衛星インターネット「スターリンク」は誰にとってもベストな回線、ってわけじゃない

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  • author Joanna Nelius - Gizmodo US
  • [原文]
  • 塚本直樹
衛星インターネット「スターリンク」は誰にとってもベストな回線、ってわけじゃない
Image: Mariana Suarez/AFP (Getty Images)

郊外が狙い目。

先日発表されたStarlink(スターリンク)の最新データにより、イーロン・マスク氏の野心的な衛星インターネットサービスはどこで期待どおりの、そしてどこで期待はずれなパフォーマンスを示しているのかが判明しました。

ブロードバンドやモバイル接続のテストアプリことSpeedtestを運営するOoklaによると、Starlinkの速度は住んでいる場所によって大きく異なります

固定回線より早いかは場所による

Starlinkは現在、米国とカナダで提供されており50万件以上の予約があると報じられています。そしてこの2つの国の特定の場所に住んでいるユーザーは、他のユーザーよりも高速な接続が可能です。Ooklaによると、米国におけるスターリンクの第1四半期(1月〜3月)におけるダウンロード速度の中央値は、オレゴン州コロンビア郡の40.36Mbpsからカリフォルニア州シャスタ郡の93.09Mbpsまでとなっています。

これらの速度は問題ないように思えるかもしれませんが、固定ブロードバンド・インターネットプロバイダーに比べて大幅に改善された場所もあれば(カリフォルニア州テハマ郡では545.6%の速度)、逆に低下した場所もあります(ミズーリ州クレイ郡では67.9%の速度低下)。

OoklaによるStarlinkの速度と、米国の固定ブロードバンドの速度を比較した地図を見ると、カリフォルニア州北部、ワシントン州、ネバダ州、アイダホ州、オレゴン州とワシントン州の境界、およびバーモント州北部の一部に住むユーザーのダウンロード速度がもっとも向上しています。しかし同じ州やウィスコンシン州、ミシガン州などの他の州では、その地域の固定ブロードバンドと比較してダウンロード速度が低下しました。

ビルや木が多いところは✕

Ooklaの地図をみると、固定ブロードバンドよりもパフォーマンスが低下した地域は大都市や大規模な都市圏に集中しているようです。例えば、ロサンゼルス周辺のユーザーが他の地域ISPに比べて速度が遅くなるのは当然です。衛星の接続がうまくいかない理由はさまざまですが、おそらく最大の要因はビルや木、悪天候などの障害物が原因です。

Starlinkをはじめとする衛星ブロードバンドインターネットの理想的なユースケースは、何キロも見渡せる広大な土地がある田舎に、高速インターネット接続を提供することです。しかし、都市部や郊外ではそうはいきません。

カリフォルニア州テハマ郡のように、最大の都市がレッドブラフ(人口は1万4000人強)であるような場所がStarlinkにとって理想的な場所です。

米国とカナダのユーザーは同じ地域の固定ブロードバンドに比べて桁違いに大きな遅延を経験しており、米国では最大486%、カナダでは最大369%の遅延が報告されています。米国での遅延はワシントン州キティタス郡の31msという低い値から、ミシガン州オテゴ郡の88msまでです。一方で固定ブロードバンドISPを遅延の中央値は8msから47msでした。

Starlinkはまだ初期ベータ段階ですが、インターネットへの信頼性の高いアクセスができない多くの地方の住民にとっては、実行可能なソリューションのように思えます。スペースXがさらに多くの衛星を軌道に投入し、Starlinkのネットワーク容量を増やせば、遠隔地に住むより多くの人々に高速インターネットを提供できるようになるはずです。

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