは、たぶん最悪のタイミングでしょう。でも、めっちゃかわいいたまごっちを育てたし、日常の刺激・現実逃避としてとても楽しかったんです。娘のお世話の息抜きとして、ミニゲームにも精が出ましたね。

でも、やぱり難しいんですよ、たまごっちのお世話って。失敗して、たまごっちを何度も死なせてしまいました。だから、5度目の再チャレンジでハックの道へ進むことにしたんです。メディカルケアを必要とせず、たまごっちがいつでも、いつまでも幸せにいられるように。

たまごっちみーつの難しさとして、メーターを作用する好きな食べ物やアイテムが、キャラごとに違うことが挙げられます。乳幼児のお世話をしていない大人ならば、ゲームの一環として自分のたまごっちが何が好きなのかを探る楽しみもあると思いますが、私には無理ゲー。リアルたまごっち(生まれたばかりの愛娘)を育てるのに必死で、正攻法でたまごっちまでお世話するのは無理でした。

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Image: Florence Ion/Gizmodo US

たまごっちが1日中ピコピコ動いているということ自体は、愛おしくて好きなのですが、そのお世話・コミュニケーションルーティンは、私の都合に合わせてやりたいというのが本音。たまごっちは、最初の段階ではかなっり食事や遊びをマメにせねばなりませんからね。

InstagramやRedditを徘徊して見つけたのは「MyMeets」というWindows 10のアプリ。これを使うと、自分のたまごっちの結婚相手をカスタマイズできます。カスタム背景やゲームもアップロードできます。ごっちポイントを稼ぐこともできます。

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最初は、ごっちポイントを増やすことにMyMeetsを使っていました。たまごっちの好きなものを探すためにいろんなごはんを買ってみる必要があり、それにはごっちポイントがたくさんいります。MyMeetsでハックすればミニゲームしてごっちポイントを稼ぐ必要がありません。結果、ストレスが1つ減り、たまごっちの様子を気軽に、むしろ頻繁にチェックできるようになりました。

MyMeetsの開発者に話を聞いた

MyMeetsを開発したのは、ハンドルネームBolterさんという、とあるたまごっちファンの方。たまごっちコミュニティで他のファンの人からも協力をえて開発したといいます。アプリリリースは2019年中旬なので、日本でたまごっちみーつがでてすぐの頃ですね。アプリはたまごっちファン(Sammytchi_827さんとYeah_Right_Sureさん)が運営するTamaTownというファンサイトからダウンロード可能。

編集部のメール取材にBolterさんはこう答えてくれました。「事前予約して、すぐ手に入れました。そこからアプリ開発までは3ヶ月くらいですね」

BolterさんがMyMeetsアプリを開発した理由は、日本限定のキャラ「たこたこやきっち」を入手するため。「日本在住じゃないことで、このキャラが手に入れられないということが悔しくてしょうがなかったんです。でも、たまごっちみーつアプリでは、このキャラクターでプレイしている他のユーザーと会えたし、自分のたまごっちを他ユーザーのそのキャラと結婚させることもできました。つまり、たこたこやきっちのDNAを僕の端末にいれることはできたというわけです」

アプリと本体との連携がヒントとなり、Bolterさんはハッキングできると考えたそう。友達の協力のもと、たまごっちみーつのスマホアプリと本体とのBluetooth接続にWindowsアプリをねじ込むプログラムを開発。結果、WindowsアプリのMyMeetsを介して、たまごっち本体だけでは育てられなかったキャラを本体に召喚することに成功。

接続がちょっとややこしいという話もありますが、MyMeetsアプリを使って10ヶ月、私は問題なく使えています。食事やアイテム、キャラの転送に失敗したというコメントも寄せられていますが、あくまでもファン制作のハックツールということを忘れずに。使用は自己責任で!

もちろんバンダイ公式は推奨していません。ファンがハックツールを使うことをどう感じているか、バンダイ公式にメールで取材してみたところ、知的財産を尊重し健全な方法で遊んでほしいという回答がきました。また、外部ツールを使用した場合、ユーザーへのダメージやリスク(データリークなど)は保証しないので、使用はおすすめしませんよとのこと。ですよね。

公式が推奨するしないに関わらず、たまごっちのハックコミュニティは成長し続けています。それは、ハッキングというより、沼にはまったがちファンだけがたどり着く秘密のツールみたいな雰囲気があるからではないかと、私は思います。

ハックツールを開発したBolterさんも公式に対抗するつもりは毛頭ありません。「MyMeetsで、バンダイに危害を加える気はいっさいありません。たまごっちみーつの拡張機能という位置付けのつもりです。僕の最大の目的としては、たまごっちみーつのゲーム感を広げていくこと。だって、もっともっとポテンシャルがあるんですから」

今後のアプリアップデートにも細心の注意を払うというBolterさん。「MyMeetsにはたくさん好意的な意見が寄せられています。1番嬉しかったのは、このソフトのおかげでたまごっち本体だけでプレイするようになった!というコメントですね。開発者冥利に尽きます」

新たなプレイスタイルへ

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Image: Florence Ion/Gizmodo US

Bolterさん達は、Discordやネットコミュニティを活用して、できる限りMyMeetsのアップデートを続けていきたいといいます。また、ハンドメイドフリマサイトEtsyを通して、たまごっちみーつのハックツール「Magic Hut」の販売もスタート。この「魔法」を使うと、いろいろな設定をいじれるようになり、例えば時間をいじることでたまごっちの成長を早めることも可能。私もこのハックを実は購入済みで、メーターをハックして常にたまごっちの満足度をマックス状態にしています。私が現実でどれだけバタバタカオスな状態でも、たまごっちは幸せでいてくれる…。

Magic Hutのおかげでお世話に余裕がでて、ますますゲームを楽しめるようになりました。が、問題もあって、それは欲がでちゃうこと。これがあればお世話もノーストレスという安心感から、たまごっちをいっぱい買っちゃう。みつけたら欲しくなっちゃう。Tamagotchi ID L日本版も、帽子やシャツがかわいいって理由で買っちゃっいました。私のかわいいたまごっちに、セーラームーンやポケモンの衣装を着せたくて、日本のみで販売された赤外線通信対応のSonyのAndroid端末も個人輸入しちゃった。沼です。完全にやりすぎです。でも、ものすごい満足感なんです!

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Image: Florence Ion/Gizmodo US

たまごっちハックは昔からあり、新しいバージョンが出るたびにそれに合わせた新しいハックツールがでてきました。初代たまごっちのハックは電池を外して時を止めるなど、現代の「ハッキング」のイメージからは遠いものですが、それも立派なライフハック。今も、端末によっては使える古き良きハックです。

たまごっちコミュニティは、新しいゲームが出るのを楽しみにしています。手に入れてプレイするのを心待ちにしています。そして、新たなハックツールが出ることも…。

今年(米国で)発売予定の「Tamagotchi Pix」も楽しみでしょうがありません! Pixがでるまでは、今あるたまごっちコレクションを代わる代わるプレイして待ちます。現在、8台同時プレイ中!

バーチャルペットを育てるというたまごっち。現実の愛娘よりもずっとお世話が簡単で、成長・成果がすぐ目に見えるたまごっち。死なせないようにお世話するのがゲームの中枢にあるたまごっち。チートして死すら操ってこそ、現代のプレイスタイル、なのかな。

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